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二百三十一

 壁に投影された私の下着姿を親指で差すタドガー。その隣では、鞭を持ったフォワールが薄ら笑いを浮かべながら、鞭を伸ばしたり縮めたりと(もてあそ)んでいる。


「痛い目を見たくなければ、何処から手に入れているのか教えて下さい」


 何処から……。その真実を伝えれば、コイツらの顔は豹変し、嬉々として実行に移すだろう。


「も、森からよ……」


 私がそう答えると、タドガーはハァ。とため息を吐いた。


「銀も金も宝石もですか……? 随分豊かな鉱脈を持つ森ですね。仕方がありません、少々痛い目を見て頂きますか」


 タドガーがフォワールにチラリ。と目配せをすると、その顔がニタリ。とした不気味な笑顔に変わる。


「ちょっと待ってよ! あんた達の様な、貴族で大金持ちがそんなモノ手に入れてどうするのっ!?」


 タドガーは再びため息を吐いた。


「何度も言わせないで下さい。『錬金術学的』に興味があるだけですよ」

「そんな、一個人の趣味で一般市民を痛み付けるなんて、(まか)り通るハズが無いわっ!」

「あなたまだ一般市民のつもりで居るのですか? 入手先不明の鉱物を売り捌き利益を得た。もし、何処かの誰かが被害報告を出していたら、あなたは立派に盗賊です」

「私は盗んでないっ! 鑑定ではちゃんと盗品かどうかのチェックもしているのよ、盗品だったのなら買い取ってなんて貰えないわっ!」

「もう良いでしょう? 『ヘミニス』様。下民共はウソ吐きばかりです。我々、高貴なる貴族達がキチンと管理しないと、勝手な事ばかりしますからね」

「ふむ。そんなモンですかね……まあ良いでしょう。私は実験室に戻りますが、くれぐれも殺さない様にお願いしますよ。それと、鉱物に関する事を白状したら、スグに報告して下さい。抜け駆けはしない様に」

「メアン=サヒタリオ=フォワールの名と命を以ってお約束致します」


 両足を揃えて丁寧にお辞儀をするフォワール。それを見て、満足げな顔を浮かべたタドガーは、牢から出て行った。そして、重そうな音を立てて扉が閉められると、フォワールはお辞儀をしたまま首だけを動かして私に笑みを浮かべる。


「い、嫌……止めてっ! 誰かっ誰かぁぁっ!」

「幾ら叫んでも助けは来ない。観念するんだな。このワシに、恥をかかせた事を後悔させてくれるわっ!」


 フォワールが振るった鞭が、私の身体に喰い込んだ――

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