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Storm Passed

翌朝、あのシリアルキラーが捕まったとニュースで大騒ぎだった。


本名は霧島きりしま 克己かつみだったらしい。


まだ、捕まってすぐだったから、大した事はやってなかったけど、これから犯人の周りの人の取材やら何やらで、色々暴露されて行くのかもしれない。


その内、多分中山...霧島さんの母親も現れ、場合によっては非難の対象になったりするのだろう。


......ふぁ~


私は大きな欠伸をする。


昨日は焼肉を食べてテンションが上がり過ぎてしまったのもあって、また遅くまでゲームしてしまった。


でも、あの街作りのゲーム、ほんと面白くて止め時を失うんだよな~。


...とか言いつつ、この前バスケをやった時から、バスケのゲームも気になってたりする。


ああ、いっそ分身出来たら......


私が今日の夜のゲーム計画を練っていると...


「朝ごはん出来たよ~!」


と、お姉ちゃんが料理を持ってきてくれた。


「ありがとう、お姉ちゃん!」


さーって、今日の朝ごはんはっと♫


...こっ、これは......!

お姉ちゃん特製サンドイッチではないかっ!!


お肉のジューシーさ、野菜のしゃきしゃき感が合わさって、とんでもない美味しさなのだ!!


「いっただっきま~す!!」


朝からテンション爆上がり!

今日も良い一日になりそう♪


「ねえ、華凛ちゃん。明日さ......」


「ん?どうしたのお姉ちゃん?」


「今度は二人で、プレポ...行ってみない...?」


そういえば最近、お姉ちゃんとゆっくり遊んだりする時間、あんまり取れてなかったな。


「いいね、行こう!」


私の言葉にお姉ちゃんが笑顔になる。



──教室に着く。


「月代さん、おっはよー!

一昨日は大丈夫だった?なんか食中毒でヤバかったんでしょ?」


クラスメイトが明るく声をかけてくれた。


...ああ、そういえばそんな設定だったけ......


「...う、うん...ギ、ギリギリの戦いだったけど、なんとか......」


「うわぁ、マジで?

た、確かに目の下にクマが出来てる...」


それはただの寝不足なんだな~。


「でも、大丈夫そうで良かった!」


「うん...ありがとう」


そんな会話を交わしつつ、私は自分の席に座る。


「ご機嫌よう、月代さん!」


「ご機嫌よう、東雲さん」


おお、今日はちゃんと挨拶出来た!


「昨日の件、月代さんには、なんとお礼を申し上げたらいいのか......」


東雲さんが、今にも嬉し泣きしそうな勢いだ。


「そんな...いいですよ...気にしないで下さい」


「その様な訳には参りませんわ!

月代さんは私の為に命をかけて下さったのですから!」


入れ替わりを提案した時も、こんな調子だったから、説得するのに骨が折れた。


でも、あの時はお姉ちゃんや美月さんにも一緒に来てもらって、警察が全面的にバックアップし、安全を第一にするっていう事で、なんとか納得してもらえた。


因みに私とお姉ちゃんが警察に協力している探偵だという事は、ギリギリバレずにすんだ。


「同じクラスメイトで席も隣。しかも毎日声をかけてくれる......これってもう友達みたいなものじゃないですか。

友達が困っている時に助けるのは当然だと思いません?」


私が言った、友達という言葉に、東雲さんが強く反応する。


「...まあ......友...達......?私と月代さんが......?

うふ、うふふ......」


ん~?なんかそこはかとなく不穏な雰囲気を感じるぞ...?


「月代さ......いえ、華凛さん!もし貴方がお困りになる事があれば、今度は大親友の私がお力になりますわ!!」


だ...大親友......なんか一気に距離が近くなったような...?


というか今、何気に下の名前で......


「あ、ありがとうございます......東雲さん...」


「水臭いですわ!咲耶とお呼びになって!」


「は、はい...さ、咲耶さん......」


「はい、華凛さん!今日から末永くよろしくお願い申し上げます!」


「こ...こちらこそ......」


そう言いつつ、なんか面白くなってきて、思わず私は吹き出してしまった。


それを見ていた咲耶さんも嬉しそうに笑う。


「なになに?なんか楽しそうだね二人とも!」


クラスメイトが集まってくる。


「聞いて下さいまし皆さま!今日から私と華凛さんは大親友......マブダチになったのです!」


ちょ...ちょっと恥ずかしい......


「ええー良いなー!私も私も!」


「よろしくてよ!今度私の家でホームパーティーをする事に致しますので、皆さまもどうぞいらして下さいな」


ホ、ホームパーティー......?

まるで海外ドラマだなあ......


...はっ!で、でも、もしかしてご馳走がたくさん......?


「華凛さんは、先日お会いしたお姉様や親戚の方と一緒にいらして下さいね。あの方達にも是非お礼を申し上げたいので...」


美月さんは仕事でも飛んで来そう。


「ありがとうございます!一緒に行かせていただきますね」


「ええ!」


咲耶さんの笑顔が輝いていた。

何事もなく解決できて本当に良かったと、心から思う。



───翌日


私とお姉ちゃんは、再びプレポにやって来た。


休日だから混んでるかなと思ったけど、時間帯が良かったのか思った程でもなかった。


よーし!あの時出来なかったゲームやるぞー!


私は意気込んでゲームコーナーでお姉ちゃんと一緒に遊ぶ。


昔の格ゲーでCPUが超反応してきて台パンしかけたり、お姉ちゃんの相変わらずの神プレイに魅せられたり、クレーンゲームでモン太郎グッズをゲットしたりと、楽しい時間はあっという間に過ぎていき、気付いたら、ゲームコーナーだけで3時間以上経過していた。


「他の所でも遊んでみようか?」


十分堪能したので、お姉ちゃんに聞いてみる。


「うん!じゃあ、次はスポーツコーナーに行こうよ!なんか色々あるみたいだったし!」


確かに。なんか色々面白そうだよね。


「おっけー、じゃ行こっか!」


私とお姉ちゃんはスポーツコーナーへと向かった。



...ん?あれはもしかして...?


「あ、華凛ちゃんと華澄ちゃん!今日は二人だけ?」


陽菜さんがまたバスケをしていた。

今日は3人で来ているみたいだ。


「はい、そうです!

...ところで部活はまだ再開してないんですか?」


「うん、学校で殺人犯を出しちゃったっていうんで、なんか大騒ぎでさ。まだ再開できてないんだ...

なんかうちのクラスばかりで色んな事があって、呪われてんじゃないかって思っちゃうよ」


「それは大変でしたね...」


心からそう思う。


「まあね...でもさ、落ち込んでばっかもいられないし、バスケの腕が鈍るのも嫌だから、こうして練習しに来てるってわけ!

...そうだ!良かったらさ、練習ちょっと付き合ってくれない?

3x3のルールで、2対2って感じで!」


私はお姉ちゃんの方をちらっと見る。

お姉ちゃんは笑顔で頷く。


「分かりました!やりましょう!」



お互いに動きが結構分かっていたので、試合は最初から一進一退の展開になった。


残り時間10秒でこちらのボールになる。


あの時と同じ様な状況だが、今回は一点差でこちらが負けていた。


周囲の音は遮断され景色はぼやけ、ゴールだけがくっきり見える。


私は後ろに飛びながら陽菜さんのブロックをかわし、ライン外からシュートする。

全員の目が一瞬ボールに注がれる。


しかし前回と同じ轍は践まない様に、陽菜さんがお姉ちゃんの方へ走り、お姉ちゃんを二人がかりでブロックしようとする。


こりゃ流石にダメかな......


私の思いとは裏腹に、ボールは綺麗な弧を描き、そして、ゴールに吸い寄せられて行く。


...えっ?


...ゴールネットが揺れずに、ボールがすっぽりとゴールを通過した。


ええええ!!は...入っちゃった...!?


陽菜さん達が驚く中、お姉ちゃんが笑顔で駆け寄って来る。


私達はハイタッチした。



~了~

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