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お題合わせの新連載始めました。

宜しければ御暇潰しにでも読んで頂けましたら幸いです<(_ _)>


 毎年恒例の節電も影響してか、乗客で込み合う電車内は正直に言って地獄の手前だ…と、まだ新米社会人と言っていい佐々木(ささき)弥生(やよい)は、げんなりと嘆息した。

 いや、電車だけではない。ヒートアイランド現象とか言うのだったか……もう空には細い月と小さな星の瞬きが見えると言うのに、町自体が熱を溜め込んでいて逃げ場がない。


 定刻通りに駅構内に入ってきた電車が、扉を開けた。降りる人の波を脇に退いて見送ってから、電車に乗り込む。


 今日も一日、無事に終わった。

 仕事そのものには慣れたが、満員電車に慣れる日なんて来るのだろうか…と、つい遠い目をしてしまう。

 圧し掛かる疲労は、日々の仕事は勿論の事、それに加え通勤ラッシュ、家計、色々と理由はある。

 だが、それだけでない事も、弥生は自分でよくわかっていた。


 最近、眠りの質が落ち続けているのだ。

 原因は弥生の真上の部屋に引っ越してきた一家。


 父親に母親、そして小さな女の子と赤ん坊の4人家族……らしい。


 『らしい』と言う伝聞形式のは、階が異なるので挨拶がなく、顔も何も、直接知る機会がなかったからだ。

 ご近所さん経由で家族構成などは後々知る事になった訳だが……挨拶はなくとも、上の部屋に人が入った事は、帰宅してすぐ気付く事になる。




 弥生は就職を機に一人暮らしを始めたのだが、社会人として働きだして、まだそんなに年数は経っておらず、当然預貯金は少ない。


 毎月の手取りも、暮らしていけない程ではないが、節約必須な額な為、古い集合住宅……はっきり言えば高度経済成長期の名残とも言える団地の一室に、新居を構えるのが精一杯だった。

 当然ながらエレベーターもなく、4階にある自分の部屋――405号室まで階段で上り下りする毎日となる。


 ただ、御近所には恵まれていた。


 5階建ての古い団地に住む住人達の多くは穏やかで、日々財布と通帳の残額に目を吊り上げてはいたが、御近所付き合いを含めた生活一般に、これと言った大きな不満はなかった。

 勿論小さな不満はあるが、そんな事は誰にとっても当たり前で、言い出したらキリがない。


 だが、そんな日常に翳りが見え始めたのは、弥生が仕事に出ている間に4人家族が引っ越してきてからの事。

 家族が引っ越してきたのは505号室、弥生の真上の部屋だ。




 ドタドタバタバタ、ガチャン、ガンガン、ギャアギャア、ウェェ~~ン……



 もう、絶え間ない程に色々な音が降り注いでた。


 生活音は仕方ない。

 これはお互い様だ。仕事によっては深夜や早朝に、そう言った音が飛び込んでくる事もあるが、それは何十分も続く訳ではないし、癇に障る音と言うのも多くない。


 だが、上の部屋は違った。


 赤ん坊の夜泣き。

 これはまぁ…我慢しよう。赤ん坊だって仕方なく泣いているのだろうから。そうは思うが、睡眠の邪魔になっているのも事実。

 赤ん坊の泣き声は、元々不快に感じやすい周波数帯な上に大音量だ。申し訳ないとは思うが、神経を見事に逆撫でしてくれる。

 仕方なく、眠る為に耳栓を購入した。


 だが、深夜の運動会は別だろう。

 これは本当に困った。


 運動会をするような子供となると、確か娘さんが3歳くらいらしいと住人が話しているのを聞いた事がある。

 弥生は独身だし、子供と接する機会も殆どなかったので、子育ての苦労なんてわからない。それでも3歳くらいなら、ちゃんと夜に寝かせる事が出来る年齢なのではないだろうか。


 尤も、個人差はあるだろうし、何より詳しい訳ではない。その為、運動会についても、なんとなく苦情が言えないままになっている。


 それに、考えればまだ引っ越してきたばかり。

 子供も気が高ぶっているのかもしれない。そのうち落ち着いてくれる事を祈るばかりだ。





ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

本日は20時と23時にも投稿を予定しておりますので、宜しくお願いいたします。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークや評価等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。


AI不使用な事もあり、誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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