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恐怖ゲーム  作者: 香坂 涼
9/9

第二話⑥

高宮の家につくとお母さんが出てきた。


「あら、可愛らしいお嬢さんねー。いらっしゃい。」


もう十二時近いと言うのに、こんな時間にお邪魔した私に嫌な顔をせず笑顔で迎えてくれた。


「こんばんは、夜分遅くにすいません。」


「いいえー、顔色がよくないけれど具合でも悪いのかしら?」


「母さん、田沼具合悪くて連れてきただけだから。もう寝ていいって…」


「田沼さんって言うのね。お薬とかいるかしら?お水飲む?」


「俺がやるからいいって…」


「あらそう?田沼さん、ゆっくり休んでちょうだいね。」


そういうと高宮のお母さんは奥の部屋へと入っていった。


「田沼ごめん…とりあえず部屋で待っててくれる?母さんに客間使っていいか聞いてくる。あとなんか飲み物持ってくよ。」


そう言って二階にある高宮の部屋に案内された。

二人だけじゃなく、他にも誰かが家の中にいるという事に安心する。

暫くして戻ってきた高宮は私にミネラルウォーターのペットボトルを差し出した。


「飲みすぎてるのかもしれないし、飲んだほうがいいぞ?」


「ありがとう。」


震えはいつの間にか止まっていた。きっと一人にならなくていいという事に安心したからだと思う。


「あ、客間に布団しいといてくれるって。」


「ありがとう…ごめんなさい。」


「いいけど…身体大丈夫なのか?明日休んだほうがいいんじゃ…」


「大丈夫…」


まだ心配そうにしている高宮にあのアプリの事を言おうか悩んだ。

でもきっと信じてくれないに決まってる。

もし私が高宮の立場でもそんな事あるわけがないのに何怖がってるんだって笑ったかもしれない。

志保だってただの事故とか何かの事件に巻き込まれたとかそういう事かもしれないし、ただの偶然でこうなってるのかもしれない。

アプリだってもしかしたらデータ移す時に店員さんがやってくれてたのかもしれないし…


なるべくいい方に考えてみる。

だが、どれも打ち消されていく。そんなはずがあるわけないと…


「まだ顔色悪いぞ?もう寝たほうがいいんじゃないのか?」


「あ…そうしようかな…」


「風呂朝のがいいよな?今体調悪そうだし、無理そうだもんな。」


「ごめん…何から何まで…」


申し訳ないと思いつつも今はこの人がいるという安心が欲しかった。


その時携帯が鳴る。

こんな時間に誰かと思ったら山田さんからだった。



『遅くにすいません。

携帯無事に変えられたとの事でしたが、今もアプリはない状態のままですか?入ってない状態のままだったらいいんですが少し気になってメールしました。

お休みになっていたら申し訳ないです。』


そのメールにまた恐怖がわきあがってくる。

気になってってどういう事?

もしかしてあれはどうやっても消せないものなの?



「おい!大丈夫か?」


ガタガタと携帯を持つ手が震える。

それに気付いて高宮が傍にきて、心配そうにしている。


「さっきも携帯見てからそうなったよな?もしかしてストーカーとかにあってるとかなのか?」


「違う…そっちのがマシ…」


相手が人間だったらどんなによかったか…

それならまだ逃げる事も倒す事も出来るのだから…

でもアプリ相手にはどうしたらいいの?アンインストールもできない、機種変しても勝手にインストールされてる。あとは解約だけ?

しかもこのアプリをプレイしたものは、死ぬという…どうやって逃げればいいのかわからない…



「もしかして…今噂になってるアプリか?」


「!何か知ってるの?」


パッと高宮の方を向くと頷いてる高宮がそこにいた。


「俺の友達が新聞記者やってるんだ、太陽新聞の。その友達が絶対やるなって言ってたアプリがあったのを思い出してさ。」


「もしかして…」


「浅井がやってたアプリだよ…紹介するから入ってほしいって言われたけどその友達にやるなって言われてたアプリだったから断ったんだ。」


「そ…うなんだ…」


「…もしかして浅井から招待されてやったのか?」


「…私はやってない…招待はされたけど面倒だから志保にやってって携帯渡して…その後は起動もしてないの…」



それからネットで調べた事、山田さんとメールして携帯を変えたほうがいいと言われたから変えに行った事、そして消えたはずだったアプリがまた入っていた事を話した。



「そのメールの相手、山田って言ったの?」


「そうだけど…」


「そいつ新聞記者じゃない?」


「わかんない…」


「俺の友達の記者が山田って言うんだよ…明日電話してみるか…」


何か解決方法を知ってるかもしれないし。と高宮が微笑む。

高宮はそう言ってくれたが私は何故か消えない不安が残ったままだった…



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