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第一章 五月上旬~五月中旬 2

           2

「それでは、始めます。知ってる人もいるかと思うけどね、来週から新入社員が来ることになりました。その件について社長からお話があります。よく聞いて、新入社員の方が気持ちよく働けるようにしてください。それでは」

 武井部長は、斜めに三歩さがった。。


 塚田社長が、語り出す。

「こんにちは。私の独断専行気味だったけどね、ひとり来週から入ってもらうことになりました。所属は営業部です。ただ、世間一般の概念からすると、特殊なケースと言えるわけでね。説明しておいた方がいいかな、と思い集まってもらった次第です。いきさつから包み隠さず言うけど、ある知人に連れられてニューハーフのクラブに何度か行きました。なかなか刺激的、かつ衝撃的ではありました」

 笑いが広がった。ニューハーフ、新入社員は、男性に生まれたけれど、女性の心を持った人間である。造語である。


「そこで、お店をやめて、どうしても普通の会社でOLとして働いてみたいっていう人がいてね。話を聞きました。興味本位ではなく、昼間の勤めで頑張ってみるという決意の固さを確認しました。それで、武井部長などと面接をしました。調度、二月に加田君が辞めて、営業が手薄になっていたので、営業部員として採用することに決めました。間違ってもらいたくないので、はっきり言っておきますが、人寄せパンダみたいな考えで雇うわけじゃないですよ。営業戦力としての雇用です。名前は、西野明美さん、もちろん、本名じゃないです。お店で使っていた名前とも違います。心機一転ということで、会社で使う女性名を本人に考えておいて、と言ってこの名前になりました。まだ、完全には女性になっていないけれど、うちでは、女性として勤めてもらいます。本人は、大変、乗り気です。ただ、皆さんのちょっとした言動などで思わず傷つくこともあるのでね。その辺り、十分注意してください。私からは、以上です」

 塚田社長は、武井総務部長の方に首を回した。

           


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