粉雪牡丹雪暴風雪
「私、以前はその街で星占い師をしていたんです。民衆の注目を集めていたのが気に食わなかったのか、領主に目をつけられて…
凶兆を見たんです。自分が降らせる流星群の。
その時は自分が降らせるなんて思わずに、民衆に注意喚起をしたんです。降る場所は分かっていたので、そこに近付かないよう言おうとして…その時、領主が、そんなのは出鱈目だ、って。
街の人達は反対してくれたけど、権力と武力であっさり降伏したんです。それでも私のことを思ってくれていました、その時までは。
私は地下牢で5日間、拷問を受けていました。3日目くらいでしたっけ、民衆の前に一度晒されて、その時に民衆全員が私を非難しました。
もしかしたらそうでない人も居たかもしれません。だけど、私はその時、まともに思考ができませんでした。
それで…なんかもう、全部滅茶苦茶になっちゃえ、って思って…火炙り処刑の日に、降らせたんです。流星群を。
…これが、事の顛末です。あの街の生存者は、恐らく私だけでしょう」
全てを話した。
「…嘘はありませんね。ご協力いただきありがとうございます」
表面上穏やかに接してくれたこの職員も、内心では気が気でなかっただろう。
「あの…登録は、どうなりますか。刑事裁判とかで、保留になりますか…?」
「そうですね。これは一度…」
あくまでも、錯覚の範疇、ではあるが。
ステラは、目の前が、少しずつ、白く、なっていく、ような、気が、した。




