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手土産
「芙蓉、酒呑童子の土産を買いに行くが、一緒に行くか?」
高遠忍はベッドに寝転がり、スマホでリズムゲームをしている芙蓉に話しかけた。
芙蓉は小さな指でスマホ画面をひたすら叩き、高遠忍には目もくれない。
彼は少し待った。男の声にしては高く、嫌みのない爽やかな声で「頑張ったね」という声が聞こえる。一曲終わったらしい。
「行くかの」
「ああ」
二人は連れ立って家を出た。
「歩いていくのか?」
サンダルを履いている芙蓉に彼は聞いた。
「たまにはの、歩くのも悪くない」
「そうか」
「しかし、土産など、あの小娘に買わせたらよかろ」
「もとはと言えば俺のせいだ。高月渚は俺を追いかけて山に入った。そこであの切り落としに目をつけられたんだからな、俺が悪い」




