一個でいい
自分たちが食べるための滋賀の地酒で作ったという酒蒸しきんつばも買い「あとは甘酒だな」と言い、高遠忍は芙蓉と地下の生鮮食品売り場への階段を下りた。
「忍、我はカレーが食べたい、今日から煮込め」
「ああ」
彼は甘酒を探した。
レジの奥のエスカレーターの下の特設コーナーの上段に並んでいた。
ラベルに医者の天敵 飲む点滴と書いてある瓶を手に取りグレーの買い物かごに入れた。
「カレーだな」
「カレーよな」
芙蓉がカートを持ってきたので買い物かごを乗せた。
カレーのルーを二つに、玉ねぎ、にんじん、ジャガイモを入れ、牛すじ肉を入れる。
芙蓉はカレー用の固い肉が好きではないので、高遠忍の作るカレーは牛すじ肉で作ることになっている。
「忍、我は今日は鰯のフライが食べたい」
「ああ」頭どりされた中小羽鰯は少し小さかったが、まあいいだろうと、彼は二パックを買い物かごに入れ「鯵は?」と聞いた。
「鯵もよの」
彼は丸鯵を三尾買い物かごに入れた。
「タルタルソースでな」
「ああ」
「ハーゲンダッツ安いぞ」
「ああ」
アイスクリームの冷凍庫に来るとハーゲンダッツ198円のB5サイズのスタンドポップが立っていた。
芙蓉はストロベリーカスタードタルトとキャラメルヴァーニュとバニラクッキーラズベリーを買い物かごに放り込んだ。
「主は何にする?」
「マカデミアナッツ、一個でいい」
「さよか」




