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封印にお別れ

アリシアとガブリエルの恋物語が書きたいという気持ちはあるんですけど、とんでもなく長引いく可能性が高いので、後で小説にするかもしれません。


約束はできませんが。


「アリシア・グリフィスは死んだ。彼女の代わりに、この()()()()がその身体で目覚めた。しかし、アリシアはたとえ相手がデーモンだとしても、他人を傷つけることに耐えられない優しい心の持ち主、とても勇者には不向きな存在だった……幸い、人族は《魔道具》を開発し、それを使って戦うことを覚えたため、アリシアは僕と一緒に田舎に引っ込むことが許された。そのときに、僕は彼女をあらゆる危険から遠ざけると心に誓った、それなのに……」


 ガブリエル父さんが沈痛な面持ちで言った。その表情は、アリシア母さんとの歴史を物語っていた。きっと二人は共に苦楽を共にしたのだろう。どんな物語があるのか、想像もつかない。


『勇者は【光】(アストラム)を失い、漆黒の迷宮の中におる。戻るまで待ち続ければよい』

「いまだに何を言っているのかわからないが……千年待ったんだ、あと千年待っても構わない」


 ガブリエル父さんは、ユニコーンの言っている意味がわからない様子で言ったが、俺はなんとなくわかる。

 要するに、お母さんは、以前俺が夢の中でいたのと同じ暗い廊下にいるんだろうと。

 俺の場合はまっすぐな廊下だけだったが、ユニコーンの言葉からすると、アリシア母さんは迷路の中にいるようだ。

 あの暗い場所が何なのか、ユニコーンの言う【光】が何なのか、まだ分からないことだらけなんだけど、待つしかないことは分かっている。

 お母さんは大丈夫だ、死なない。眠っているだけだ。

 目覚めれば、いつもの元気な姿になるはずだから、お父さんと俺はそれまで辛抱強く待っていよう。


 そんなことを思いながら、俺はアリシア母さんの穏やかな寝顔に触れた。知らないところで、ガブリエル父さんは意味ありげな視線でこちらを見ている。


「それよりも、リュウマ、君に関する問題の方が急務だ。宮中のクソ頭どもは、君を武器にして敵を倒せると思っている。国外からの敵はもう対策済みだが、さすがに内からの敵も同時には対策できない」


 突然、ガブリエル父さんが話題を切り替えた。俺はそれを聞いてアリシア母さんから目を離し、ガブリエル父さんを見る。


「エレノア義母さんは時間を稼いでいたけど、彼女でさえもこれ以上長くは持ちこたえられないだろう。そこで提案なのだが――本当に心苦しいが、この国を地上から消し去る以外の選択肢は、これしかない」


 サラっと言っているが、ガブリエル父さんが言うと、本当に国ごと消し去れるんじゃないかと、妙にリアルに感じる。

 これはとても深刻な話だと判断し、背筋を伸ばしてガブリエル父さんの目を見る。


「リュウマ……君の【声】を封印する。それから、君はベイカー家と一緒に、この国から遠くへ行かなければならない。少なくともアリシアが覚醒するまでは、新しい名字で彼らの家族の一員として一緒に暮らすんだ」


 ガブリエル父さんは重い声で、寂しさを隠しながら俺に言う。

 それは俺にとって辛い決断だが、ガブリエル父さんの理由も分からないわけでもない。


 どうやら俺は、声を使って魔法を詠唱しようとすると、まだ未熟なため魔力が暴走してしまい、また爆発する危険性があるようだ。そうなると俺の声を封じるのが妥当な展開ということになる。

 そして、ガブリエル父さんがアリシア母さんは皇太子の妹だと言ったように、おそらく今までずっとアリシア母さんが王家が俺に手を出すのを抑止してきたのだろうが、アリシア母さんが昏睡状態になったことで、王家側は俺の持つ力を理由に俺を自由自在に破壊の道具として使えると思っているのだろう。

 それが嫌でガブリエル父さんは、ベイカー家と一緒に国を出て、アリシア母さんが覚醒するまで一緒に暮らせと言ったんだ。


 どちらの条件にも賛成だが、一生しゃべれないというのは怖い。

 そんな俺の不安を察したのか、黙っていたユニコーンが口を開いた。


『むろん、一生喋れなくなることもあるまい。我が封印は、貴君の魔力を解き放つための錠前にもなっとる。自力で封印が解けるとしたら、それは魔力の操作が優れているということ。その頃には、もう魔力が暴走する恐れまいだろう』

「ただし、それまでは通信の《魔道具》を使用しないと話せない。君が使っていた通信の《魔道具》は残念ながら爆発で壊れてしまったが――」


 その言葉を残したまま、ガブリエル父さんはポケットから木箱を出して、俺の前に差し出す。

 俺が首を傾げると、ガブリエル父さんは木箱を開け、貝殻を紐で縛った首飾りを見せる。


「アリシアは、大きな通信の《魔道具》をいつも持ち運ぶのは赤ちゃんの手には煩わしいと思い、王都の職人からこのミニサイズの通信の《魔道具》を取り寄せたのだそうだ。もうじき赤ん坊の時期から卒業すると言っておいたが、こんな時に役に立つとは予想もつかなかった。アリシアは、誕生日プレゼントにこれを贈るつもりだったんだよ……」


 そう言って、ガブリエル父さんは俺の首に貝殻の首飾りをつけてくれる。


「一日早いが、誕生日おめでとう、リュウマ」


 ミニサイズの通信の《魔道具》の首飾りを覗いてみる。今でも、アリシア母さんは俺のことを思ってくれているんだ。


「ありがとうございました、お父さん、お母さん」


 俺は、このような素晴らしいプレゼントをくれた両親に感謝した。

 《魔道具》から出た声は、前よりもずっと自然に聞こえる。その声はアリシア母さんに聞こえているかどうかわからないけど、それでもお礼を言う。

 そうしたら、ユニコーンの声がまた頭の中に響いてきた。


『では、始めよう』


 そうやって、ユニコーンは再び俺を浮遊させ、背中に乗せた。

 俺たちは部屋から出て、白い大理石の廊下に出たが、今度はガブリエル父さんも一緒に出てきた。

 部屋を完全に出る前に、俺は後ろのベッドを振り返る。


「またあとで、お母さん」


 そう誓った。


 次に向かう部屋は、これまでのドーム型と違い、箱型となっている。

 巨大なベッドはなく、真ん中に台座があり、両側に3本の柱が2列に並んでいる。台座の上には、天井から吊るされた巨大なシャンデリアがある。

 天井を見上げると、またしてもユニコーンの魔力で浮き上がり、今度は台座の上に乗せられてしまった。

 何が起こるのかわからないでいる俺に、ガブリエル父さんはユニコーンの銀色のたてがみを何本かむしって、俺のほうに歩いてきた。


「じっとしててね」


 と頼まれたので、俺は素直に石造りの台座の上に寝そべった。

 するとガブリエル父さんは、右腕に一本、左腕に一本、右足に一本、左足に一本、首に一本、そして胸に一本のたてがみを結んでくれた。

 正直、今にも悪魔の生贄にされそうな気分だが、それを言うとユニコーンの機嫌を損ねそうなので、黙っている。


「愛すべき息子よ。また会う日まで」


 ガブリエル父さんはそう言って、俺の額にキスをした。


「うん」


 と俺は答えた。

 そして、意識が真っ黒になった。


***


 ガタガタっ ガタガタっ


 目が覚めると、俺は馬車のようなものに乗っていた。

 緑の景色がぐんぐん流れていって、馬車は大きく揺れる。

 気がつくと、毛布にくるまってマーガレットさんに抱っこされている。

 ここはどこなのか、なぜここにいるのか、一瞬混乱していが、お父さんに言われた言葉をふと思い出した。


 そうだった……

 これからは、ベイカー家の子供の一人として一緒に暮らすことになるのだった。


 寝起きの俺に気づいたマーガレットさんが、ささやくようにこう言った。


「目覚めましたか?坊ちゃま。さっそくすみませんが、 シーしててください。そろそろヘヴェンズゲート領内を離れますので」


 そう言うと、マーガレットさんは再び俺を外の世界から隠すように毛布で包んでくれた。

 俺はマーガレットさんに抱かれたまま、馬車の後ろの隙間から景色を眺める。

 向こうのどこか遠くには、俺と両親の家がある。1年も住まなかったが、立派なお城だった。家族が仲良く過ごした、温かい家だった。


 でも今は、家族を守るために、俺は国外脱出する。

 今は自分の力すらコントロールできない弱小な俺だが、いつかまた戻ってくる。

 いつかまた、俺たち家族は再会するんだ。



【ステイタス】


名前:リュウマ・ヘヴェンズゲート

種族:竜の実・ヒューマン

性別:男

年齢:1歳

HP:3/6

MP:4/4(封印)


筋力1 体力2 技量1 速さ2 魔力1(封印) 魔質50(封印)


プロローグ終了。


この小説を書くことは自分に対する挑戦であり、成長の証でもあります。まだ日本語を覚えている途中なので、どのように文章を改善すればいいか教えていただけると助かります。


ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします!

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