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褒賞

 私とジェルズが、冒険者ギルドにエルコニスの池や湖の【浄水】の依頼を終えた事を報告に赴いた。

 冒険者ギルド内が騒がしかった。

 アウスカルスが着ていたような重い鎧を着た集団がいた。

「どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたもないよ。ティークルス騎士団が——あっあんたらだよ!ティークルス騎士団が探していたのは……」

 私が訊ねた冒険者が騒ぎだし、騎士団の一人がこちらに駆け寄ってきた。

「あなた様がメグリさんですか?もう一人の男性は……あぁ、この方ですかジェルズさんは?」

 兜を被っていてどういう顔をしているか分からない兵士だった。

「そうですけど、何か?」

「おいおい、メグリさん相手は貴族の騎士団だよ!もっと他に言い方ってもんが……」

「ほうぅ、あなた方がメグリさんにジェルズさんか」

 兜を被っていなかった一人の兵士が、ズカズカと近付いて舐めるように見てきた。

「アウスカルスさんはいないようですね。一体何の用ですか?」

「びびんねぇのか、メグリさんよぅ〜!」

 舐めるように見てきた兵士がイラつくような態度をとってきて、私は脚を一歩踏み出し、喧嘩になりそうなところをジェルズが止めてきた。

「メグリさん落ち着いてください!この人は偉いと思いますよ!周りの兵士がびびってますよ、ほら」

「あぁあっ!!あーそう見えるな……喧嘩してもとくはねぇか」

 私は今まで出したことのない低い声を出して、周りを見て、喧嘩をしようとするのを諦めた。

 ジェルズが怯えていた。

 私達の周りにいた冒険者も、身体を震わし怯えていた。

 嘘ですよ、嘘でぇす〜ニコニコ。

 先に声を掛けて来た兵士が怯えながら兜を被っていない兵士に物申した。

「ジュリクス団長、彼らを屋敷にお連れしないと——」

「あぁーそうだそうだ。ヴァルディート様が、ダイリシュ様を助けたあんたらに褒賞をやるとのことだ。屋敷に来い」

 ジュリクス団長と呼ばれた者がそう吐いた。


 私はジェルズと共にヴァルディート伯爵が待つ屋敷に馬車に乗って赴いた。

 屋敷に着いて馬車を降りると、屋敷が瞳に映った。

 美術館や博物館のような大きさの屋敷だった。

 燕尾服を着た執事に連れられ、ヴァルディート様が待つ一室に脚を踏み入れた。

 執事に促され、背もたれが長い椅子に座った威厳のある人物の前に歩いていった私達。

 屈んで片脚の膝を大理石の床に付けて、頭を下げた私とジェルズ。

「そう畏まらんでよろしい。メグリさん、ジェルズさんこの度は我が娘を助けてくださり、感謝する。褒賞を渡そうと思うが何が欲しい?高級な武器か、地位か、土地か、どれが良い?」

「……武器も地位も土地もいりません。お金を幾らか貰えるだけで十分です……」

「おいおい、メグリさん。そんな要求しちゃ——」

「承知した。金貨400枚を褒賞としてやろう」

「ありがとうございます」

「……ありがとうございます」


 金貨400枚を受け取り、屋敷を後にした私達。

「驚きましたよ、金を要求するなんて!」

「武器の方が良かった?」

「いやいやそうじゃなくて……死刑になるかと冷や冷やしましたよ」

 宿屋に戻って、褒賞を分け合った。

 最終的な取り分は、私とクチェーリスが金貨50枚ずつでジェルズが残りの金貨300枚となった。

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