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装備しないと意味がないぜ、外せるとは限らないけど

『セフィロト【エロヒム】の因子定着を確認しました。現段階において聖痕、大いなる呪い、邪樹の使用権、聖樹の因子が揃ったことにより呪いの玉座による統合が開始されます』


 いきなり何言ってんだ、統合なんてできるわけねえだろ。まとまりなさすぎだろこれ。


『然り、されども願いは絡み連なるもの也』


 待って、いきなりシステムメッセージが自我を持ち出した。然り、とかものなりとか言い出したぞどうなってんだ説明しろマジで。ゲームシステムに自我があってたまるか。


『聖痕即ち神への願い、大呪即ち人の叫び』


 ということはこれはシステムメッセージじゃない? じゃあ尚更誰なんだよ。


『大樹即ち中道の具現」


 つーか全くやめる気配ないね、これもう自動的に進行するやつだ。そういうイベントだ。


『神、人、大樹、三方立てど喰らいあい統べる者なし。空の玉座は今も埋まらぬ』


 空の玉座ってなんだよ、座るやつありきで椅子は作るもんだろうが。座るやついないのに椅子作んなや。


『玉座を埋める資格は十の冠、その一つをここに』


 今、十個って言った? 話を聞く限りでは聖痕、呪い、クリフォト、セフィロトのワンセットで一個だったよね、それを、十個? え? 手間が過ぎるぞ? つーか聖人十人倒せって言ってるよね?


『受け取るが良い、はじまりの壱を』


 冠か、なんだろ、ゴテゴテしたやつかと思ったが案外地味だな。ステレオタイプの王様が被ってる奴にそっくりじゃないか。こんな仰々しいこと言う割にたいしたことないのか、まあまだ十分の一っぽいし仕方ないのかもな。


「え? 被るのこれ。クソダサいんだけども」


 はーい、勝手に俺に近づいて来まーす、これも避けられない奴でーす。イベントシーンのムービーでーす。


『壱の冠 ー綻びー」

ー 始まりはいつも些細である、大壁にあいた針の穴、大群中に一人の裏切り者、あらゆる崩壊は綻びの先にある。これは始まりの証、そして終わりの確約。十の冠を集めしときに産まれ出でるのは人ならず神ならず。そして積もる呪いはあらゆるものを歪めるだろう、あるいは歪みこそが…… ー


【願いの澱】

ー 冠の材料となった願いの絞りかす、されど底に残ったものこそが本質であろう。最も濃く重いものこそが澱なのだから 


【聖水の残滓 身体操作疎外・大(反転)】

ー 動かぬ身体に呪いあれ、自由な身体を神に願うほかなかったのだ ー

【金剛の残滓 命中率ダウン・極大(反転)】

ー ああ、せめて、一矢報いることができたなら ー

【アドラメレクの残滓 発見力ダウン・大(反転)】

ー 望め、渇望せよ、それすらも自然の一部と知れ ー

【エロヒムの残滓 運ダウン・大(反転)】

ー 栄光は幻想でなく、誇りは飾りでなく ー


「大量のデバフはありがてえんだけどな……、できれば攻撃力上がる系の呪いが欲しかった。でもまあ、身体の重さは消えたから良しとするか」


 あれだけはマジでキツかったからな、また蛾を狩ろうかと思うくらいには。となると手で触れたものがダイヤモンドコーティングされる能力もきっと消えたんだろうな。


「手袋しっぱなしってのはやっぱり不便だもんな、ふーやれやれ」


 良かった、触れるのに躊躇する必要もなさそうだな。となるとだ、これから手に入る聖痕とか呪いの類の能力ってのは基本的に一過的なものだと思ってないといけないってわけだな。ものすごく便利な能力が手には入ったら惜しいが勝手に統合されるからどうしようもない。


「はー、毎回こんな風にデバフガチャすると思うと気が滅入るな」

「一通り独り言は終わったようね、それじゃあ説明をお願いしても良いかしら」


 ユーホとユーイーが眼を丸くしてらあ、そりゃそうか。今起きたことをゲーム画面的に解釈するといきなり上から冠が振ってきてそれを被った感じだから。端から説明もされずに見てたらもう何がなにやらって感じだよな。


「うん、めんどくさいから端折って良い?」

「せ、つ、め、い、を」

「あ、すんませんちゃんとやります」


 やっぱユーホが凄むと怖いわ、なんか魔力的なものがゴゴゴゴゴって効果音が出てるんだもんなあ。どっから音出してるんだよ。


「呪いがー、聖痕が-、かくかくーしかじかー」

「はぁ、それを信じろと?」

「信じるかどうかはお前に任せるがこれ以外の説明を俺は持ってないぞ」

「暫定的に信じることにします、本当に信じるかどうかはこれから決めましょう」

「それでいい、俺だってこんなこと言われても信じられないしな」


 本気で信じもらえるとも思ってない、それでも今は神相手の戦線を構築せにゃならんのは変わらないんだ。恐らく最大の障害になるだろう主人公ニケをどうにかする為には準備は不可欠だ。


「もう良いかの? それじゃ街に降りて装備を見繕うとするかのう。腹も空いておるじゃろう? 肉は無理じゃが野菜ならあるはずじゃ」


 そういやまともに飯食ったのいつだよ、流石に無視できないレベルになってきてたわ。休憩だな、今の俺たちには休みが要る。
















 








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