第八十二話 『ギイラの代わりに』
-聖霊暦 8095年 ヴェオスの町-
「ギイラ…。いい名前ね。」
女性が言う。
「どんな子供に育つんだろうな…。」
ギイラの父、ザムが言う。
魔神が生まれた日、ヴェオスの町は平和だった。
-聖霊暦 8104年-
「おーい!セト!」
セトと呼ばれた少年が振り返る。セト。ゼイトの本名だった。
リムとギイラ、セトの3人が遊ぶ。
「この子も…よく育ってくれそう。」
母に抱かれていたのはエメリィの幼少期、本名リサだった。
-聖霊暦 8105年-
「おい…大丈夫かよこれ…。」
アニウスたちがヴェオス大陸を襲撃し、カオスラビリンスを建設した。
その地には邪霊龍カオスが居座ることになった。
カオスの影響、それはそれと同時に始まった。
-聖霊暦 8106年-
恐人達がヴェオスの町にやってくる。
「初めまして。僕たちは遠い星、リエムという場所から……」
ザムは斧を構える。カオスの影響はヴェオスの町人の殆どに及んでいた。
「おい!やめろ!こいつらに罪は無い!」
ギイラ、ザムらは邪霊の本当の目的『人類と恐人を争わせる』にかかっていた。
しかし恐人は一切人間を攻撃することが無かった。
邪霊龍カオスの影響は邪霊の従者であるギイラたちには及ばなかった。
「どうしちまったんだよ…。」
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-聖霊暦 8128年 水晶神殿トラチェリー・ザ・パレス 5階 神影の祭壇-
「さあ、絶望を見よ!魔法"デリーティクス"!」
闇魔法は3体全てから飛んできた。
「力も何もかも三倍…。これが世界最強ってやつか。だが俺らも強くなっている…。"ミラクルボウ"!」
弓はギャズヴェイラのうちの一体に命中する。力は三倍、しかしどれも本体であるためギャズヴェイラも3体の自分を操作するのも至難の業だった。
「必ず世界を救って見せる!魔法"スウェルクラーク"!」
光がギャズヴェイラを包み込む。
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-聖霊暦 8106年 ヴェオスの町-
ギイラが目を覚まし、家の中を歩き回る。
「どこへ行った…!セト!リサ!母さん!」




