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蟲毒ってつまりそういう

「とりあえず勝ったな、強敵だった」


 なんか重いもん取り込んだみたいだけど特に体調に変化はない、むしろ良いくらいだ。聖痕とかいう存在はちょっとイレギュラーだけど問題が無いのなら考える必要も無いだろうし。


「これがあと十二人とか」


 ぶっちゃけやってらんねえ、今回上手くいったのは基本的に攻撃を避ける必要が無い身体してる奴だったからだし。当たり前に回避してくる奴には全く通じないだろうな。


「何が起こったのかちゃんと把握しておかねえと」


 使ったのは物質化だったよな。


【蟲毒】

ー 喰らった呪いは混ざりあい、いつか望みに届くだろう、されどゆめゆめ忘るるなかれ、呪いは願い、願いの喰い合いの果てに残る物、はたしてそれは人の手に収まるものだろうか。聖なるきずあと、大いなる呪い、楔たる大樹、いずれも獲物と知るがいい ー


【物質化】

ー 形を得た呪いはただ一度きりその力を行使する、願いを果たすその力はあらゆる障害を乗り越えるだろう。その代わり、使われた呪いは二度と現れない。消せぬ思いがあるのなら決して手放さぬことだ、それはきっと最後の寄る辺なのだから ー


「あれ、もしかして蛾の呪いって消えたの。別に良いけど」


 今は使える呪いがないってことになるのか、ジンの呪いとかウンターの形見とかも弾にできるってことなのか? ウンターのは呪いじゃなくなったから無理かな。


「で、皆さんそろそろ俺から距離取るのやめてくれない」

「ごめん、レヒト君が人間辞めてたことをまだ受け入れきれてない」

「ご主人様、身体から虫が」


 そんな動揺した目で見られたらこっちも話しかけにくいんだけどなあ。


「近寄らないでくれます? 呪いがイー姉様に伝染ったらどうしてくれるんですか?」

「ユーちゃん、それはわたくしの騎士に向かってあんまりだと思うのだけれど」

「いえいえ、駄目です。姉様はか弱いのですから」

「そりゃユーちゃんと比べたらそうだろうけど」


 呪いがそんな簡単に伝染してたまるか、それならもっと簡単に呪いをゲットできて万々歳だわ。


「大丈夫だぞー、俺は俺のままだからなー」


 時間が必要か、仕方ないな。そりゃいきなり仲間が胸から呪いの塊みたいな虫の大群を召喚して敵を食わせたらそりゃ引くわ。


「とりあえずは今いるところがどこかっていう話がしたい。距離は空けてて良いから聞いてくれ」


 冷静になって見渡すと周りは廃墟だらけで人影もない、加えて枯れかけのセフィロトとなると該当地域は一つだ。


「廃都ツァラトゥストラだ、今はもう滅びたサバトグランの王都だな」


 ビクテロと関係してるっぽいからいずれ来るとは思ってたけどまさかこんなタイミングで来ることになるなんて。ここにあるものはストーリー上で重要になるが、俺で取れるかというとかなり微妙なところだ。


「ここがツァラトゥストラ、城から出たら来たいと思っていた場所の一つですね。なんでも古代の魔法の文献が残っているとか」

「わたくしは調度品の方が興味がありますわね、古い物にはいろいろと宿りますから」


 姉妹の方はツァラトゥストラのことを知っているようだ、それなら説明の必要も無いな。プラチナとティーアの方はそれとなく補足しておこう。


「場所が分かったということで、やることを整理したいと思う。まず第一にやることは聖人を倒すための力をつけることだ、次は拠点の確保、最後に倒れてる聖人をどうするか」


 この十番目の奴どうしたら良いかちょっと決めあぐねてる、身体が水じゃなくなったから恐らくもう聖人じゃないんだと思うが。


「そんなの簡単でしょう、殺してしまえば良いのです。こちらを狙ってきたのですから当然でしょう、変な甘さは危険を生むだけだと知りなさい」

「わたくしも同感ですわ、いつまた襲ってくるとも限りませんし」


 確かにまあその通りなんだが、聖人を殺すというか空席をつくるとストーリー上問題があるというか、モンスターを一掃するムービーができなくなるというか。そうなるとちょっと洒落にならない数の人が死ぬんだよな。


「今から起こして意思を確認する、幸いもう水の身体じゃないみたいだから攻撃は通じるだろう。少しでも攻撃する意思を見せたら殺していい。だから話をさせてもらえないか」

「レヒト君、殺そうとしてきた相手にそこまでしなくても良いんじゃないかな」

「ご主人様、あてに任せてくれれば跡形もなくしますよ」


 うわあ、殺害派ばっかりだよ。俺も事情を知らなかったら恐らく問答無用で殺してたけどさ。


「ええい、いいから話をさせてくれ。この通りだ」


 頭を下げても特に意味が無い可能性もあるが、できるだけのアプローチはしてみるべきだろう。


「はあ、殺されそうになった本人がそこまで言うなら一言二言くらいは話してみても良いことにしましょう、でもやるときは一切の躊躇はしませんから」

「ありがとうユーホ」


 こいつが1番殺しそうだったから、この発言が聞けただけで頭を下げた意味はあったな。


「起こすぞ」


 肩を叩く、昏睡してるというか普通に寝てる感じだったから身体を揺すったら起きるだろ。


「ん、ここは、僕は?」

「おはよう十番目、今の気分はどうだ?」

「おまえ、は」

「できれば殺したくない、大人しくしてくれるか」

「あ、あ」

「あ?」

「ありがどうぅ~!!」

「うわっ!? 抱きついてくんな!? 変に動くとお前死ぬぞ!?」









 


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