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プロローグ


初めにーーー→投稿は超が付くほど不定期ですが、ぼちぼち書いてます。


趣味と自己満の塊の作品なので、上手くもなければ満足していただけないかもしれません。

ですが、お気に召して頂けると幸いです。


ご指摘などあれば遠慮なくコメントしてって下さい。迅速とまでは言えませんが、ちゃんと編集します。


応援などをして頂くと、筆者は喜びに打ち震えているかもしれません。


長文失礼しました。では、前書きなんかよりも、本編をお楽しみ下さると幸いです。


ペコリ((・ω・)_ _))




辺りは真っ暗だ。一寸先すら見えない暗闇が広がっていて、ここがどこなのかすら分からない。


だけど、仄かに灯る光が見える。

前後。左右。上下。全方位にズラリと一定間隔で設置されていて、まるで宇宙空間から星を見ているかのようだ。


その光は二色に別けられ、緑の光はゆっくりと明滅し、赤の光は常に点灯し続けている。


赤い光に近付いてみれば、そこには人が入れそうな大きさをした円柱状の透明なガラス容器が設置されている。緑や赤の光はそのガラス容器の下部から発せられているようだ。


ガラス容器を覗いてみれば、まるで肉の塊に大量の目玉を埋め込んだような肉塊が液体で満たされた中に入れられていた。


何本もの管が肉塊に繋げられ、たまに肉塊はピクピクと肉を覆う筋を動かし、眼球の隙間からは泡が溢れる。


だが、瞼のなく剥き出しになった眼球に生気はなく、まるで死後硬直のように動くだけで何の反応も示さない。


そんな歪な形をした生き物達ーー実験生物達が容器に閉じ込められて並んでいる。


緑の光を灯している容器の中も、どれも歪な姿形をした実験動物が入れられている。

触手を蠢かせる肉塊や全身が毛の球体など。中には、内側が真っ赤に染まっている容器すらある。


それらを通り過ぎ、更に奥。更に更に奥へ行った所に人型をした実験動物達が集められた列があった。


人型をしていると思えば、触手や肉塊などに肉体を変化させ続ける犬耳を持つ獣人。

全身が爬虫類のような鱗に覆われた眼と鼻がない龍人。

半分浅黒い人肌で半分機械仕掛けの体と角を持つ魔人。

両肘から先。両膝から先が刃と一体化した親指程度の小さな黒い妖精。

両目を縫い付けられ、額に髪色と同じ翡翠色をした輝く宝玉のような眼球を埋め込まれた耳の長いエルフ。

全身に多種多様な色をした眼球を持つずんぐりむっくりな体型をしたドワーフ。

心臓付近の胸に純白に輝く宝玉を埋め込まれた顔のない人形のような人間。


そしてーー。


今、その人間がゆるりと()を開かせた。



●●●



僕は平凡で特色のない高校生だった。


家族がいて、兄弟がいて、友達がいて。平穏な日常を人並みに生活している極々普通の高校生。

何の変哲もなく、特筆すべき特徴も特技もない。ただただ普通の高校生だった。


ーーあの日までは。


7月21日。夏休み前日。

その日も普段と変わらずギリギリの時間に家を出て、歩いて30分の距離にある学校まで自転車で急いで向かった。


寝起きでボサボサの髪はそのまま。朝食なんて食べる暇もなく、空腹に腹を空かせながらペダルを漕ぐ。いつもと変わらない日常。


遅刻間際で教室に着くと、急いで自分の席に座ってホームルームが始まるのを寝て待った。


だけど、いつまで経っても先生は来なくて。気が付くと教室には誰もいなくなってて。教室の時計の針は9:00を指してて。


もしかするともう体育館に移動したのかも。って焦って教室を出た所で僕の意識はプツリと途切れた。


そしてーー目を覚ますと真っ暗闇の中に居た。

前は暗過ぎて何も見えない。動揺して体を動かそうとしても、指一本ピクリとも動かない。

開いた瞼を閉じる事も出来なければ、呼吸をしようと息を吸う事も出来ない。

でも、不思議と苦しくはないし、辛くもなくて…初めこそは驚いて戦々恐々としたけれど、待っていても何も起きないし、徐々に落ち着きを取り戻す。


まるで、自分の体じゃないような。他人の視界を見ているかのような気分になってくる。


それから目を覚まして何分。いや、何時間経過したんだろう。

唐突に視界に見慣れない文字が浮かび上がった。


《ー〜ー〜ー〜ー》


勿論、読める筈もない。手も足も動かせないから確認も出来ない。そうすると、必然的に呆然とその文字を眺める事しかできなくて…。


《ー〜ー〜ー》


数分もせずに文字の上にポップアップが現れた。そして、端から文字が形をカクカクと変化し始めーー。


《protocol同期中…》


読める文字になった。


ポップアップの上に《complete》の文字が現れると、すぐにポップアップと一緒に消えた。

そして、ポップアップが消える事で隠れていた文字が再び視界に入る。


今度はなんとなく読める文字で。


《起動system dataを模索中…》


だけど、意味が理解できない。


解らない事を考えても答えが出るはずもなく、暫く呆然と眺めていると、数日ほどでようやく変化が訪れた。


《ERROR》


これは分かる。

エラー。異常って意味だ。


……え?異常?


《解決策を模索…》


《ERROR。master accountの失効を確認》


《system dateの模索を中止し、master accountを作成します》


《作成完了。master account作成にあたり、新たなsystem dataを構築します》


《現存のdataから構築…失敗》


《全てのarchiveを参照に構築…失敗》


《外部記録から構築…ERROR》


《再試行…ERROR》


《再試行…system dataの構築に成功》


《これより、新たに作成したsystem dataに身体を適応させます》


そこで、僕の意識がまるでテレビの電源を抜かれたかのようにプツリと途切れた。



●●●



床は大理石のような美しい光沢の放つ滑らかな白い石造り。左右には汚れ一つなく純白に輝く鎧を着込んだ騎士達が姿勢を正して整列し、壁には燃える炎の鳥が描かれた旗が一定間隔で飾られている。

赤絨毯が出入り口から王座にまで続き、玉座の手前にはゆるやかな階段。


そして、階段を降りた所に学校の制服を着た29人の生徒達と一人の教師が、まるで場違いな空間ーー王城の謁見の間に集められていた。


「ようこそ、我が国ラッハルトへ。異界から召喚されし勇者の者達よ」


玉座に座る壮年の男性ーーラッハルトの王が立ち上がり、仰々しく両腕を広げて目下の生徒達を笑顔で出迎える。


「既に話はそこの者から訊かされていると思う。異論がある者もいるはずだ。だが、これだけは認識して欲しい。もう我々には勇者を召喚するしか未来が残っていなかったのだ」


落ち込むように椅子に座り込むと、ゆるりと頭を下げた。


「頼む。この世界を救ってくれ…」


家臣達は彼等の王が頭を下げるのを止めようとはしない。既にそれを知らされているのか、彼等は悔しそうに歯を噛み締めたり、拳を握り締めたりして俯く。


「あの…それって、僕達に魔王を倒して欲しいって事…ですよね?」


生徒達の内の一人が手を挙げて不安気に質問を投げかけた。


「ああ。そう言う事になる。勿論、可能な限りの助力を約束する。魔王討伐に参加しない者達にも身の安全と衣食住を確約しよう」


それを聞いて安心したのか。

ホッと一息吐いて、彼は一歩前に自信を持って足を踏み出す。


「僕が魔王を討伐します。なので、他の皆は安全な場所で保護して下さい」


彼の背後にいる生徒達は驚愕や安堵を顔に出し、王様は嬉しそうに。だけど、悲しそうに瞳を染めて勇気に満ち溢れた少年を見やる。


「別に構わないが…お主に掛かる負担は計り知れない物になるだろう。それでもやると言うのか?」


「はいっ!」


覚悟を決めたと言わんばかりに少年は声を張り上げて返事をした。



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