冒険者カードは記念メダルとは違った。
「困るんですよね。そんなことされちゃ」
プンプンと怒っている受付嬢さん。
ギルドカード作っただけだよ? ほら、観光地とかである記念メダルみたいな? それなのに建物出たとたんグルグル巻きにされて椅子にくくりつけられる。出来れば、このロープほどいてほしいな。
「白色のカードは冒険者として仮登録の証明です。だから直ぐに簡単な依頼をしてもらい、資質を見て青色カードに変えるんです。それで初めて冒険者になるんです」
仮なの? それでも良いけど。
「もし、白色カードのままでいたら冒険者組合に不利益を与えるとしてカード代1金貨を請求するんですよ」
1金貨は、ここのパンが1銅貨だからどのくらいだ?
「1金貨は町民の年収3年分位でしょうか」
高いよ! 高額だよ! 横暴だ!
「払えなければ、罪人として奴隷落ちです」
白色カードは申請すればいくらでも貰えるもので、前に白色カードを大量に作って色着けをして他の人に売り、大儲けした馬鹿者がいたらしい。その為の処置としてこの方法がとられたという。
「1枚持ってるだけです。変なことしません」
「そう言って持っていった人が銅貨10枚でその人に売っていたんですよ」
貯金通帳とかの転売みたいな事してたの? それで買っていくらで色塗って売ったか知らないがだいぶ大儲けしたんだな!
「だから、今すぐ受けなさい! ここに依頼を持ってきましたから」
そう言って出してきた依頼を見る。
『依頼:門番のランドに愛情の一杯詰まった弁当を届けてほしい』
「……これ、受付のお姉さんの依頼ですよね?」
「今なら、銅貨15枚に青色カードを付けちゃう!」
職権濫用!? 恋人に届けるためにそこまでするか?
「もうすぐお昼ですよね? てか、自分で持ってけ!」
「罪人として兵士につきだして奴隷……」
「わかりました! 行きます。行きますよ!」
「それじゃ、これお願いね」
何処から出したのか机の上に置かれた弁当箱。机からはみ出すほどでかいんだが……。
「……これ、食べるの?」
ランドさんて大男なの?
弁当箱を頭の上に抱えて、ヨロヨロと建物をでる。でるまでに同情の視線が痛い。なんでこんな目に……。
十字架背負って丘の上まで歩いた神の子のごとく、くそ重い弁当箱を持って門まで歩いた。
無理矢理に依頼を受けさせる。これが作者!(笑)
(´-ω-`) この後、どうしよう。




