罰当たりですらある
「あー、もう。酷いことしないで」
ぽいっと地上に放り出された白鼠を彼女が拾おうとするより前に、彼女のスカートから白い蛇がすらりと出てきて、白鼠を咥え、彼女に差し出した。
「シロちゃん、ありがとう」
白鼠は彼女の右手の掌に乗ると白兎とバチバチと火花を散らした。
「高月渚が困っているだろう、離れろ」
高月渚に張り付いている白兎に完全に冷静さを取り戻し本調子となった高遠忍が言った。
白兎はまだこの感触を手放したくないとばかりに、彼女にしっかりとしがみついた。
白鼠はしょうがないので、彼女の肩に移動し、彼女の黒髪を小さな手で梳いている。
「離れろ」
高遠忍が物理的能力で白兎の首根っこを掴み高月渚から引きはがすと、白い胸がたぷんたぷんと弾んで揺れた。
彼はそれに、また動揺し、「・・・・・・・・頼むから、閉まってくれ」と目を背けながら言った。
ようやく彼女はボタンをかけ始めた。
滑り込むように、白鼠がブラジャーの中に消えていった。
「ごめんね、もういいよ」
遠くの小さな彦根城を見つめる彼に高月渚は微笑みかけた。
「ああ」
彼は躊躇いがちにちらりと彼女を見た。
もうシャツのボタンはしっかりと全部留まっていたが、先ほどのこの静かな山にそぐわない、いっそ罰当たりですらあると言える彼女の恰好を思い出すと、彼女を見つめ続けるのは彼には困難だった。
そんな彼を気にもせず彼女は「ねえ、このウサちゃん、名前はなんて言うの?」と高遠忍の頭に乗る白兎を見つめた。




