10/10
それから
それから俺は、領地経営の勉強を教えて貰いつつブランシュに白魔術を掛けまくり日々を過ごしている。いつか、ブランシュがまた笑ってくれるなら、俺はいくらだって頑張れる。
「ブランシュ、今日はルナがトンボを取ってきたぞ」
「にゃー」
「ルナが食べてみるかだってさ」
白魔術をかけながら椅子に座らさせているブランシュに話しかける。
「るな…」
「!?」
「ごろごろごろごろごろ」
ブランシュがふと、飼い猫のルナに手を伸ばす。ルナがブランシュの膝に乗る。ブランシュがルナを撫でる。俺は急いで当主様と奥様、若様を呼びに行った。
当主様が医者も呼んだ。回復傾向にあるとはっきり言われた。嬉しかった。ブランシュはまだ、はっきりと意識が戻ったわけではないらしいが…俺をみて、久しぶりにあのふわふわした笑顔を見せてくれた。
「りおねる…私だけの大切な人…」
嗚呼、神様。貴方を信じてはいませんが、今だけ最大の感謝を貴方に。




