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クロスオーバー・ゲームズ  作者: 猫の人
3章 傀儡世界のマリオネット
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閑話 乙女たちの内緒話(橘 水奈)

 いやー、アタシ、場違いじゃないっすかね?

 瑤子(よーこ)ちんと楓ちんの間に火花が飛び散って、怖いんですけど。楓ってちょっとは考えてたけど、マジモンのヤンデレでやんの。包丁持って脅しに来そーっすよ。


 あ、アタシは「橘 水奈」。

 花も恥じらう18の乙女っすよー。



 今は楓と四方堂ちんの愛の巣にお邪魔して会議とか訳の分からねー状況っす。

 楓ってば浮気しちゃったけど四方堂の事が未だに好きとか言ってアタックしてたみたいだけど、四方堂のガードが崩せねーらしーっす。で、楓がまごついてる間に瑤子がヤッちまったから、ブチ切れてるわけっすね。

 瑤子にしてみれば事情があった訳っすけど、感情、特にコイゴコロなんて理屈じゃどーしょーもできねーっすから。まー、しゃーねーっすわ。


「楓も孝一さんとしばらく一緒にいたのですから、分かってもらえると思うのですが?」

「でも、エッチな事をする必要は無かったよね?」

「いえいえ、そうでもしないと、あの朴念仁は攻略できませんから」

「エロゲ脳は2次元だけにした方が良いよ、瑤子ちゃん」


 コエーっす!

 なんでアタシ、ここに居るんすかね? 帰っていい? 帰っていいっすよね!?


「「水奈さんもそう思いますよね?」」


 アタシに振らないでー!!





 ……今の議題は、「四方堂孝一をどうしよう?」って話っす。

 アタシら、こっち(異世界)に来てから、四方堂には世話になりっぱなしっす。もし四方堂ちんがいなかったら、最初の襲撃の時点で死んでたっすね。これはあの場にいた皆の共通した意見っす。

 で、村に来てからは春香ちんや夏奈ちんが目立ってたけど、それでも村の防衛、戦う事に関しちゃ四方堂ちんに頼ったままっすよ。ぶっちゃけ、アタシらみんな戦う力貰ったけど、コロコロされる寸前になっても戦えるかどーか分かんねーっす。

 いまだに攻撃魔法とか、怖くて人に向けて使えねーし? 訓練とか言われてもマジ無理っす。バトるとか無茶言うなし。

 それに、どうやったら日本に帰れるかなんてアタシにゃ皆目見当も付かねーっすよ。「アテがある」とか言える四方堂がマジイケメンなだけっす。フツーはアタシらみたいになーんもできず、流されるだけっすよ。


 戦えないとか、帰る方法とか、その辺は横に置いといて。

 アタシら、四方堂を酷使しすぎなんすよね。いや、勝手に無理してるっつーか、気が付いたら限界無視して動き回ってるんすよ、あのアホ。

 そうやって無理をした結果、四方堂のメンタルがゲシュタルト崩壊してるっぽいっす。ゲシュタルトってなんぞや? とにかく、このままだと四方堂がぶっ壊れて使いもんにならんくなるっす。静音が言ってたから、間違いねーっすよ。あいつ、こーゆー事で間違ったことないし?

 こまけぇ事はアタシには分んねーっすけど、四方堂がマジでヤバい。

 つー訳で、四方堂がストレスでマッハにヤバいのをどうにかしようと瑤子(よーこ)ちんが同棲して生活を管理してるわけっすね。……シモの世話は、絶対に違うっすけど。



 別に楓ちんにバトンタッチしてもいいんすよ、ホントなら。

 ただ、楓と一緒は四方堂が嫌がるだろうし? 逆にストレスが増える結果になったら意味ねぇっす。

 それに瑤子ちんはワザと(・・・)襲われて、その罪悪感を使って同棲する理由を作った訳っすから。他の誰かに代わるのは難しいっすね。


 それに、瑤子ちんが適任な理由がもういっこあるっす。

 瑤子ちんのゲーム能力、「好感度管理」っすね。

 恋愛ADV(アドベンチャー)、テキストを読んでたまに選択肢を選ぶタイプのゲームをやってた瑤子ちんは、他人の恋愛感情を知ることができるっす。あんま真面目に聞いてねーっすけど、誰が誰をどれくらい好きかが数字で分かるみてーっす。

 迷惑と親切の境目がリアルタイムで分かる瑤子ちんなら、アタシみたいに地雷踏んでも気が付かねぇなんてミスはしないはず。

 そもそも瑤子ちんは家事全般のプロフェッショナルっすからねー。そーゆー意味でも任せて安心っす。





「つー訳で、楓ちんじゃ無理っす。

 まー、無理させないって言うなら、戦える連中が一気に増えたし? そこを四方堂ちんからみんなに任せてもいいと思うっすよ?

 でも、帰還の方法を探す手伝いとか、手伝えねーっすよ。アタシらにできる事なんて、焦らせないようにストッパーになるぐらいじゃねーっすか?

 楓ちんになんかアイディアがあるっていうなら話は別っすけど」


 急に話を振られたアタシは、とりあえず正論に逃げたっす。

 事前に聞いた話をそのまま言ってるだけっすけど、アタシは考えるのは苦手なんすよ。学校のテストみたいに決まった答えが先に用意されてる問題ならともかく、答えの無い問題なんて考えられねーっすよー。


「でもねぇ? そんな役に、立っていないわよ」


 ぷれっしゃー! ぷれっしゃーっす!!

 楓ちん、超コエーっす!!


 アタシの正論がお気に召さなかったのか、楓ちんがこっちに笑顔を向けたっす。……目が笑ってねーっすから、マジ怖えっすけど。


「楓は知らないからそんなことが言えるんです。

 あの人、この世界に来てからまったく遊んでいないんです。日本に帰る為に必死になっているのは分かるんですけど、それ以外が無いんです。目標以外、何も見えていない。体が無理できる体になっちゃったから、限界ギリギリまで無理をするんです。規則正しい時間に眠らせるだけでも大変だったんですから」


 あー、エロいことをするのにそんな理由があったんすか。趣味100パーと思ってたっす。


「それに。

 子供たちとも距離を取っているのです。すぐに別れるからと仲良くしようとしない。それなのに、私達が日本に帰った後のことまで考えてフォローをしようとしています。この後は周辺を回って奴隷にされた村民を買い漁るって聞いています。

 気を使い、だけど距離を置く。これって、私達に対する態度にも言える事とは思いませんか?」


 そういや、日本にいた時は四方堂とは喋らなかったっすね。

 って事は、今の四方堂はその延長線上?


 あり?

 でも、四方堂って私らも一緒に帰るってのを目標に頑張ってるっすよね。

 なんで(・・・)仲良くない(・・・・・)アタシらを(・・・・)助けるっすかね(・・・・・・・)

 自分だけ助かろうとしてもおかしくねーんじゃねーっすか?



「孝一さん、私達を見ていると思いますか?」


 頭の悪いアタシにゃ、サッパリ分かんねーっすよ。

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