表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロスオーバー・ゲームズ  作者: 猫の人
4章 戦争世界のマーチャント
42/122

奴隷購入宣言

 クラスメイト全員が揃ったので、改めて組織づくりをした。

 そしたら俺が他薦でリーダーになった。

 他のみんなはやりたくないらしい。ほとんど委員長を決めるノリで、立候補など無かった。


 やる気のない行動に見えるが、みんなにも言い分はある。

 理由の一つは俺の編成能力。他のクラスメイトにクラスやスキルといった戦闘力を与えるこの能力、クラスメイト全員が編入済みである。だから俺は全員の状態を把握できる。HPやMP、現在の行動を知るだけでも危険管理能力としては破格だ。

 ただ、それが全体の行動方針を決めるリーダー職に相応しいかというと、首を傾げるしかない。なんか言い訳っぽい。


 もう一つ、理由として挙げられたのは「日本への帰還方法を考え、行動に移している」から。

 他のみんなは生き残る事を優先し、そのことで精一杯だった。

 対して俺は早期から日本への帰還を口にしていた。俺としては生き残るため、みんなに協力的になってもらおうという打算から口にしていた面があり、そもそも最初は口から出まかせを言っていたわけだ。

 今はその方法も見えてきたから、嘘から出た(まこと)と言うかなんとまぁ。個人的には、総大将的なその役は誰かに譲りたい……他のみんなも似た様な考えなんだろうけど。





「近くの町に行く?」

「おう。他の町と渡りをつけて、買い物とか、できたらしたい」

「買い物って必要? 大体の物は揃うでしょ。外で何を買うのよ?」

「人間。奴隷。子供しかいないこの村の将来を考えれば、絶対に必要だろ?」

「奴隷!? それ本気で言ってるの!!」

「いやいや、孝一の言う事も間違ってないだろ? つーか、この村の連れていかれた連中を探すのがメインだし。奴隷としてこき使うって話でもねーだろ!」

「買った後のハナシ、聞いてからでもいーんじゃない?」


 俺が朝礼でみんなに一つの宣言をすると、思ったよりも大きな反響があった。

 「奴隷」という単語はイメージが悪いけど、そこまで拒否反応を示されると困るんだが……。



 クラスメイト全員が揃ってから10日が経った。


 俺たちは毎日、朝礼をしている。

 全員が全員の行動を共有するためだ。俺が能力で把握できるとはいえ、俺だけが把握しても組織は運営できない。ホワイトボードに全員の行動を書き出し張り出すようにしている。

 俺のは何か大きな行動目標があった場合はここで報告するわけで。


 だからここで「奴隷の購入」を宣言してみたわけだ。

 結果は賛成半分、反対半分。

 単語のイメージが悪いのが反対の理由か。意外なほどに反対する勢力の視線は厳しい。



 ただ、奴隷を買わないという選択肢はない。

 この村には爺婆と子供しかおらず、俺たちが居なくなった後を考えれば、爺婆だっていつまでも子供の面倒を見る事が出来るわけではない。子供たちの世話役は必要だ。

 それに、メインの購入層はこの村の元住人。奴隷として地獄を経験したかもしれないが、それでも家族一緒にいて欲しいというのは人情だ。他にも必要な人材がいれば追加で購入する。


 言葉を尽くして反対勢力を説得しようとするが、感情的な物は簡単に変わってくれない。

 話が平行線になりそうになったので、もう打ち切って強引に先に進める。


「で、この任務、他の町に行くのは男子だけだから。そのつもりでいるように」

「「「ちょっとー!?」」」


 今度は女子のほぼ全員が驚いた声を上げた。


「ちょっと! なんで女子は駄目なのさ!?」

「ずるい! 私らだって行きたい!」

「説明して!!」


 騒ぐ理由は分かるが、これも退けない話だ。


「この村はクラスの女子連中同士で完結しているからいいけどさ、王都を見て思ったんだよ。連れて行けば、全員目立つって」


 この村では夏奈が洗髪料などを作っているため、肌も髪も日本と同じレベルで手入れしている。

 その結果、見た目は並の貴族以上に整っているのがうちのクラスの女子だ。町などに連れて行けば騒ぎになり、テンプレで言えば貴族などから妾になれとか言われかねない。

 いや、同じレベルで美容に気を使っても勝てる相手がいないほどの美少女が多いのだ。


 この件についても、一応の説得を試みる。

 すると、こっちの話はすぐに説得が終わった。


「まあ……そういう事なら……」

「ソウダネー。ショウガナイヨネー」


 ああ、うん。全員顔が赤く、照れているようだ。

 そこまでの事か?

 俺が戸惑っていると、三加村が俺の肩に手を置いた。


「心友、オマエの真顔は重いんだよ」

「重いって何さ!?」


 結局、話は有耶無耶になり、反対意見が消えて俺の言うとおりに進める事になった。

 ……なんか、納得いかないなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ