アルバルダ
準備が整い出陣する連合軍は一気に進軍し帝国軍へ迫る。帝国軍は想定内であると待ち構えていた。
「来たぞ!迎え撃て!」
兵器があるにも関わらず兵士達が前線に出ていてアキトが怪訝な顔をする。翔達も何かあると警戒した様子で連合軍と帝国軍のぶつかり合いを手に汗握りつつ眺める。
「サジタリウスは動かないのか…」
「これは何かありますね…」
戦闘が開始して暫くするが兵器が動く気配はなく嫌な予感が膨らんでいく。翔達は三角錐の2メートル程の大きさの物体を探す。
「白色の三角錐…」
翔が呟きながら廃村を眺める。あれば目立つはずの物体を探していると黒姫がふと頭上を見上げる。
「い、居ました!アルバルダです!」
頭上、廃村の空の上に白色の三角錐が浮いていてアキトが先制攻撃を仕掛ける。氷柱が放たれ撃墜を狙うがバリアで阻まれる。
「っち、守りは硬いか!」
しかし何のために浮いているのか判断出来なかった。
アルバルダは不気味に漂い動かない。地上の戦闘は混沌としていた。迷った末アキトはアルバルダの監視を翔達に任せて連合軍に加勢しに行くのであった。
「監視って…何も動きが無いんだよなぁ…」
「ちょっと、もっと注意深く見なさい!」
黒鴉に注意されて翔は身を隠しながらアルバルダの観察をする。
地上でアキトが無双しているとアルバルダはブルブルと震え何かあると翔は気付いて嫌な予感を感じて攻撃すべきだと判断する。
「なんか…ヤバそうだぞ…」
「嫌な感じがビンビンね…」
黒鴉も黒姫も震えるアルバルダに危機感を感じて攻撃をしようとなる。三人は精霊を用いて攻撃を開始する。
三人による連携攻撃もバリアで防がれる中でデスの物理攻撃が若干効いているように見えた。
「黒姫!効いてるわよ!やっちゃいなさい!」
「私だけ…が、頑張ります!」
翔も焰鬼が空を飛べればと悔しがる。黒姫は必死にデスを操りなんとか攻撃を続けるのだった。
地上では引き続きアキトが大暴れして激闘が続く。
オラオラで攻め立てるアキトは一気に帝国軍が陣取る廃村の中央まで切り込んでいき帝国軍を大いに驚かせる。
「連合軍にこんな手練れがいるなんて!」
「いや、兵器を破壊した奴らがいるそうだ…その正体がコイツか!」
「時間稼ぎは終わりだ!死ぬわけにはいかねぇ!」
このままでは圧倒されて死ぬだけだと帝国軍は逃げ出し撤退を始める。
兵器がまだ残っているのになぜもう逃げ出すのかとアキトは黒姫が戦っている兵器の様子を見てハッとする。
「マズい!総員急ぎ廃村を離れるんだ!」
ブルブルと震え出したアルバルダ、三角錐の底面から何か球体が弾き出されて廃村目掛けて発射される。
突然の爆撃、連合軍は大きな被害を出して息も絶え絶えに廃村から脱出する。
「な、何よ今の!ヤバいって!」
惨状に黒鴉は若干のパニックを起こす。アルバルダは逃げる連合軍を追うように底面をゆっくりと連合軍の逃げる方向に向けていく。翔も流石にマズいと慌てる。
「二発目は防がないと!」
「でもバリアが…!」
「体当たりでも何でもやるしかねぇ!」
白鯨のバハムートのブチかましで何とか攻撃を逸らすしかないと翔が言うと黒鴉は成る程と指を鳴らしてやってやるとバハムートを呼び出し突進をする。
ドシンと命中、兵器は攻撃を逸らしてあらぬ方向へ砲弾が放たれる。
「ヨシッ!このままぶっ壊してやるわよ!やっちゃえ!」
姉妹の物理攻撃の連打でグラグラとアルバルダは揺れるが破壊までには至らない。
「なぁ黒鴉、バハムートの背に乗れないかな?」
「はぁ?…あ、確かに」
空を飛んで攻撃出来ればそれで解決するんじゃないかと言われて黒鴉はポンと手を打つ。
思い立ったら作戦実行あるのみと三人はバハムートの背に乗ってアルバルダに接近しボッコボコに攻撃開始する。焰鬼も呼び出してぶん殴らせて一気に追い詰めていく。
「オラオラぁ!ぶっ壊してやるわ!」
荒っぽく剣を振り回す黒鴉の一撃でピシッとヒビが入る。
「トドメよ!喰らえ!」
ヒビが更に広がり砕け散りアルバルダは塵になって消えていくのであった。
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地上に戻った三人は勝利に歓喜し合う。そこへアキトが合流してくる。
「精霊を足場に物理攻撃をするとはな…」
「ふふん、どーよ!」
翔が提案した策だが黒鴉は自分の手柄とばかりに胸を張る。
「よくやった。お前達だけでも兵器を倒せる証明が出来たな」
「あれは俺達が眼中に無かったから…」
翔はアルバルダが連合軍だけを狙っていた事実を語ると黒鴉が肩を軽く叩いてくる。
「勝ちは勝ち!さぁ!帰るわよ!」
一人剣を掲げて悠々と凱旋しようとする黒鴉に妹が慌てて追いかける。
「あ、ちょっと姉さん!?」
残された翔とアキトはやれやれと首を振る。
「お前も苦労するな。あれが上司なんだから」
「あー、ほら、あいつは行動力の化身だから…」
二人は苦笑いしながら帰ることにするのであった。
連合軍陣に戻った一同は疲弊しきった連合軍を見てこれ以上の進軍は難しいとレオンに伝えられる。
「すまない、他の所を援護してくれ。これ以上は我々は進むのは難しい」
アキトは頷いて承諾する。
「分かった。他の所に行こう。兵器がほかの所にも出ているかもしれないからな」




