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プロローグ

外伝ですが、話の内容的に2.5話ぐらいの立ち位置かもしれません。

とはいえ、ここだけ読んでも楽しめるようにするつもりです。

 最初に違和感に気が付いたのは意外にも一人の学生であった。

 月曜日。彼は通学のためいつものように瞼をこすりつつ、気だるげな様子で早朝の電車に揺られていた。ふと、いつもなら数人は乗ってくるはずの駅で誰も乗り込んでこないことに気が付いた。それだけではない。ホームに人が一人もいないのである。彼は疑問を抱きつつ迫りくる睡魔に身を委ねた。


 部活を終えた彼は黄昏に染まる車内で今朝のことが気になっていた。今もあの駅で降りようとするものはいなかった。彼は好奇心からとっさにホームに降りてしまった。好奇心は猫をも殺すと言うが、幸い彼()死ぬ()()()なかった。

 改札を出てしばらく町を探索すると人の気配がしない。近くのコンビニに立ち寄ってみたがやはりもぬけの殻である。何かのイベントでもあるのであろうかとスマホでこの町のことを調べてみる。どうやら昨日大規模な祭りが開催されていたようである。この町では伝統的に10歳を迎えた子供を盛大に祝う儀式が裏山の神社で開かれるようであった。

 彼は行くべきではなかった。異常を感じているのだから。自身の身の安全が保障がなされるのは日常においてこそである。


 神社の近くに来ると彼は腐臭を感じた。まだ引き返せた。彼は勇敢だったのではない。ただ恐怖を知らなかっただけである。ただそれだけ。石段を昇る。昨日の物であろう屋台が放置されている。匂いが強くなる。鼻腔に不快感が募る。生暖かい空気が肌に触れる。カーカーと烏の声が耳に響く。妙な緊張感から背中のシャツが汗でへばりついてきて不快だ。いつもよりも足が重い。疲労に由来するものでは無い。彼の本能によるものだ。口の中に酸っぱさを感じる。もう少しで境内が見えるところに差し掛かる。




 瞳孔に映るは


死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 死体 


 死体の山どころではない。血だまりと合わさり、もはや海の様相を呈していた。

 腐りかけのそれには蠅がたかり、烏に啄まれ、ところどころ肉が露出している。いや、烏のせいではやもしれぬ、なぜならあまりにも欠損が激しかったのだ。「地獄絵図」その言葉が脳裏によぎるほど凄惨な光景であった。


 ふと気が付くと彼は病院のベットにいた。自力で戻ったのか誰かに救助されたのかもはっきりしない。ただあの景色だけが網膜に焼き付いている。

 彼は後に記憶処理がなされたが、精神に不調をきたし、発狂した。

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