君の名は *3
久々ですみません……。そして、○○○はお好きな言葉をお入れください。
「いい年して弱い者いじめして恥ずかしくないの? っていうか、何回同じこと言わせんのよ。本物の馬鹿? 馬鹿は死ななきゃ治らないらしいから、とりあえず死んどけば?」
「き、きつい……」
ぐぐっとジャンダールは押し黙ると、熊が逆上したような顔で叫んだ。
「てめぇ、女に庇われて恥ずかしくねぇのか!」
「別に庇ってないわよ、馬鹿ダール。あんたが弱い者いじめしてるのが、目障りでムカつくからどついてるだけよ。女に殴り倒されてるあんたは何なの。弱。ツラ洗って出なおせ。この精神脆弱○○○野郎」
「てめぇ、それでも女か!?」
「女だけど。ついてないわよ。見る?」
「見るか! もちっと恥じらい持てや!」
「あんたこそ根性叩き直せ馬鹿ダール!」
「名前勝手に変えるなや!」
「馬鹿を馬鹿って言って何が悪いのよ馬鹿ダール!」
「うるせぇ!」
「死ね!」
「アホ女!」
「ハゲろ!」
「二人共いい加減にしてー!!」
聞くに耐えない低次元な罵詈雑言の応酬に、ついにレジナルドは仲裁に入った。
このやりとりも日常化しているが、これには一応綾にも訳がある。
結局綾は、昼と夜は食堂の手伝いをして、昼以降は軍内部の事務補佐という名の雑用係となった。
さすがに他部門も多くあるため、日夜駆けずり回る羽目になる。紋章のせいもあり、綾の所属は近衛預かりとなるため、その雑用も王子や将軍の雑用と幹部関係だ。
幹部に関わっているせいか、恨みや嫉みも多く絡まれやすい。 あの手この手でうまく流して逃げている。
ある日城内の通路の死角で、ものすごく線の細い気弱そうな男が、ものすごくゴツいむさ苦しい男に金を巻き上げられているところを仲裁に入ったのをきっかけにして知り合ったのが、レジナルドとジャンダールだった。