【47・謁見の間続】
かなり間隔が空いて申し訳ございません。
「やはり、伝説の魔獣フェアリアルキャットだ。 お主、妨害魔法を掛けたな? 」
「当然さね。私を甘く見るんじゃないよ。これくらい造作もない。 それで? 一国の王様とやらが私に何の用だい?」
私を新しいおもちゃを見た子供のようにキラキラした瞳で見つめる国王陛下。
いやん! イケメンに見つめられるなんてなんの特典?! ちょっと、スマホでその表情を撮ってスチル化したい!
最近、内なるオタ腐女子が顔を出して来る事が多く内心ではヒヤヒヤしていたが、そこは魔獣様の外面。 顔色一つ崩さず国王陛下を見上げるようにする。
いや、そうしないと色々とマズイ。特にフェアリアルキャットのイメージが完全崩壊してしまう。
「用というか確認したい事がいくつかある。素直に答えてくれれば、悪いようにはしない」
「確認したい事? ふん、悪いようにしない……ねぇ。アンタらが私に何か出来るのかい?」
挑発するようにわざとらしく牙を見せながら、ニヤリと笑みを浮かべると、抑えていた魔素を解放して周囲を威圧をした。
「っ……。 なんという魔素っ……。 国王!危険です!」
どっかの貴族が慌てて携えていた剣を抜こうとするが、そうはさせん。
「私は飽き飽きしてたんだよ。リューリやリカルドが居るからと我慢してたが、なんだい? アンタらは。私を見てグチグチと五月蝿いったらないよ。 まだ、そこら辺の魔物の方が賢いねぇ。私を見れば大人しくするから」
「なっ?! 我らを侮辱するとはっ!」
「ふんっ、やかましいよ。私はアンタらより長命で力もある。私の力がどのくらいかその目で見てみるかい? 言っとくが、コイツらに手出ししようもんなら全て灰に帰ると覚悟しな?いいね?」
そうこれは言わなければならない。私一人だったら姿を隠すなりすればいいけど、せっかく会えた転生仲間のリューリやその家族に手を出されるのは許せない。
私は更に魔素を解放しようとしたが、私の目の前に両手を広げリューリが止めに入ってきた。
「……リューリ。何のつもりだい? そこをどきなさいな。 なぁに、アンタらには傷一つ付けないから安心しなよ」
「だ、ダメだっ! アリア! 何もしないって言ったじゃないかっ!」
「ふん。 確かに言ったねぇ。 だから、『まだ』何もしてないじゃないか」
「……っ。 アリア、落ち着いて? 国王様の話の途中じゃないか」
私が放出する魔素が恐いのか子供のリューリは震えるが、毅然と私を見上げて私を落ち着かそうと手を首元に伸ばしてきた。
「き、君っ!危ないから下がりなさいっ!」
「黙ってっ!! 元を正せば貴方方がいけないんです!! アリアはずっと我慢していてくれたっ!! 僕に任せてくださいっ!!」
「っ何を!」
「静かにせんかっ!! ……アリア殿、好奇の目に晒させて済まなかった。 私がお主と話がしたいと言わなければこのような自体にはならなかった。 改めて、話がしたい。良いか?」
低く唸り声を上げる私の首元というより胴体にリューリが優しく触れてきた。
先程、貴族に向かって怒鳴った姿とは打って変わって私を労るように優しく撫でる手つきに、次第に少しずつ収まる魔素。リューリに宥められて、わざと挑発してたのが、マジでイライラに変わっていたけど、それも次第に落ち着く。
「………アリア。国王様がアリアの為に謝ってる。 ねぇ、話だけでも聞いて欲しいんだ。いいかな?」
私達のやり取りと魔素による威圧が消えた貴族達はまた騒ぎ出す。
「…………甘いフルーツサンドにカツサンド、ハンバーグ。それで、我慢する」
「へっ?……ぷっ、くくっ、わ、分かった!いっぱい作るよっ!」
不貞腐れた私はリューリに頭を近付け我慢して話をする代わりの対価を所望した。
それを聞いたリューリは笑い出し、元気にいつもの笑顔を見せて頷く。 リューリ、アンタはそうやって笑っているのがいい。怒鳴ったりするのは似合わない。
深いため息を隠さず一つ吐くと、私はその場でリューリとリカルドを囲うように身体を丸め伏せをして座り、国王を見上げた。
「………。リューリに免じて話を聞いてあげるさね。 何の話だい?」
読んで下さった方々、ありがとうございます!
稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)
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