第15話:十歳の試練――聖なる洗礼(第5章・第3部)
司祭は容赦のない厳粛さで続けた。その言葉はアレイラだけでなく、室内にいる全員の覚悟を試していた。さらに多くの光る水の血管が持ち上がり、霧の中で脈動し、彼女へ入った。その流れは先祖代々の力の貯蔵を移し、
キアロスクーロの系譜を支える神聖配偶神たちとのゴッド・リンクを補強した。
一瞬、アレイラは儀式室の彼方にある場所へ立っているように感じた。眼前には輝く地平線が広がっている。一方には、原初の光と聖なる歓喜から形作られた女神が待っていた。もう一方には、原初の闇と聖なる憤怒をまと
った神が立っていた。二柱の間には、完全な均衡の線が横たわっている。
彼らは言葉を発しなかった。
重なり合ったその存在が、彼女を認めた。最後の波が入るとともに、幻視は消えた。
司祭の声が絶対的な頂点へ達した。詠唱の最後の一節が、神の雷のように儀式室を震わせた。打楽器、弦楽器、合唱が、同じ圧倒的な最高潮を打ち鳴らした。
アレイラの皮膚の下にある魔力の血管が、オーラを通して燃え上がった。金色の光が彼女を包んで噴き上がる。目覚めたすべての至高性が本来の位置へ収まろうとする中、銀色を帯びたロイヤルブルーの瞳から、眩い光線が
放たれた。
「あああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」彼女の絶叫が儀式室を切り裂いた――快楽ではない。耐えがたい神聖な圧力がついに頂点へ達し、荒々
しく解放された叫びだった。
水は目も眩む光の柱となって噴き上がった。霧が巨大な螺旋を形作る。歓喜、憤怒、均衡が一瞬、池の上に三つの巨大な象徴として現れ、やがてキアロスクーロの紋章へ一つに重なった。
そして儀式が終わった。光は制御された波となって薄れた。合唱は畏敬に満ちた最後の和音へ静まり、太鼓は止まった。魔力の血管も暗くなり、傷一つ残さなかった。
アレイラは穏やかになった水へゆっくり下降し、霧の上に頭と肩だけを出した。全身が震えている。激しく息をし、疲れ果てていたが、意識は保っていた。
二人の女性侍従が駆け寄った。
「アレイラ王女殿下! ご無事ですか?!」二人は浅瀬へ入り、彼女を支えた。
アレイラは何度か深呼吸し、赤く染まった顔の一部を片手で覆った。
「はい……大丈夫。あれは……受け入れるものが、多すぎた」
一人の侍従が頷いた。
「強烈さそのものは正常ですが、殿下の共鳴は並外れておりました」
もう一人も続けた。
「よく分かります、王女殿下。私どもの支えなしで立とうとなさらないでください」アレイラの思考は、茫然とした囁きのように動いた。
うそ……あまりにも激しすぎた。あんなものが存在するなんて、知らなかった。池の縁から、エリーが叫んだ。
「どうなのだ?! 娘は無事なのか?!!」
「ご無事です、陛下」
二人の侍従が同時に答えた。
家族全員が揃って息を吐いた。安堵の涙がオノラの目に満ちる。ドナヒュー、ジーヴァ、ゲデオンは、儀式上の境界を守りながら池の縁へ急いだ。
再び目隠しの幕が上げられた。侍従たちはアレイラを水から助け出し、身体を乾かし、霧が消える前に儀礼衣を肩へ戻した。
司祭が王族のもとへ近づいた。それまでの威厳は、畏敬に置き換わっていた。
「ご息女は、我らの歴史に記録されたどの例とも異なる共鳴を生み出されました。聖源は単に応えたのではありません。私が可能だとさえ知らなかった深さで、殿下を認識したのです」
その言葉は、参列者たちの間へ波紋を広げた。
エリーとオノラは視線を交わした。どちらも何も言わなかったが、儀式が自分たちの最大の希望と最も深い恐れを同時に確かめたのだと理解していた。
アレイラは儀式用の休養室へ案内された。そこには柔らかな寝台、治療器具、医師たちが待っていた。医師は全員女性で、儀式後の彼女の安心とプライバシーを守るために選ばれていた。慎重に診察し、呼吸と脈拍を確認し
、水晶器具で新たな聖流の経路を辿り、統合が成功したことを確かめた。
彼女の力の水準は、十歳のキアロスクーロとして知られるすべての記録を超えていた。
その夜遅く、アレイラは絹の毛布の下に横たわり、新たな流れが、岸の形を学んでいる巨大な川のように自分の中を動くのを、まだ感じていた。
オノラ王妃が静かに入り、彼女のそばへ腰を下ろした。
「今はどんな気分ですか、私の小さな星?」
アレイラは自分の両手を見つめた。淡い金色、深い紫、銀色の光が指の間を動き、やがて消えた。
「すごく……大きい感じ」
彼女は囁いた。
「身体がどう抱えればいいのか分からないくらい、内側にたくさんあるみたい。でも、次に来るものへの準備はできていると思う」
オノラは額へ口づけた。
「一人で抱える必要はありません」
《聖なる洗礼》は完了した。
アレイラと聖源の絆は、まったく新たな段階で鍛え上げられた。歓喜、憤怒、均衡は、誰も予想しなかったほど深く目覚めた。それは彼女を、アカデミー、エンクレイヴ、そして城壁の向こうで待つ王族としての
驚異的な運命へ至る道に、確かに立たせた。




