大穴女性死体事件
不定期に上げる
街とかそういうのは全部架空
「おい、見てみろ。ここに穴が空いている」
腕枕しながら眠りについていると、同居人に背中を突かれた。
「おい、おい、聞いてるのか?」
「うるさいよジョン」
「違うんだ、ほら見てくれよ。穴なんだ穴が空いてんだよ」ジョンは焦っているのか、言葉が速く、囁き声で言った。
「なんだよ…」
体を起こして、渡された眼鏡を掛けて、穴という穴を見た。
その穴は大きくて、大人一人が簡単に入れてしまうほどの穴であった。
穴の奥は真っ暗で、何も見えない。
「空けたのか?…」
穴が空いているのは寝室であり、マークスのベッドとジョンのベッドの真ん中に穴が空いていたのだ
第一章
マークス・ミラーはウォーテルズ街のミシャロというアパートに住んでいる。
同居人のジョン・ディアスとは二年前に知り合った。
一緒に住んでおり、共同生活をしていた。
───
懐中電灯を使って、その穴に光を入れ込むと、一人の女性の死体を見つけた。
マークスは驚きもせず、ジョンに電気をつけるよう指示した。
電気をつけて、ジョンも穴に近寄り死体を見てはこう言った。
「なんで女が死んでるんだ?」
ジョンはマークスの横顔を覗き込むように言った。
「さぁな…。どうして穴が空いてあるのか…私とジョンが寝ている間に、何があったか?…床には血なんてついていない…」
マークスは穴に顔を入れて、周りを見た。
「二人分のスペースに、女性の死体があった」マークスは喋りながら女に近寄ってしゃがみ、手を触った。
「冷たい…死んで何時間か経っているな…刺された傷もなく、歯も異常なし。眼は真っ直ぐ向いている…」
「ふ、服装はどうだ?」ジョンは言った。
「服装はパジャマ姿でもない。コートを着ていて、化粧もしているから、外でやられたか」
マークスは勢いよく身を起こし、玄関を出た。
玄関を出ると、向いに知らない人が住んでいる。階段は上に一階、下に一階の三階建てだ。
「血のついた跡も無し…ジョン、これはめんどくさそうな事件になりそうだ」
「どうするんだいこれから…警察、警察を呼ぶか?」
「いや、先に私が解決してからにしよう。面白そうだろう?」
マークスがニヤつくと、ジョンは不安で震える唇を上げてニヤついた。
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マークス・ミラーは探偵ではない。したがって、ジョンも探偵ではない。
今回の事件『大穴女性死体事件』に興味を惹かれたのだ。
マークスの仕事は鍵屋で、一日に五件ほどの依頼を頼まれている。
ジョンも鍵屋である。
終わりまで考えてないから、解決はすると思う。
追記
変な所ありました。