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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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調査方法

夕刻に商業都市アクロに入った一行は煌々とした街並みに圧倒される。


「すごいバザールね!」


「流石、商業都市だな」


街並みに感動してるところにアキトが水を差す。


「今日は宿取って明日情報収集するぞ」


黒鴉がアキトの言葉に対して抗議する。


「えー!買い物は…?」


「それは後日、先にやる事やるぞ?」


仕事を優先しろと言われて三人は仕方なさそうに承諾の返事をするのであった。


夜、宿にて翔はアキトと話をしていた。


「明日何すればいいんでしょうか…」


自信なさげに翔が口にした言葉にアキトは呆れ顔をしてしまう。


「おいおい、ここまで来て何すればいいか分からないは無いだろ…」


「初めての異世界救世の旅に俺、困惑してるんすよ?」


翔の言うことにも一理あるとアキトは頷きつつ批判もする。


「『分からない』を考えるのも主役の務めだぞ」


主役と言われて翔はより険しい顔になってしまう。自分が成すべきことが不透明なのに何をすればいいのかと頭を抱えたくなる。


「大胆な行動取ってもいいんだぜ?ほら俺がよくやるおとぼけキャラを装った事とかさ」


「それはアキトさんだから出来るのであって俺なんかがやっても…」


「それは何か?俺とお前とではキャラクター性が違うってか?同じ浜松翔として言わせてもらうがお前なら出来る!」


アキトの自信満々な突飛な発言に翔は無茶苦茶だと顔を(しか)める。


「仕方ねぇな、俺が明日手本を見せてやる。しっかり見て学べ」


そして翌日。アキトは何食わぬ顔をして商人ギルドへ顔を出す。


「あ、どーもどーも」


周囲を見渡してアキトは一人の衛兵に声を掛ける。


「な、なんだお前は!」


警戒モードに移る衛兵に冒険者証を見せる。


「旅の冒険者ですよ。最近(いくさ)の臭いを嗅ぎつけて…傭兵とか雇用してません?自分腕には自信あるんですよ」


「冒険者風情が傭兵だと?」


「風情とは酷いですねー、言った通り自信はあるんですよ」


ちょっと挑発気味に刀をチラッと見せる。


「貴様、ここで武器を抜く気か?引っ捕らえるぞ」


「いやいや、ちょっと傭兵に関して上に話を通して貰いたいだけッスよー」


ヘラヘラとしつつも武人としての立ち振る舞いを欠かさないアキトに衛兵も溜め息をついて「少し待っていろ」と伝えて壁の鉄管を通して何処かと会話をする。

少しして戻って来て衛兵はアキトにこう伝える。


「テストしてやる。一刻したら訓練所にこい」


「へい、ありがとうございます」


調子の良いアキトに対して衛兵は鼻を鳴らしさっさと失せろと邪険に扱うのであった。

アキトはその場を離れて翔と合流し軽く親指を立てる。


「どうだ?これで少し上の連中と話が出来る程度には近付けたぞ」


「なんか結構な無茶な話になってませんでした?」


「無茶なものか、強いのは事実だしな」


自分に自信を持てとアキトに励まされつつ約束のある訓練所とやらを目指すのだった。


一刻を待たずに訓練所に顔を出した二人は先程の衛兵より質素な鎧を身に纏った兵士達からジロジロ見られる。

場違いな軽装の二人に一人の兵士が近付きなんの用かと尋ねてくる。


「約束を取り付けてな、傭兵に志願した冒険者だ」


「傭兵だと?」


「帝国とやらが動くんだって?情勢を知りたくてな」


アキトは率直に用件を伝えると兵士達は大笑いしてアキト達を侮蔑する。


「冒険者風情がか?正規軍を舐められちゃ困るな」


一触即発かと思われたが騎士の格好をしたお偉方が現れて兵士を止める。


「軽々しく剣を抜くな、訓練に戻れ」


「は、はい!申し訳ありません!」


兵士達はビビった様子で訓練に戻り騎士は兜を脱いでアキト達に挨拶をする。


「兵士達が失礼した。団長のレオンだ。よろしく…えーっと…」


「アキトです。こっちは翔」


「よろしくアキト、そしてカケル」


変わった名前だと小さく呟くのが聞こえたが聞き流してアキトは早速頭を下げる。


「帝国との戦争が近いと聞いて傭兵に志願しました」


「志は認めるが何か帝国と因縁でもあるのかな?」


値踏みする様に尋ねられてアキトは誤魔化す様に笑う。


「少し気になる事があって…いえ、大きな事では無いんですよ?急に帝国が力を付けたと聞いて」


翔は「そうなの?」と内心思ってアキトを見る。


「ほう、噂話を聞いた口か…」


レオンはアキトの話を聞いて納得した様子で近くの木剣を指差す。


「では軽く実力を見せてもらおうか」


訓練用とはいえしっかりとした木剣を使いアキトの実力を見ようとするレオン。

アキトは木剣を握り軽く振ってウンウンと頷いて構えを取る。


「んじゃ行きますよ」


レオンも木剣をビシッと構えてアキトの攻撃に対応しようとする。翔は息を呑み兵士達も手をとめて二人の様子を眺める。

「そりゃ」っとアキトは軽い掛け声と共に激しい一撃を容赦なく放つ。バチィッと凄まじい音が響き渡りレオンは軽く姿勢を崩し目を丸くする。一撃で色々と察したレオンはアキトを歓迎するように微笑む。


「思っていた以上だ…。歓迎するよ」


あっさり合格しアキトは一礼する。兵士達は唖然として傭兵として迎えられたアキト達を眺めるのだった。

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