表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/87

困惑のアッシュ

巨大なディジーの噂を聞いた。

ディジーは初等科ダンジョンに生息する。

ビィが時々散歩に行くダンジョンだ。

アッシュはコウモリが飛び出している洞窟を前にしていた。

「お、アッシュ。ちょうど良かった。こいつらの指導宜しく」

「え?」

何故か指導することになった。

一年生三人。

「ええと一年生+三人+従獣が一匹で一+三+一の五階だな」

従獣はネズミだ。

「ここの一階はコウモリとネズミ、虫は毒は無いが噛まれるな。腫れるぞ」

コウモリは無視だ。何故かこちらに見向きもしない。

ネズミは近よりもしない。俺が居るから。

代わりにムカデの大群に追われた。

「二階はヘビと団子虫、小蜘蛛の巣に注意」

言ってる側から巣に絡まった。

小蜘蛛とかくれんぼ。隠匿スキルを覚える。

「三階は植物のディジーが居る」

「先生! 僕たちディジーを捕まえたいです!」

ディジーは鳴かないし、世話も簡単だから扱いやすい。

「じゃ、捕まえろ」

広場の前で三人が走り出す。

「お前のご主人て、どいつだ?」

ネズミが、花の茎をポリポリ食べている。

どうやらディジーからもいで来たらしい。

ネズミの方が捕獲上手いみたいだ。

三十分後、ヘロヘロになった三人が戻って来た。

「捕まらないです。先生!」

ま、そうだろう。

「優しくそっとしないと、逃げるだけだぞ」

ヒョイと一匹を捕まえて見せる。

道理で、花のクエストは受けなかった筈だ。

これでは何時間かかるかわからない。

と言うか、餌や罠は?

ネズミが二本目の茎を食べている。

「え、何で食べてるの? ネズミ」

ネズミに気がついた。遅いよ?

と言うか、何で捕まらないの?

「先生! 僕 ピンクが欲しいです!」

「あ、僕は白いの」

「僕はオレンジが欲しいです」

罠を作る。餌を撒いてみる。

「がんばれ」

もうそれしか言えないよ?

と言うか。

ネズミが三本目を食べている。

もうね、ネズミが捕獲したそこで目を回しているディジーで良いんじゃね?

結局何色かわからないけど、ネズミが捕獲したディジーを持ち帰った。

しばらく育てれば芽を出すだろう。

ビィは深い階層には行かない筈だから、危険はないと思う。

「アッシュ」

ビィだ。俺を見つけて声をかけてきた。

可愛い奴め。

ん?

球根が畑を耕していた。

蔓をブランコにして、ビィが揺れている。

ビィから目を離してはいけない。

へたりこんだアッシュの横で、ビィの兄が固まっていた。


☆ ☆ ☆


その日、アッシュはさすらっていた。

何か自分をイライラさせる。

入学以来何かと順位を争っているアルシオンが急いで何処かに行く。

「?」

そう言えば、弟が公開授業を見に来るとか言っていた気がする。

学校全体騒がしいのは普段と違う家族が来ているからだろう。

しかし。ざわつく。

いつも気にならない小動物すら騒がしい。

なんかいた。

「あのね、とりさんどこですか」

とりさん?

「おっきくて」

フム、迷子だ。

思い付く鳥の前にいた。鷲だ。

「とりさん」

おかしい。鷲が地面にへばり付いた。

「もっと大きいの」

うん? 騎鳥か?

おかしい。一斉に凝視しされている。

「お空飛ぶの」

あ、騎鳥は飛ばない。

飛ぶ鳥で大きいの?

飛竜が整列していた。

おかしい。何時も言うことを聞かないのに大人しくしている。

いや、動かない。

静かに搭乗拒否か。

「にいたま」

動かない飛竜に焦ったアルシオンがいる。

飛び付かれて…………。アレが笑っている!

てか。ピクリともしませんね。飛竜。

「おっきいね」

ペチペチ。

他の飛竜の視線が集まる。

怖……。

クンクンクンクン

何か甘い匂いが。

「ビィ、犬見に行こうか?」

動かない竜はあきらめたらしい。

てかなんで俺と手を繋いで歩いて……?

アルシオンと似ている匂い。

だが違うな。


「アッシュ、なぜ毎回タックルする」

「危険察知覚えてないだろ、お前」

クンクン

「毎回嗅ぐな!」

本人(ビィ)が入学してくるまで生け贄(身代り)にタックルしていた。

周りは仲が良いと勘違いするほどだった。

昔の話。


☆ ☆ ☆


「あれはよく燃える」

球根を前にアルシオンが横で呟いた。

「そうだな」

アルシオンと意見が合うのは、珍しい。

「お前のピピ、炎は?」

「あれは氷だ」

「フム、マロンの狐が火を扱うはず」

「ウィルの鳥が炎だったかも」

「ウィルを騙して燃やすか」

その昔、初等科ダンジョンの攻略ででかいディジーと遊んだ時の記憶は若気の暴走。

ウィルは、あんぐりと……。

「なんですか、あれは」

「何処から見てもディジーだろ」

「あんな大きいのいたんですか?」

「植物は大きくなるぞ?」

俺の里は、巨大な木がにょきにょき生えていた。

「そっちもよ! ちゃんとしないと燃やすわよ!」

マロンが騒いでいる。

畑をめちゃくちゃにしたらしい。

うん。ほうといても直ぐ燃やされそうだ。

「マロン、カルシウム不足?」

カルシウム? なんだそれ

「ディジーの実食べる? お肌ツルツルになるよ」

「!」

マロン。あっという間に機嫌が直って。

「兄上も、あーん」

「!」

アル。顔が崩れているぞ?

「アッシュも」

もちろん食べるぞ。

「ウィル。どったの?」

「この実」

「レア食材よね。あんなになっているけれど」

どうやら球根はレア実をつけるらしい。

「街で売ったらそれだけで生活できるんじゃ?」

燃やしたい。燃やしたい!

アッシュの我慢スキルが上がって行く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ