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空の剣術

コウが襲いかかるセスに刃を向けて振り払う。三次元的な挙動は以前、1m超えのキリギリス、アリモノキルクイの群れと戦った時以来となる。しかし今度は体格が同じベイラー。海賊がやる気に満ちた今では、刀を降ろすには遅すぎた。ボードごとベイラーを両断しようと力を込めたコウだったか、どうしようもない事実によって、刀を存分に振るうことが出来ずにいた。


「《カリン! タイミングが遅い! 》」

「あなたが重いの! いつもよりずっと! 」


原因は、落下の際に浴びた水にある。雨の日でさえ、ベイラーの身体は水を吸って重く鈍る。さらには、コウが落ちたのは海水。悪影響がでない訳がなかった。斬りかかるはずが、振り上げが遅く、間合いを自分から外してしまう。


「《ならなんで海賊は平気なんだ!? 》」

「私に聞いて分かると思って!? 右!」


間抜けを晒すコウに、セスのもつブレードが迫る。海賊の刃は短く軽く、相手によって、そして場所によって関係なく、腕の力だけで扱えるようになっていた。それも今回の場合、腕の力以外が上乗せされる。


「もう一度海に叩き込んでやる! 」


上空からブレードが打ち下ろされる。ベイラーの全体重が乗った一撃。地上では受けることの無い部類の剣戟を、上段で律儀に受けてしまう。カリンの長年培われた技量が、ここに来て邪魔をしていた。コウのブレードは折れ、一撃を受けた肩に深く傷をつける。サイクルジェットが一瞬揺らめき、身体を支える炎が弱まる。セスは振り向きもせずに、再びサイクルウェーブをつくり、空中に居座り続ける。コウのように空中に少しでも制止できない代わりに、動き続けさえすれば、ボードで永遠と空にいる事ができた。


「《落ちる! 》」

「落ちない! 」


海へと真っ逆さまに落ちるコウを叱りつけながら、サイクルジェットをすかさず使う。肩の炎が一際大きく輝くと、海水を吹き飛ばしながら、体を再び空高く運ぶ。ここで、足にできた新たな噴射口がコウに恩恵を与えていた。今まで2つしかなかった噴射口が4つに増えた事で、空中で体を安定させるにの苦労しなくなっていた。そうして空中へと戻り、寝そべるような姿勢で空を駆ける。壊れた武器を捨て、新たなブレードを作り出す。視界に赤い体のベイラーを認めると、戦術を変更する。しかし地上での剣戟しかしらないカリンが迷っていると、コウが案を出した。


「《突きだ! 》」

「簡単に言ってくれるのね! 」


立たずに突く為に、コウが両手で剣を保つ。それは剣で祈りを捧げるような、戦いの場には少々似つかわしくない構え。しかし、それは立っていればの話。今の項は地面と水平にさせて、切っ先と頭のてっぺんを相手に向けた、突撃以外の何者でもない構え。それをみたセスが、対応を変えた。


「《次はもっと高くだ》」

「火を吹くベイラーなんて聞いた事ないよ」

「《目の前に現れたのだから、認めればいい。そして足場にでもしてしまえ。お前にはそれができる》」


サイクルウェーブを作り出す。先程までの滞空が目的の短いものではなく、両腕で作り上げた、特別な木の波。それにボードで乗り付けて、天高くターンを決める。幾度となく繰り返した空中波乗りのせいで、セスが作り出した木の破片が何個も海に落ちているのを無視しながら、先ほどの一合で刃のかけたブレードを捨て、新たにブレードを作り出す。そうして、剣を振り上げながら、コウたちへと加速していく。


真っ直ぐ突き進むコウと、乱高下を繰り返すセス。2人の進行方向が交わった。お互いに全体重を乗せた剣戟は、剣と剣を弾き合い、体にわずかな傷を残しながらすれ違う。コウは大きく旋回し、セスはその場でウェーブをつくり、ターンを決めて反転する。交差する点がほんの少し下にズレながら、二度目の邂逅。今度は振り下ろすのではく、下からに振り払う動作で攻めるセスと、上半身を捻らせ、突きの射程をのばしたコウの一合。剣と剣が弾きあったのは、先ほどと変わっていない。変わったのはそのあと、セスのブレードが先に壊れ、コウのブレードは壊れることなくお互いがすれ違う。傷はコウの方が深くついているが、ここに来てブレードの硬度の差が出始めた。


「白いやつは火を吹く上に硬い! 」

「《ひるむな! こちらが先に武器を届かせている。あの手品もずっと続けられる物だとはおもえん。もう一度だ》」


セスが、サイクルジェットの持続性を見抜いている中、コウたちは確かな手応えを感じているた。空中での剣戟に慣れて来たのと同時に、地面を使わない剣戟で何が重要なのかを理解しつつあった。


「今度は振り下ろす。ようやく空での間合いがわかってきた」

「《踏み込めないけどいいの? 》」

「ええ。代わりに突っ込むのよ。キルクイの時は、柔いから通用するんだって思っていたけれど、そう言うことでもない見たいね……なら、あれが使えるかもしれない」


地上での剣戟は、足の踏み込みで重心を動かし、その動いた重心に、剣を乗せて降ることで斬撃とする。もちろん例外はある。相手の剣戟を防ぐ時は、踏み込むよりも腰を落とす事の方が重要であったり、海賊のように、腕の力だけで振り回すことで、足場の悪い場所でも確実に相手を斬れるようにした剣術もある。だが大前提として、カリンは、足のつかない場所で、お互いが剣を持っている状態を経験したことがなかった。だがこうして、数回の打ち合いで、足を使えないのではなく、使う必要性が低いことを理解し始める。


「自分の重さをどれだけ剣に乗せるかの話になってくるのね。その為には、やっぱり高さか」

「《高ければいいってものでもないみたいだ》」

「あら。どうして? 」

「《あの海賊、二回目に『下から』、『切り払った』だろう? どうやったって体重なんか乗らない斬り方じゃないか。素人の俺だってそれくらいわかる》」

「なら……使っている武器そのものの違い、かもしれない」


 コウのブレードは重く長い。対して海賊のブレードは軽く短い。振りが短いほど、腕の力は少なくて済む。同時にそれは、足場のない空中での、重力に逆らいやすさにも直結しているとカリンは考え、その対抗策は、彼女の中ではひとつしかなかった。


「……私の剣術を今変えるしかない」

「《間に合わないよ》」


 即答で否定するコウ。経験則でいままで対応していたカリンが、その経験を捨てるにはあまりに時間がかかりすぎた。


「ならどうするの? 」

「《打ち下ろそう。やるなら早い方がいい。高度を取ろうにも、油がどれだけ持つかわからない》」

「油が切れて私が落っこちたら助けてくださる? 」

「《落とすわけ無いだろ》」

「まぁ! 即答なんて、随分たのもしくなって」


 カリンがわざと大げさに喜んでみせる。意識の共有のために、その言葉は冗談だと分かっているが、コウの内心は、もし地面があったならこの場で踊り狂いたいほどに喜びを感じていた。自身がカリンの期待に応えうるほどの成長をしたという実感であり、証であり、それがたまらなく嬉しかった。だが、喜び全てを相手に見透かされるのも、なにやら気恥ずかしく、どうにか押しとどめて、事実確認だけにとどめる。意識の共有といっても、100の意識が100すべて相手に伝えることはなく、意図的に共有しない感情を制御できるのだと、この旅でコウは学んでいた。意識を抑えた上で、謙遜にもとれて、かつカリンを褒めるべき言葉を並べて、出来るだけ短く伝える。


「《乗り手がいいからね》」


 もし間違えば、いつぞやのように溜息まじりの「ふぅーん」が炸裂するところであるが、コウの言葉にカリンは不満を出すことはかった。カリンはカリンで、コウの言葉の選び方が、会話の進め方が変わってきている事を感じたが、それは会話の内容が洗練されてきたのだと、無理やり納得する。これ以上の思考は時間が許さなかった。未だに自分たちは空にいて、それもいつ油が切れて落ちるか解らないのだ。事は早急に進めるほかなかった。2人は些細な我慢と違和感を同時に頭の片隅に切り払う。


「口もうまくなったものね。更に上に飛ぶわ! 」

「《分かった! 》」


旋回を止め、空を見上げて上昇をかけるコウたち。滑り降りを繰り返しているセスを尻目にぐんぐん高度が上がっていく。カリンが自分の身体の2.3倍の体重が掛かる。暑さや寒さを人間の丁度いい温度に保つベイラーのコクピットが、遠心力による加速を受けてカリンを痛みつける。ベルトが身体と、頭まであるシートが首を支える。乗り手用に発案されたこのコクピットシートがなければ、今頃カリンは打撲では済まない怪我を負っている。


「《(俺が海に叩きつけられたら、その衝撃は全てカリンに行く。そうならない為に、あの海賊を俺より先に落とす!)》」


今ではコクピットシートのおかげで、この様な大立ち回りをしてコウが吹き飛ばされても、カリンが頭を打って気絶する事はない。だがそれも地上での話。海上、それも空からの落下がどれほどの衝撃になるかは、想像するまでもなかった。


 ブレードを双方握り直し、激突に備える。腕だけの振りでもう一度コウを斬りつけんとするセスたち。対してコウたちの構えは、体をまっすぐに伸ばし、そのまま肩に剣を担いだ構え。地上では脚をつけていた構えを、そのまま空に持ってきたかのような構えだった。これに、セスが失笑する。


「《そんな構えで力が入るものではない!! ここは空なのだからな!! 》」


 カリンの、武器の違いによる有利不利の考え方は正しい。しかし要因がもう一つあった。腕の力でたしかに上段から振り下ろすことはできる。問題は、間合いの長い武器を十分『振り下げきれない』点にあった。ブレードが最大限効果を発揮するのは、切っ先から数えて3分の1も満たない部分。地上であれば脚と腰を起点にし、180度ブレードを振れば、相手を確実に斬ることができる。だが、この空では起点となるのは腕の範囲。カリンたちのように状態が寝そべった上体で上段から振ろうとしても、180度に満たない。無理に振ればその範囲まで降ることも出来るが、その場合は力が足りずに、目標に刃が当たっても、斬る事が叶わずにはじき出されてしまう。


 対して、海賊の武器は湾曲した、軽く短いブレード。片手で降ることができるうえに、湾曲した刃は、長く相手に接することで、相手を『斬れる』部分を刃の全体にまで及ぼしている。間合いの長さで負けていても、斬りやすさの点では圧倒的に海賊の武器に軍配が上がった。


「《首を狙うぞ。うまくいけば落ちてくれる》」

「うげぇ。あれ痛いんだよぉ? 」

「《長引かせたら、あの白いベイラーの仲間がきてしまう。こちらは2人やられていることを忘れるなよ。おまえの尻だってふたつしかないんだからな》」

「いまお尻の話題いる!? 」


 茶化しを入れながら腰から下に構える。下から刃を振り上げて、コウの首に当てる算段だ。感覚と意識を共有したベイラーは、痛みも乗り手に伝わる。ベイラーはすぐに生え変わる上に鈍痛であることから、大けがにつながることはそうそうない。だが、人体側の弱点は防ぎようがない。首や骨の無い脇腹などは、避けようもなくベイラーの弱点となる。


 乱高下がやみ、コウへと狙いを付ける。コウもまた、海賊に狙いをつけて刀を振り上げた。


「《落ちろ!! 》」


 ボードに乗って擬似的に地面があるとはいえ、踏ん張りがきくわけではない。ボードと一緒に回転させながら、遠心力を味方につけて横方向に力を加える。セスのやることは、勢いにのったブレードを、わずかに上にそらすだけでいい。乗り手のサマナは、このブレードの間合いを十分理解している。作戦通りブレードはコウの首に収まる。


 はずだった。


「「《シャァアアアアアアアア!! 》」」


 コウが、カリンが叫ぶ。瞬間に目が赤く灯り、サイクルジェットの炎が、けたたましい音を立てて燃え盛る。海よりも深い色をしたその蒼色をした業火は、コウの体を一瞬で加速させる。その加速は、コウを直進させるだけでは飽きたらず、方向をわずかに下に向けさせた。


 結果。コウの体は、胴体を中心にコマのように縦回転する。振り上げたブレードが、セス達の前で通り過ぎ、天地がひっくり返りながらも二度目の邂逅をへてセスへ向かう。地面がないからこそできた、空中での縦回転による大上段斬り。アリモノキルクイでの戦いで行った剣術が、ここで生きた。


 セスの横回転による力と、コウの縦回転による力がぶつかり合う。腕を伸ばしきって斬りかかったセスと、文字通り、全体重を叩きつけるように振り抜いたコウ。勝負は一瞬で付く。セスの刃を木っ端微塵にしながら、ブレードはとどまることをしらず、セスを肩口から刃を食い込ませる。ベイラーの胴体にある琥珀色の水晶にぶちあたりながら、競り合いに勝ち、吹き飛ばす。今までずっと乗っていたボードから脚が離れ、ついにセスが初めて空から落下した。


「《……空中の、それも剣戟で負けるか》」


 落下する最中に、乗り手が意識を手放したことを確認しながら、それでも落ちる場所を、自分たちが連絡船の上に行くように、手足を動かして調整する。コウ達は、自分達が切り捨てた相手を睨みつける。目は赤いまま。いつでも行動に移せるようになっている。


「《うまくいった。かな》」

「世界が逆さになる感覚はなれないわ……コウ? だんだん落ちていない? 」

「《うそ》」


 だが、意気込みとは無関係に、時間が迫っていた。4箇所からでるサイクルジェットの炎が、見るからに弱っている。燃料であるチシャ油が切れかかっていた。さきほどまでの加速が嘘のように、体がフラフラと揺れ、姿勢を安定させられない。


「《俺たちも着地だ! 》」

「なんとかできて? 」

「《なんとかする! 》」


 脚のジャットを細かく噴射させ、できうる限り落下速度を抑える。同時に、自分達がさきほどまで守っていた連絡船を見つけ、大きな甲板に人がいないかを事細かにチェックする。最終的に、カリンがコクピットから顔を出して叫ぶ。 


「早くそこから逃げなさい!! ベイラーに押しつぶされたいの!! 」

「は、はい!! 総員!! にげろぉおお! 」


 暫定的な船長、ロペキスは指示の意味を懸命に読み取り、すぐさま指示を飛ばす。船の中に次々と逃げ込む船員達。何名かは間に合わないと判断し、船から飛び降りた。


 最初に、セスが体を転がすようにして甲板に不時着する。両腕に大きくヒビを入れながら、脚だけは守らんと自身を玉にしたかのように転がる。最終的には、マストを支える支柱にぶつかるようにして静止した。次に、コウたちが真っ直ぐ甲板に着地する。先ほどよりもさらに弱まった炎がかろうじてコウの体を支え、最終的に残り数cmというところで炎が完全に消え、同時に、上半身は拳を叩きつけるように、下半身は片膝になりながら着地する。両者の着地の際の衝撃は大きく、堅牢な筈の連絡船を大きく揺らした。揺れが収まると、逃げた船員がドアの隙間からこの戦いの結末を見守っている。


「《勝負あった。これ以上君は飛べないはずだ》」

「《勝負あり?……勝負か。そうか》」


 赤いベイラー、セスがふと笑い出す。それは感動からくる笑いではなく、失笑しようとしたが、結局漏れてしまったような、嘲笑う声。


「《何が可笑しい? 》」

「《何が? そうだな。まず、勝手に勝ち負けを決めている事と、もう勝負がついていると勘違いしていることにだ》」

「乗り手が気絶しているベイラーを、私たちはこれ以上痛めつけることはしないわ。あなたに今できることは少ないとおもうのだけれど」


 様子がおかしいと感じたカリンがコクピットから顔を出す。その瞬間、さらに笑い声が大きくなった。


「《つくづく、つくづく平和な場所にいたのだな。立ち振る舞いから身分は予測できるが、まさか生身を晒すとはなぁ》」

「これ以上なにをするというの? 赤いベイラー」


 返答の代わりに、サイクルを回して立ち上がる。乗り手はまだ起きていないのか、動作は重く鈍い。軋むサイクルなど関係ないように、確かな足取りで立ち上がる。その手には、いつの間にか拾っていたのか、仲間の海賊が最初につかっていた鉤爪を振り回す。


「《やめろ! もう勝負はついた! 》」

「《……なら教えよう。海賊の勝負とは、最後に》」


 振り回したロープ付きの鉤爪を投げつける。カリンがすぐさまコクピットに戻り、コウを横っ飛びに躱させる。だが、セスの行動に攻撃の意図はなかった。


「《生き残っていた方が勝者なのだと!! 》」


 投げつけた軌道を強引に変える。鉤爪は流線型を描いて、輸送船の巨大なマストに巻き付いた。鉤爪がきっちりマストに食い込んだのを見届けたあと、セスが乗り手に声を掛けた。


「《いい加減起きないか 》」

「いまおきたよ。ガンガンする」

「《退くぞ。頃合だ》」

「まったくもう。勝手にきめてぇ 」  

「コウ! まだやれるわね!? 」

「《飛べなくたってやってみせる! 》」


 コウが駆け出してその両手を広げ、セスに組み付こうとする。だがその行動を予測していたセスは、無慈悲にその顔面に蹴りを喰らわす。


「《仲間と同じ目にあうといい》」


 ロープを支えに、片足をさらにあげて、両脚揃えてコウの顔面を蹴飛ばす。同時にそれがセスの体を加速させ、巻き付いたロープをほどいていく。マストからあまりきこえてはならない類の音が鳴り、身守る船員達の心臓が跳ねそうになりながら、セスは悠々を空中ブランコで空に躍り出る。


「《さらばだ諸君 》」

「白いベイラー、覚えたからね」


 鉤爪がマストから外れ、勢いを利用して海上にでるセス達。その姿勢は自由に海を闊歩する海賊らしく、雄々しく、逞しく、それでいてどこか美しかった。赤い肌をもつセスが、水滴を浴びて煌びやかさを際立たせながら、着水に備えてサイクルボードを作り出そうとしたとき。


 緑色をした針が、その体にぶち当たった。その数3発。態勢は崩れ、赤い肌は削れ、ロープはちぎれ、再び船の上に帰還する。何度も衝撃を受けて弱まっていたのか、輸送船の甲板についに穴が空き、セスの体が半分埋まる。


「《……何が起こった? 》」

「あー、あれだ。サイクルショットとかいう、ベイラーの飛び道具、だっけ? 」

「《こんな強いサイクルショットなど初めて喰らったぞ。一体どこから》」


 セスたちが、逃げられなくなった事よりも、自身に何が起きたのかを理解するのに時間がかかる頃、コウたちは船から乗り出して、そのサイクルショットを撃ちだしたベイラーに手を振っていた。それに気付いた乗り手が顔をだして、応えるように手を振る。


「姫さまー! お待たせしましたぁ! 」


 コウたちが乗ってきた連絡船。その格納庫から一人。腕をこちらに掲げている緑色のベイラー、レイダと、乗り手のオルレイトがいた。黄色いベイラー、リクがレイダを支えている。海の上で揺れる体は、誰かに支えてもらう必要があった。さらに、小舟を出していたのか、輸送船の周りもう1隻、別の船がぴたりとついている。その船には、残りの海賊のベイラーを椅子にしている空色のベイラー、ミーンと、乗り手の海賊をロープで縛り付けているナットがいた。


 カリンを心配した龍石旅団が駆けつけた。この活躍により、船員は全員魚の餌になることはなく、海賊たちは全員お縄となり、国王に突き出された。この海賊退治の知らせは瞬く間にサーラ全土に届き、龍石旅団、ひいてはゲレーンのさらなる友好を、カリン達は得る事になった。。

 

 後日、カリンと、同乗者であったロペキスの強い要望により、サマナとセス、海賊一味との面会が組まれた。これから1週間後に、旅団の面々が顔を合わせる事になる。

赤くて早い奴を出したくなりました。



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