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3.黒が通ります

暑い 暑い 暑い

盆を過ぎても日差しは強く

近くのコンビニへ行く事すら

億劫になる程の猛暑


横を通り過ぎる車の列は

きっとクーラーをガンガンにして

涼しい空間を堪能しているのだろうと思うと

勝手に被害者意識が目覚めてくる


こちとら徒歩だ

車に乗ればいいだって?

そこには色々と事情があるのだけど

詳しく話す必要もないため伏せておこう


コンビニで炭酸水と食パンを買って

一時期の極楽から再度酷暑の中へと舞い戻る


暑い 暑い 暑い

信号待ちをしていると

ふと 青信号の横断歩道に黒い影が見えた

右折しようとしている車が止まっていて

でも 人の姿は見えない


てとてと てとてと

黒い影はゆっくりまったり我が物顔で

白線の上を歩いていった

自慢の翼はしまったままで

律儀に横断歩道を歩いているのだ


結局その後飛び立ったのかは謎なのだけれど

地面に散らばった 蛾の残骸から推測するに

飯にありつこうと必死だったのかもしれない


あぁ 暑い 暑い 暑い

カラスもわざわざアスファルトの上なんて

歩かなくてもよかったのに


家に帰るまでに我慢ができず

私は炭酸水のキャップを開けた

二度見したよね。飛べよ、って思った笑

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