↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/3

瑛美の告白

令嬢の番外編です!本編で書ききれなかった部分を書いていこうと思います!

彼の姿を見た瞬間、心臓が止まるような思いをした。


私の好きな人…初恋の人が、綺麗な女性と2人で歩いている。


(楽しそう…)


気付けば、私は彼の腕をつかんでいた…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



私と健斗くんとの初対面、当時私は赤ん坊だったので当然覚えていない。…けど。


「お母さん!この子が瑛美ちゃん?紗貴にそっくり!」


「そりゃ赤ちゃんだもん。」


「へへ…可愛い。」


健斗くんはそう言って、私の頬を軽くつついたり、優しく声をかけていたらしい。


お母さんが、その事を優しい表情で話しているのが、何故か印象に残っている。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



久し振りに会った健斗くん。最初は少しだけ恐かった。


中学生ということもあって、私よりも大きい体、それに加えて少しぶっきらぼうな話し方をしていたからだ。


でも、少しずつ話していくと、優しくて、面白い人だと思った。


そして、笑顔がとても優しい人だと分かった。


恋に落ちるのに、時間はかからなかった。


小学生の頃は、ただただ優しいから好き!って感じだったが、成長するにつれて…


恋心がどんどん積もっていった。


でも、私は気持ちを押さえ込もうとしていた。


体の事があったからだ。


私の体は、原因不明の病気に侵されている。長くは生きられない。だから、私の恋心なんかに健斗くんを振り回すわけにはいかない。


でも…そんな私に紗貴は言った。


「瑛美、その気持ちは絶対に無くそうとしたらダメ。私も瑛美の気持ちを否定しないから、瑛美も自分の気持ちを絶対に否定しないで。」


…紗貴の言葉に、また救われてしまった。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~



時は戻り…いつのまにか、私は健斗くんの腕をつかんでいた。健斗くんは驚いた表情で私を見る。


…ダメ、想いが止まらない。


「え、瑛美ちゃん…?」


「…やだ。」


「え…」


「やだ!やだ!私の方が健斗くんの事、知ってるもん!私の方が絶対健斗くんの事好きだもん!」


「あ、あの」


「確かにそっちの人は綺麗だけど…私の方が健斗くんの事好きだもん!私が健斗くんの彼女になるもん!」


もう、途中で何を言っているのかも分からなくなってきた。とにかく、健斗くんを取られたくなかった。ただ、それだけ。


「…瑛美ちゃん…」


健斗くんがゆっくりと口を開く。


「あのね、彼は…」


やだ!聞きたくない!


「私が彼女になるもん!…って、あれ?『彼』…?」


私は女性(・・)を見る。


すると、その女性(・・)は笑顔で話し出した。


「ええと…鷹村(たかむら) 瑛士(えいじ)、可愛い男です♪どう?可愛い?」


「え…」


「ええええええええええええっ!!!!!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



街の近くにある公園のベンチに、私と健斗くんは座っている。


「買い出しは俺が行っておくから、2人でちゃんと話し合えよ。」


数分前、そう言った瑛士さんは私達を残して街へ向かっていった。


周りにはそんなに人はいない。


「…」


「…」


沈黙が走る。


「…ごめんなさい。」


私がそう呟くと、健斗くんは慌てた様子で話し出した。


「えっ!瑛美ちゃんが謝る必要はないよ!紛らわしいあいつが悪いんだし!それにっ!」


「それに?」


私が尋ねると、健斗くんは再び慌てだす。


「あっ!いやっ!…いや、違うな。」


そう言って健斗くんは立ち上がった。


ベンチで座っている私の前に立ち、跪いた。


真剣な表情で私を見つめる。


「瑛美ちゃん。俺が好きなのは、瑛美ちゃんだけだから。」


そう言って私の手をとる健斗くん。


…えっ?


「…えっ。」


心の声がそのまま出る。


健斗くんは構わず話し続ける。


「…佐柄 瑛美さん。俺と」


瞬間


ジャカジャカジャカジャカジャーン!


公園の近くで路上ライブが始まった。


「俺と」


ジャジャジャジャジャジャ!


「俺」


ジャーンジャカジャカ!!!


いやうるさいな!


そう思っていると、一瞬沈黙が生まれた。演奏が一段落したのだろう。


瞬間


「俺と付き合ってください!!!」


公園中に健斗くんの声が響き渡った。


公園にいるほとんどの人の視線が刺さる。ちょっと恥ずかしい。けど…


それ以上に私の感情は幸せに支配されていた。


健斗くんの顔を見る。真剣な表情だが、少し照れ臭そうに頬を紅く染めている。


そんな彼を見て、ふと笑みがこぼれる。


私は、ゆっくりと口を開いた。


「…これから、よろしくおねが」


ジャアアアアアン!!!


再び音楽が流れた。私達を含めた公園中の視線が一気に演奏中の彼に向き出した。


次の曲の準備に夢中で、健斗くんの声は聞こえてなかったみたいだ。


私は気を取り直して、再び話し始める。


「よろしく」


ジャカジャカジャカジャカ!!!


「よろ」


ジャジャジャジャジャジャアアアアアン!!!


うるさい!


…あーっ!埒が明かない!


私はベンチを立ち、跪いている健斗くんに視線を合わせた。


ジャーン!!!


唇を重ねた音は、ギターにかき消された。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「…っぷはっ!」


2曲目が終わり、撤収の準備をしている傍らで、私は唇を離した。


…


…


…いや待って。私何した今?


今までの行動を頭の中で振り返った瞬間、顔から火が出た。


「ごごごごごめんなさい!」


慌てて頭を下げる私。返事をせずにいきなりキスだなんて…!はしたないと思われちゃう…!


私が慌てていると、健斗くんが優しい声で話し掛けてきた。


「…瑛美ちゃん。」


「は、ひゃい!」


瞬間、唇に柔らかい感触がした。


さっきと同じ感触だと気付いたのは、唇が離れて、健斗くんが少し照れ臭そうに笑う顔を見た後だった。


「これでおあいこ。これからよろしくね。」


そう言って笑う健斗くんに対して、私は


「…はい…」


としか、答えられなかった。


こうして、私は長い初恋を成就させたのであった…


…紗貴にどうやって説明しよう…?


その数時間後に思わぬ形でバレるのを、今の私は知るよしもなかった…




おしまい



~~~~~~~~~~~~~~~~~~


【おまけ】


「ねえ瑛美?」


「どうしたの紗貴?」


「あの時、『女性』って言ってなかった?」


「…」


「目をそらさないでよ。」


「…色々あって気が動転してました…」


「…まあ、そう言うことにしておきましょう。」



本当におしまい



瑛美ちゃんの告白シーンの詳細でした。こういう感じでちょこちょこ書いていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。