第14話 奇跡の最上級回復薬
俺たちはボロボロになって倒れている少女を見つけた。年齢は俺たちより1~2歳下のように見える。
本当は可憐な美しさを持っていたであろう顔が、
打撲痕や切り傷などで原型を留めていなかった。
服も所々裂けており、脚においては何かに切り裂かれたようで、足首から太ももにかけて激しい裂傷ができている。
また腕は普通とは反対の方向に折れ曲がり、
その横に元々持っていたであろう杖がへし折られて捨ててあった。
傍から見ればもう手遅れのような状態だったが、
かすかに息をしていた。しかし息を吸い込む度にゴロゴロという音もなっていた。
この音はおそらく肺に骨が刺さり、肺に血が溜まっていることによってなっていると思われる。
しかし少女は決して生きることを諦めてはないようで、気を保っていた。
その様子に気づいたリムルが、「ねえラント!最上級回復薬じゃ治らないかな!?」
と聞いてきた。しかし俺も本物を見るのは初めてなので、治る、とも言いきれない。
しかし試さないことには分からないので、リムルに飲ませてみるよう言った。
自分では口を開けることすらままならないような少女に、リムルが最上級回復薬を飲ませる。すると、呼吸をしても肺がゴロゴロ言わなくなった。どうやら効き目はあったようだ。
しかしそれにホッとする暇もない。
そう。最上級回復薬が足りな過ぎるのだ。
「せめて最上級回復薬がもっとあれば……!」
俺はそう呟いた時、妙案が浮かんだ。
「調合……」
「どうしたの!?」
「虹薬草を調合して回復薬を作る!そして余った虹薬草で患部を抑えて少しでも早く回復するようにする!」
「……でもラントって調合できるの?」
心配そうに聞いてきたリムルだが、俺はきちんと策をたててあった。
そう、俺の頭の中にある、『禁忌・魔法の書』に
回復薬の調合の仕方が書いてあったのだ。
少し変なモノが出来るかもしれないが、
見当違いのモノができるよりはマシだろう。
俺は息を吸い込むと、小さく呟いた。
「虹薬草を使用する薬の調合」
すると、頭の中にみるみるうちに調合の仕方が浮かんでくる。狙い通りだ。
俺は思わず笑みをこぼしてしまう。
「待ってろよ……今、最上級回復薬より効く薬を作ってやるからな……!」
幸いなことに、材料は全て揃っていた。
しかもなんと最上級回復薬を凌ぐ薬は調合台で作らなくても良いものだったので、案外簡単に作ることが出来た。
***
「……よし!完成だ……!」
俺はそう言って高々と薬を掲げた。
「ねえラント!早く飲ませてあげないと!急に
あくびした!」
「よく分からないが何かが起こっている。
リムル!この薬を口に!」そう言って俺はリムルに薬の入ったビンを手渡した。すると、
「うん!」
と言って少女の方に駆け寄り、口を開けて薬を飲ませる。
飲ませ終わると、少女は自力で弱々しくも口を開いた。
しかも「……あ……う」と少しではあるが話すことができるようになった。
俺はその様子を見て、彼女が怪我をしている場所に
虹薬草でてきた薬を垂らし、虹薬草で覆っていった。
しばらくすると少女はまた自力で口を開いた。
しかし今度は痛みが引いたのか、きちんと彼女の言っていることが聞こえた。
「……ありがとう」
彼女はそう言うと安心したのか眠った。
もちろん息もしている。
「……すぅ……」
彼女が眠った時には、もう日が沈みかけていた。
かなり長いこと治療をしていたのだろう。俺は夕日を見ると、一気に疲れがのしかかってきた気がした。
「助かってよかったね!」
「……ああ、薬が効いて助かった」
「そう言えばその薬、なんて言う名前なの?」
「……決めてなかったな……そうだ!
『奇跡の最上級回復薬』なんでどうだ?」
「いいね!あの子を助けられたのもこの薬のおかげだし!奇跡と言うだけの価値はある!」
「そうだな。それじゃあ、あの子を連れてギルドに戻るぞ。報告事が山積みだ」
俺がそう言うと、リムルは「うげぇ……面倒くさい……」などと悪態をつきながらも少女を背負って
森を出てくれた。
そして俺たちがギルドに帰ると、楽しい楽しい事情聴取の時間が待っていた。
【最後に】
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