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オレ達の魔法を見た家庭教師はフムフムと頷くと本を開き、特になんの答え合わせもなく魔術の授業に入った。
でも、この授業自体が答え合わせなんだろうって気が付いたので、大人しく聞く事にしたんだけど……何故に授業というものはこう眠たくなるのだろうか?
教師が淡々と話すのが更に子守唄になって、もうさっきから何度舟をこいだのか。
良いんだよ別に、魔法学校の設立者の話なんて。
寄付をした貴族がどーとか、魔法持ちが身分に関係なく入学出来るのはうんたらとか。
しかもそれは表向きだし。
平民でも入学出来るけど、入ってしまったら貴族との格差があるんだろ?
確か、一定階級以下と以上で食堂が別になってたと思うんだけど、それはまた別の乙女ゲームだったっけ?
いいや、姉は設定を細かく作るが故にその設定を使い回す傾向があるから、恐らくは平民層と貴族層の区別はあるのだろう。
いかん、本格的に眠い。
なにか面白い事を考えよう……そうだなー……あ、そうだ。オレ、何か美味しい物が食べたかったんだ。
まさか倒れてそのまま転生するとは思わなかったな。
もしあのまま、転生せずに目が覚めていたらオレは一体何を食べただろう?
姉から絵のお駄賃がたんまりと入った筈だから、思い切って焼肉かな?それともファストフードでバーガーセット……Lサイズとか!
はぁ……フライドポテトが食べたい。
うん?
フライドポテトならジャガイモと油と塩があれば出来るよな?あれば、だけど。
「なぁ、庭で野菜とか作ってないのか?」
隣に座っているスティアに耳打ちすると、ビックリした風に目を大きく開けてこっちを見るから、教師が話を止めてオレ達に注目してしまった。
「あ、あの。小さいですが菜園はあります」
この状況で真面目に答えられたら、非常に気まずいのだが!?
「お、おほほ。先生、なんでもありませんわ。お話を続けてくださいませ」
フム。と頷いた教師はまた魔術とは関係無さそうな話を続けるが、お陰で目は多少覚めた。
小さくても菜園がある、か。
「野菜が好きなのですか?」
思いがけない質問に、今度はオレが目を大きく開けてスティアを凝視してしまい、再び教師が話を止めてオレ達に注目した。




