???視点 参 ~休日~
翌日は休日で、昼過ぎに歓楽街に呼びだされた。
休日まで彼女たちに付き合わないといけない。もう死にたい。死にたいと思ったことがあるかってアンケートで四分の一くらいがあるって答えたらしいけど、そんなに少ないことが信じられない。
他人は羨ましい。妬ましい。みんなみんな、私と同じ目にあえばいいのに。
しぐれが「できるだけかわいい格好してきてね~」と言っていたので、精一杯可愛くしてみた。これで彼女の気にいらなかったら、どんな目に合わされるかわかったものじゃない。
しぐれが気にいる格好だから多分ギャルっぽい格好だろうと思ったけど、そんな服は持っていないからせめてスカート丈を思いっきり短くしてみた。こうして身に纏っているだけで自分に不釣り合いなのを感じる。正直肌に合わない。もっと大人しくてもっと露出の少ない服が良いのに。
不特定多数の人間にこんなに肌をさらすなんて、彼女は頭わいてるんじゃないだろうか。
周囲の人間の視線が気になる。
人の良さそうなおばさんが私の服を苦々しい目で見つめている。
若い男子の集団が私の方を見て騒いでいる。
スーツに身を包んだサラリーマン風の男性が私の格好を見て財布を取り出しそうになっている。
知り合いに見られたらどうしようと、そればかり考えてしまう。
いやだ、いやだ、いやだ。
帰りたい、帰りたい、帰りたい。
あの三人がまとめて事故にでも遭わないかな……
私はもう信じていない神様に、あの三人の不幸を願う。でも神様はいつだって私に意地悪をする。
「昨日ぶり~」
「お待たせシマシタ」
「おはよー、じゃん」
はるか、きりえ、しぐれが来た。
人を早めに来るように言っておきながら彼女たちは大遅刻だ。
「なかなか可愛いじゃん。まー服に着られてる感じだけど」
しぐれが私の格好を見て褒めた。
なんでだろう、トイレで尿入りバケツひっかけられた時より嫌な予感がする。
今すぐここから逃げないととんでもない目にあわされる感じがする。
「それじゃー早速今日の遊び場へ行こうか」
しぐれが私の手を取り、はるか、きりえが私の両隣に立つ。
どこへ連れて行かれるのだろう?




