対魔法戦
「一度私と戦ってくれないか?」
「はい?」
「君に興味が湧いたからね」
「僕にはメリットがありませんけど、」
「もし強さが本当ならそれなりの報酬を用意するよ。もし断わるなら、それは渡さないよ」
「ズルくないですか?」
「元々渡すつもりはないさ。君の師匠ともこんなふうに戦ったよ」
「わかりました。やりましょう」
「よろしい」
僕とヘイヴンさんは移動する。移動した先はギルドの奥の部屋だった。そこには、ダンジョンで見たことがある魔法陣があった。
「これは?」
「転移魔法陣だよ。これで移動する」
「どんな場所なんですか?」
「訓練場みたいなところさ。私がよく使う場所でね、何もない空間で、とても広い。」
「念の為、先に行って、戻ってきてくれませんか?」
まだ信用した訳ではないし、この先に何かがあるかもしれない。
「いいとも」
ヘイヴンさんは転移魔法陣に入る。そして数分後に戻ってくる。
「ずいぶん遅かったですね。どうしたんですか?」
「転移魔法陣にはタイムラグがあるからね」
「そうなんですか、」
「これでいいかい?」
「わかりました。行きます」
僕とヘイヴンさんは同時に転移魔法陣に乗る。先には、言っていた通りの何もない空間が広がっていた。周りは薄暗い。一人だと絶対怖いところだ。
「ここが訓練場ですか、本当に広いですね」
「まあね、何をしてもいいようにするためさ。君の師匠と前に平原で戦った時はひどい風景になったからね」
分かる。
「では始めようか」
僕は構える。
「君は何を使ってもいいよ。私はここから一歩も動かないから。一発でも攻撃を当てたら君の勝ちさ」
「舐められたもんですね」
「そんぐらいしないと戦いにならないからね」
先制攻撃で火の玉を六個同時に撃つ。だが、ヘイヴンさんは手をかざし、バリアみたいなものを僕に向けて張っている。
「複数個を無詠唱ですか、素晴らしい。私のターンです」
ヘイヴンさんは見たことのない火魔法を使う。でかい。そして速い。
間一髪で、闇穴で吸収する。そしてヘイヴンさんの後ろからはね返しをする。
「おや、」
ヘイヴンさんは後ろを見ずに、また見たことのない水魔法で威力を相殺させる。
「素晴らしい。素晴らしい。まさか無詠唱でもう転移を覚えているなんて想像以上です」
「それはありがとうございます」
「では、これはどうするんですか?」
さっきの火魔法を一瞬で数えきれないほどの量を出す。
「うえっ!」
それを撃ってくる。前、後、右、左からくる。まだ複数同時に空中に闇穴を使えないため、防げない。
当たる、と思ったら、火魔法が止まった。
「まあ、防げませんでしょうね。でも、合格です。あなたはちゃんとした実力を持っている。それは私が認めます。このお詫びとして、あなたをCランク冒険者にします。」
「え?!いいんですか?!」
「ええ、あなたはもうCランク以上に強いです。」
「ありがとうございます!」
こうして僕はCランク冒険者になった。




