19 幼馴染の家族。
日の出前に起き何時ものように準備をして朝食まで朝練をする。
リミナとサラキもちゃんと魔力制御しながら型をなぞっていた。
風呂で汗を流し朝食の時間。
「食ったら俺は、ファースに友達を迎えに行くから、みんなは自由にやってくれ」
「あっ、じゃあ私もついて行っていいですか?」
「いや、ダルが来ると思うから相手しといて、エルとエンしか知り合い居ないから」
「達磨さん? 分かりました」
エルに任せとけば大丈夫だろ。
食い終わり準備をしてファースへ向かう。
ポータルがあればすぐ行けるのに……これは何とかしないとな。
湖を迂回しファースに到着したのは1時間後だった。
魔力制御しながら走るのは鍛錬になるな。
そんな事を考えながら広場へ行くと、懐かしい見た目の2人が居た。
あいつらのアバターも引き継ぎか。
家族で和気あいあいとした雰囲気の中突撃する。
「よう、久しぶりだな」
家族全員が一斉にこっちを見た。
「久しぶり~た…じゃないや、ミクト!」
「本当に久しぶりだな」
「久しぶりミト兄」
「お久しぶり! ミト君!」
ここでこいつらの紹介をしとこう。
父親:カイ、魔人族、長い金髪で後ろで縛っている、緑の瞳に褐色の肌、バランスの取れた締まった身体をしている美丈夫だ。
母親:ベル、エルフ、薄い金色の長い髪でポニーテールにしている、明るい緑色の瞳、スタイルは普通で可愛い顔をしている。
長女:ミオーラ、悪魔族、長い黒髪に黒の瞳、黒い翼は今は消している、スタイルは普通で、あまり喋らない子だが可愛い。高校生で16歳だ。
次女:アリスナ、天翼族、肩まである白い髪に水色の瞳、白い翼は消している、明るく人懐っこい子で可愛い。中学生の12歳だ。
「此処だと目立つから、服を買って道場へ向かおう」
ファースは本当に店が多いな、今度見にこよう。
それぞれ欲しい服を選んで貰って俺が会計を済ませる。
「ありがとう、ちゃんと返すから」
「いらん、金なら持ってるから、来て貰ったお礼だ」
「そう? じゃあそういう事で」
ファースを出て東側から川を渡って道場へ向かい、2時間程で到着した。
子供2人が動物を狩りたがったのでやらせたら時間が掛かったよ。
道中2人が引退してからの話をしていた。
「へー、ダル君も居るんだ」
「土下座のダルか、懐かしいな」
そんな話をしながら本堂へ入り、リビングへ行くとエルとエンの対面にダルとソウエンだったか? がソファに座っていた。
「あっ! ベルさんにカイさん! お久しぶりです!」
「ダル君もやってたんだね」
「よっ、久しぶり」
「もしかしてそちらの子は2人の?」
「そうよ」
「ほら、挨拶しなさい」
「ミオーラ、よろしく」
「アリスナです! よろしく!」
「ごめんね、この子人見知りで」
久しぶりに会った人の会話だな。
ベル、ミオーラは人見知りじゃないぞ、興味が無いだけだ。
とは言えないよな。
他の連中は何処だ?
「他の皆は?」
「道場で鍛錬してますよ」
「じゃあ皆呼んできて、挨拶させとこう」
俺がエルにそんな話をしているとベルが声を掛けて来た。
「それは悪いから私達が行くよ、その後話そうか」
「そうか? じゃあ行くか」
ゾロゾロとみんなで道場へ移動する。
到着するとオーリがリミナとサラキに教えていた。
何かオーリが嬉しそうだな。
弟子達全員を並ばせ、カイ達と挨拶をさせた。
ついでにダル達も。
「じゃあ皆は鍛錬を続けてくれ、行こうか……ん? エルは鍛錬しないのか?」
「私も話を聞きますよ……駄目ですか?」
「いや別に……まあいいか」
今度はリビングじゃなく、客室へ通す。
「すまん、先にダル達の話を済ませるわ」
「いいわよ」
ソファの対面にダルとソウエンを座らせる。
カイとベルは俺の右側に座りエルが左側に座り、ミオーラは窓辺に立って外を見ている。
アリスナはベルの膝上だ。
「で? どうなった?」
2人に聞くとダルは許したようだ。
「なるほど……ソウエンだったか? 教えてやるがその前に約束をしてもらう事がある……」
そう言ってダル達にもした約束をさせる。
『教えてもいいが最後までやる覚悟はあるか? 無いなら今すぐ消えろ』
『俺がいいと言うまで人に教えるな、馬鹿はいつでも増長する』
『自分を制御できるようになれ』
『何かやったら俺が殺しに行く』
ソウエンはこれを約束したので、教える事にした。
そしてダルに目を向けて。
「今日からお前も此処で鍛錬の続きだ、それか100回死ぬ……どっちがいい?」
俺の言葉にダルはガタガタ震えると、ソファの横へジャンピング土下座をして口を開いた。
「すみません師匠!! 数年で必ず戻って鍛錬の続きをやります! どうか今は許して下さい!! お願いします!!!」
………………。
俺が黙っているとベルが横から声を掛ける。
「ダル君がこんなに必死に言ってるんだから、答えてやりなよ」
ベルを見るとニコッと笑っていた。
「……理由を話せば『今日は』許す」
暫くの沈黙が続きダルが頭を上げ話し出した。
「帝国に世話をしてる住人が居まして放って置けないんです」
なるほど……。
「それと騎士団に……槍を教えてゲフォッ!!」
話の途中で俺がダルの顔面を蹴り飛ばした。
「このボケが……住人の、しかも騎士団に槍を教えてるだと? ……それがどういう事か分かってて教えてんのか?」
床を蹴ってダルに近づくと顔を上げた所へ拳を叩きこむ。
喉を潰し、腕を折り、足を折ると最後に浸透勁で心臓を潰した。
光になって消えたダルが数秒後に戻って来て、また殺す。
「ずみ……まぜん……じじょ……」
喉を潰したダルが謝るが俺はまだ許すつもりは無い。
3回目にカイが声を掛けて来た。
「おいミクト、もういいだろそのくらいで、とりあえず話を聞こうぜ」
カイの方を見るとベルとアリスナが苦笑いを浮かべて見ていた。
あぁ、子供が居たんだった。
ミオーラは表情を変えず見ている。
ソウエンは顔を青ざめ口を開けながら見ていた。
顔の前で手を立てて、カイに仕草と表情ですまんと謝りながら歩いて行く。
ソファに戻りダルを座らせ、話の続きを聞く事にした。




