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魔法少女と黒猫リン  作者: s_stein
第一章 魔法少女世界選手権大会

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69.迫り来る危機

 四人は、それぞれの使い魔を召還するための詠唱を行った。



 ミナの右肩の上で白煙が現れ、白フクロウの形になっていく。


 名は、ハカセ。


 割と大きめで、肩の上に載ると、頭の分だけミナより上に飛び出る大きさだ。



「急に呼び出すとは、何の用かのう?」


「お母様の使い魔を除いて、全員集合よ。ちょっと待っていてね」


「ホー」



 マコトの右肩付近で白煙が現れ、金眼の白猫の形になっていく。


 名は、ルクス。


 腕組みをしながらあぐらをかいて、宙に浮いている。



「おいおい。ハカセまでいるじゃねえか。

 まさか、全員集合ってわけじゃねえだろな?」


「その『まさか』さ」


「ちっ、面倒なことに巻き込むなよな」



 イリヤの足下で褐色の煙が現れ、ケルベロスの形になっていく。


 名は、ケル兵衛。


 大型犬くらいの大きさで、三つの首と蛇の頭の尾を持つ。


 一つの首が、イリヤを見上げた。



「いったい、何があったのだ?」


「ミナお姉様が、集まれって。ちょっと待っててね」


「承知した」



 そして、カナの右肩付近で黒煙が現れ、黒猫の形になっていく。


 もちろん、リンだ。


 ルクスと同じく、腕組みとあぐらをかきながら、宙に浮いている。



「何なのよ、この顔ぶれは?」


「これから、ミナお姉様からお話が――」


「何? 何? これから殴り込み!?

 どこどこ!?」



 左右のストレート猫パンチを繰り出すリンは、灼眼を輝かせる。



「ばーか。ご主人様の話を最後まで聞けっつーの。

 リンのその耳は飾りかよ?」


「なによ、ルクス。

 早とちりは、あんたの専売特許でしょーが」


「特許権は、ほーきした。

 パブリックドメインだから、てめーで勝手に使え」


「やーよ。あんたの手垢が付いたものなんか」


「んだこらぁ。手は綺麗に洗ってるぞ!」


「舐めてるだけじゃない」


「二人とも! ミナお姉様の話を聞いて!」


 カナの叱責に、ルクスもリンもミナの方へ顔を向ける。


「何すりゃいいんだ?」「そうよ、何するの?」


 ミナは、コホンと咳払いをして切り出した。


「これから、人払いをするため、ここに結界を張ります。

 でも、あのお方(ヽヽヽヽ)の眷属は、簡単に盗み聞きしますから、結界の外で見張っていて欲しいの」


「見つけたらどうするんだ?」「食い殺していいの?」


「好きにしていいわよ」


「よっしゃー!」「血湧き肉躍るわね!」


「ほどほどにね。

 火に油を注ぐ真似だけは――」


 ミナが言い終わらないうちに、ルクスもリンも煙のように消えた。


「では、わしらも、見回りでもするかのう」


「あいつら、火に油どころか、ガソリンとダイナマイトを投げ込む真似をするぞ。いいのか?」


「それを止めるのが、わしらの役目。

 できるな?」


「問題ない」


 ハカセとケル兵衛も、空気に溶け込むように消えていった。


「さてさて、人払いの結界でも張りましょう。

 結界は、ほぼ部屋の大きさにするから、好きなところに座っていいわよ」



 そう言って、ミナは右手を真横に伸ばす。


 すると、四人の周りが薄い緑色の霧に包まれていった。


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