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聖剣ですけど、巫女さんに癒され中です。

久しぶりですみません(泣)

2015/04/28のぽっちゃり巫女は看護師さんと少しだけリンクしております。

この人と子供を作る?

私は膝の上からギダシア神官……うん、たぶん勇者を見上げた。


「どうした? 」

その人は甘く微笑んで私にキスした。


力が唇越しに注ぎこまれるのがわかった。


「ギダシア神官? こそ忙しいんじゃないの? 」

机の上には書類の山がある。

「カスリダさんもいるから大丈夫だよ」

それにアミリアーナも帰ってくるし、書類じたいはくだらないものばっかりだよ。とギダシア神官(仮)が笑った。


本当は勇者かどうか聞かないといけないんだけど、怖くて聞けない。


聞いたら何かが変わりそうな気がする。


「再生巫女ファリシア様がお見えになりました」

侍従が声をかけた。

「そうか、通すが良い」

「えーと……呼んだんだ」

私はふっくらした赤毛の穏やかそうな女性を思い出した。


近づくだけで癒やされそうな可愛らしい人。


「お召により参上致しました」

マッチョな二人を従えて再生巫女ファリシアさんが礼をした。

「ご苦労だった、私の愛しい比翼の鳥をまた癒やしてほしい」

ギダシア神官(仮)は尊大な態度で命じた。

「かしこまりました」

どこか顔色の悪いファリシアさんがそっと私に近づいてきた。

そっとと言うかヨロヨロと近づいてきてバタンと倒れた。


「わ~セリカ、大丈夫か! 」

「御前を失礼いたします」

マッチョな二人があわてて近づいた。


ファリシアさんを緑の短い髪に青い目の男性が抱き起こしている。


「あれ……おかしいな」

ファリシアさんがお腹が痛いとさすった。

強打したらしい……でも転んだの覚えてない?


「今日は無理でございます」

赤紫の短い髪とオリーブ色の目の男性の方が妙にいい声で言って私とギダシア神官の前で礼をした。

「ジァイオス」

「ギダシア神官、私、大丈夫だよ」

ギダシア神官が怖い目でジァイオスさん? を見たので慌てて取り繕った。


たしかにオーラダー様の領域に呼ばれた時に分けてもらった力が少しだけ体調を戻していた。


「ケイアス、ファリシアは何があった? 」

ギダシア神が緑の髪の男性に鋭い眼差しを向けた。

「今朝、神官長と一緒にオヤルル領から天竜に乗ってかえってきただけですよ」

どこか不遜な眼差しでケイアスさん? はギダシア神官を見た。

「……違うな、何か消耗している」

ギダシア神官がファリシアさんに鋭い眼差しをむけた。


話している間もウトウトしている。

いつもの私みたいだ。


「詳しい話はまだ神官長に聞いてください」

ジァイオスさんがそっとファリシアさんを支えた。

「オヤルル領で何かあったようだな」

「それについては聖槍様のご報告をお聞きください」

「おいてきたようではないか? 」

どこか楽しそうに問いただすギダシア神官にジァイオスさんが心配そうにファリシアさん見ながら答えた。


「大丈夫だよ、お兄ちゃんたち」

「セリカ」

やっと目を開けてファリシアさんが立ち上がった。

ジァイオスさんに支えられて私の前にひざまずいた、失礼いたしますといってファリシアさんが私の手を握った。


あたたかい光のような癒しが私を構成するものの奥の奥まで入り込んでくる。


『姉上の愛しき駄剣』

だれ? 誰が呼んでるの?

『駄剣きけ、私はソナタがそこの根性悪と子供を作ろうがどうでも良い』

赤い髪の美丈夫が苦い顔をしたのが見えてきた。


エウリール神? 駄犬って私は犬じゃないですよ。


『犬じゃない……姉上のダメな剣、古代よりの……気をつけろ』

突然エウリール神の声が途切れた。


意識が浮上する。


「駄神め、よくもウエニアに」

ギダシア神官(仮)が怖い顔していた。


駄、駄神……駄○って今流行なんですか?


「駄○○……エウリール様……私、言えませんよ」

ファリシアさんも虚空をみてつぶやいた。

「駄なんとかって……エウリール神様」

ジァイオスさんもブツブツ虚空を見てつぶやいた。

「お前ら、頭の通信を口に出すな」

ケイオスさんが頭を抱えた。


あ、頭の通信ってなんですか?


「駄神、シュースルに協力しようか? 」

ギダシア神官(仮)が黒い笑みを浮かべた。


こ、怖い……ブルブルふるえるとギダシア神官(仮)が気がついたのか私の頬をなでた。


「エウリール様……私、まだいけませーん」

「そんな恐ろしいこと、無理です」

ファリシアさんとジァイオスさんが同時に叫んだ。


頭の通信の通信切れとケイオスさんが二人の頭を叩いた。


とたんファリシアさんが倒れた。


「わ、セリカ」

ケイオスさんが慌てて支える。

頭の通信? から戻ったジァイオスさんもあわてた。


あとに聞いた話によるとジァイオスさんも巫子で頭にエウリール神のお告げが来ていたらしい。


「駄神はなんと言っていた」

ギダシア神官(仮)が迫力満点でジァイオスさんに迫った。

「お許しください」

「内容は! 」

「エウリール神様のみ心はお話できません」

ギダシア神官(仮)の迫力に引きながらもジァイオスさんきっぱり答えた、それは、私とエウリール神様との会話でありみ心はあなた様に伝えられないと強い目で……


「御神職をお持ちのあなた様には神様のご恩寵の大切さがお分かりになると思います」

ジァイオスさんが強い眼差しで言った。


……駄神の巫子……よく言い切った。

そうに暗くギダシア神官(仮)がつぶやいたところでファリシアさんがゆらりと立ち上がった。


「私はソナタの大事な駄剣に忠告したまでだ! 」

ビシっとギダシア神官(仮)に指を突き付けて低い男性の声で言ってファリシアさんはそのまま後ろに昏倒した。


床に激突する前にケイオスさんが抱きとめた。


「なるほど……」

ギダシア神官(仮)がつぶやいた。


緊張感漂う室内……


「御前を失礼してよろしいでしょうか? 」

ケイオスさんがファリシアさんを支えたまま礼をした。

「ウエニア、調子はどうだ」

ギダシア神官(仮)が私の顔を見た。


身体がいつもより軽い……癒しの力が効いたみたいだ。


「大丈夫」

私は腕を回した。

「退出を許可する」

偉そうにギダシア神官(仮)が手を振った。

ケイオスさんとジァイオスさん丁寧に礼をして二人でファリシアさんを抱えた。


お礼言わなくちゃ、また昏倒させちゃったし。


「あの、ありがとうございます」

私はギダシア神官(仮)の腕の中で頭を下げた。

「聖剣様、心お健やかにお過しください、かの方の癒しのために」

ジァイオスさんが穏やかに微笑んだ。

「回復心よりお祈りいたします」

ケイオスさんがファリシアさんを抱えたまま頭を下げた。


そのまま二人出ていった。


しばらくギダシア神官(仮)が私の髪を撫でているのを感じた。


「ウエニア、駄神は何を吹き込んだんだ」

ギダシア神官(仮)が耳元でささやいた。

「……古代の……としか聞けなかったよ」

なにか言いづらそうだった。

「そうか……邪神は……てんせ……次代は……まだ」

どこか遠い目でギダシア神官(仮)がつぶやいた。


本当によく知らない人みたいだ……


ギダシア神官(仮)とはじめにあったのは……キノウエシのオーラダー様の神殿だ……


『おかえり』

甘い声にささやかれて祭壇のうえで目覚めたんだ。

麗しい美貌の……あれ、あの時飛び起きて祭壇から転げ落ちたんだよね。

恐怖感じ……たんだっけ?


どう思ったんだっけ? 


ああ、そうだ……どこかで見たと思ったんだ。

この顔は……いつも背中から感じてた波動は……


「勇者オダーウエ……うえさん」

私はそうにつぶやいて抱きしめてる人を見上げた。


ピクッとその人が反応したのがわかった。


「うえさんだよね? 」

「ウエニア……わかって……」

その人……ギダシア神官(仮)じゃなくて……

「勇者のオダーウエ様……うえさんだよね」

私を抱え込んでる人は……私に名前の一部をくれた人。

ただ近く意味のニアと言う名前だった私にウエニアと名前をくれた人。


怖くて……でも私にとって大切で愛しい人……

壊れる瞬間……違う、壊れてこの人が宿命を果たす時が来ても離れたくない……離れられない……離れてやらない……私の大切でやっぱりちょっと怖い人……でもね……


私はたくましい腕に抱きついた。


「う……ウエニア? 」

「うえさん、私、離れないよ」

戸惑ううえさんに私は強い眼差しをむけた。


うえさんは少したじろいだ。


「うえさん、大好き」

私は抱きついた腕に力を込めた。

この腕が私を……世界を昔からまもってくれてるんだね。

「煽ってるのか? ウエニア」

うえさんが私の頭をなでた。

そのまま後頭部を持って上を向かせてくちづけた。


ウエさんが私に大人の口づけをした。

クラクラして何も考えられない。


解放された時、息切れがした。


「ウエニア」

甘くどこか危険な響きの声が聞こえた。

俺がそんなに好きなら遠慮はいらないよねと囁かれた。


え、獲物を狙う猛獣の目をしてるよ。


「む、無理です」

私は視線をそらした。

うえさんのこと大好きだけど、ちょっと今の体力で思う存分やられると自身ないなぁ。


アミリアーナさんに大昔に貫かれた傷が確実に元々なかった体力とか聖剣力とか奪ってるしね。


「優しくする」

可愛いといいながらうえさんが私の頭頂部にくちづけた。


む、無理だってば、大体昔はそういうこと望まなかったじゃないですか。


「け、結婚してから」

うん、結婚すれば地母神で結婚の神のオーラダー様の守護がそういうことでは強まるから優しくしてくれれば大丈夫なはず。


そういやオーラダー様って結婚司ってるくせに未だ独身だなぁ……誰か好きな人でもいるんだっけ?


オーラダーちゃんは異界の……

……やめよ、ヘタレ神!


なんか、私にも頭の通信みたいのが来た?

名も無き最高神とオーラダー様だったような……


「辛いのか? 」

上を見上げると心配そうなうえさんの顔が見えた。

この際そういうことにして回避しよう。


「う、うん」

「すぐに寝室に戻ろう」

うえさんが私を子供抱きして立ち上がった。


あ、あれ? 寝室戻るの阻止しようとして言ったのに本末転倒なんじゃ……休ませるだけだよね?


「寝床で沢山力を注いで上げるよ」

甘く微笑んでうえさんがキスした。


わーん、やっぱり食う気なんだ。

なんとか阻止しなくちゃ。


私、うえさんと長く一緒にいたいもん。


「うえさん、長く一緒ににいたいからやめて」

私はうえさんを見上げた。


うえさんがにっこり笑った。


「大丈夫だよ」


絶対に大丈夫じゃないです。

だからとりあえずやめようよ。


誰か〜助けてください〜。


ベッドにそっとおろされてそのまま服に手をかけられた。



いまお取り込み中でございます。

おやめください。


扉の向こうが騒がしい。

勢い良く扉が開いた。


「我が君!! 一大事でございます!! 」

アミリアーナさんが飛び込んできた。


「アミリアーナ……」

うえさんがアミリアーナさんを睨みつけた。

「古代の息吹がーーーなんで駄剣が下にいるんですか〜」

アミリアーナさんが絶叫した。

「……押し倒されちゃった」

エヘっと笑ってみた。

それ以外どうしろと……

「我が君の悪趣味〜」

「うるさい、古代の息吹とは? 」

絶叫し続けるアミリアーナさんの口を押さえつけてうえさんが不機嫌そうに立ち上がった。


なんか邪神降臨って感じで恐ろしいですが……


そういや、私、なんで勇者……うえさんのこと忘れたんだろう……キノウエシのオーラダーの神殿に連れてきてくれた時は意識がなかったにしても……記憶に差異がありすぎるような……わからない……


モゴモゴ言ってるアミリアーナさんを叫ぶなら喉をつぶすとおどしてからうえさんが手を離した。


「…………あ〜苦しかった、ともかく駄剣のいないところでお話を」

「駄剣ではないが、駄槍のかんがえを聞こう」

アミリアーナさんの言葉に不機嫌まるだしで応じながらうえさんが歩きだした。


「うえさん」

少し寂しくなって呼び止めてしまった。

「うえさん? 記憶が!!」

「すぐ戻るから、休んでおいで」

騒々しく騒ぐアミリアーナさんを睨みつけて黙らせてからうえさんが安心させるように笑った。

「うん」

こくっとうなづいてベッドに潜り込んだ。


遠ざかる二人の足音を聞きながら思った。

本当にどうなっちゃうんだろう?


そんなことを思いながらもいつの間にか眠りについたみたいだ。


コボコボと泡が浮かんで消える。

冷たい水底(ミナゾコ)に揺れる赤い長い髪が揺れる。

寒い……寒い……暗い……暗い……


体に絡む忌々しき呪縛……力を……もっと力を……

さすればここより抜けられるやもしれぬ。


赤い目が開き遥か彼方の水面を見上げた。

そしてこちらを向いて私を見た。


そして私を確認したように笑った。


「な、何なの? 」

私はドキドキしながら飛び起きた。


あたりは寝る前いた豪華な寝室で豪奢な天蓋が周りを覆っている。


「怖すぎるよ……」

もう寝る気が起きなくてベッドから起き上がって分厚いカーテンを開いた。

昼間のさんさんとした日差しが中庭に差し込んでいるのが見えた。


「ゆめ……夢だよね」

現実的な風景に安堵のため息をついた。


ベッドに戻って布団にくるまった。

うえさん……早く帰ってきて……


そう思いながら、今度も寝入ったけど怖い夢は見なかった。


あれは一体何なんだろう?

駄文を読んでいただきありがとうございます♥

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