紅石の谷間
すこし焼けた赤い石の地層が見える。
層になっていて、微妙に色が違う。
「地層!」
ビィが、子供っぽくはしゃぐ。いや、何時もはしゃいでいるが。
「鉱石が場所によって色々出るのだが、無闇に掘るな」
ビィが、壁面にへばりついている。
「ここ!」
「こら」
怒られた。
スライムが、ちょんちょん登っていき光る。
「くぉーら!」
ひゅんと、下の隊長に向かって塊が落ちてくる。
「おわ!」
器用に避けて、塊を拾う。
「ビィ、場所とこれ記録しろ」
「……ミスリルと、あっちはオリハルコンあるけど」
「は?」
スライムが再度ピョンピョン壁を走り光る。
「……くぉーら!」
隊長とおいかけっこをしながら、スライムがピカピカしながら塊を落としていく。
「なんかのコントか?」
「隊長は真面目なつもりだと思うのだが」
ちらりとビィを見ると、鼻唄混じりに塊を拾いつつ「あ、これは錫」と種類を呟きながら記録を録っていく。
「……ここが開発されない理由は」
「土竜の繁殖地域だからな」
洞穴がポツポツ見える。
「餌になるワームも山ほどいる」
「ああ、この洞窟ワームの巣穴かな?」
ビィが静かだ。
「なんだ? ワームでもいたか?」
「地竜」
土竜は翼のない竜だ。地竜は飛ぶことができる。
見上げると、眠そうに欠伸をした。
「見てくる!」
走って行こうとするのを、捕まえる。
「待て、近付くな!」
「エー、だって卵抱いてるし」
「余計に駄目だろ!」
「……地竜の卵」
「あ」
素早くアルが木刀を握らせる。
「? 何?」
ビィが首をかしげる瞬間打ち込む。
「な、な、何?」
ビィが戸惑っている間にアルは間合いを近づく。
「???」
ごつん
アルの上にインゴットが落ちてくる。
「あ、オリハルコン」
パタンと、倒れたアルを木刀でつつく。
ピカリンコ
「あら?」
スライムが華麗にビィの上に降りてくる。
錬成! オリハルコンの杖!
「……何故そこで杖」
にゅ?
スライムが首をかしげた。
「ビィ、次はこれだ」
レーガルがオリハルコンの杖を持たせる。
「ほら、ツンツン」
「うん? ツンツン?」
アルをツンツン。
ピカリンコ
「あら?」
「次はこれだ」
短剣を渡される。
ツンツン ピカ一!
「おろ?」
アルが死んだ振りする横で、ビィがいるんな武器でツンツンするのを見守る。
一部で「ツンツンされたい」と言うバカは袋叩きに処理されていたのを追記する。
ワームは鉱石を食べる。
ワームを食べに土竜が住み、その土竜を食べる地竜が地上に巣を作る。
「もうすぐ生まれるねぇ」
巣の側でビィがにこにこしている。
「魔王と敵対する子はいないかと」
「そんな認定はするな。……本当に成ったらどうする?」
レーガルは苦笑う。
「……ビィが覚醒したのはーーっ」
「にい。鱗貰った!」
ビィが走ってくる。
「地竜の鱗か。皿にするか?」
「スライム食べちゃダメーー」
騒がしい。それにレーガルは何処かほっとする。
☆ ☆ ☆
「なんだ、これは」
焚き火にくべられた肉。
「ワームのぶつ切り」
「……どうしたんだ?」
「土竜がくれた!」
ワームの素焼きは、意外にうまかった。
「で、これは?」
「地竜がくれた」
土竜の鱗、牙、なんか色々。
「……スライムが食ってるぞ」
「ダメーー!」
すこぶる平和である。
☆ ☆ ☆
こんにちは、ワームです。
でっかいミミズです。
掘った洞窟の中を、小さいのが進んできます。
あれはスライム。
屑鉄を食べているみたいです。まあ食べ残しなのでいいですが。
おろ? 何か呼んでいるよ?
子供ですが。……おろ!
すりすりして良いですか?
アテテ、え? すりすりしたらすりおろされる?
うん。そうかもね?
アダダダ!
あんた誰……。ディジー?
初めまして、え? あの子供はディジーの?
そうなのですか? スライム?
……私のお家で喧嘩はやめてください。
は!
隠れなければ!
え? 何からって、竜ですよ?
食べられちゃいますよ?
あ、こんにちは、人間の子供。
スライムは、ここです。
ねぇ、あむあむして良いですか?
イデデ!
ギャー! 地竜。
逃げ逃げ。
あむあむは、諦めますよ!
舐めても?
イデ! しくしく。
酷い。
エー、デカイのがダメーー?
まあそうですね。
小さくなれません。
修行しなければ!
挫折。まあ生きていれば挫折の一つも普通です。
はあ、あ、隠れなければ。
モグモグ
モグモグ
なんかの鉱石発見。
……。
もしゃもしゃ。
ワームが小さくなるを覚えるのはかなり先のこと。




