第四話 『聖霊門の先に』
-聖霊暦 ????年 眠りの海辺-
アリレスが聖霊門を潜って出てきたのは、以前に見た光景と全く同じ、眠りの海辺だった。
「また戻ってきたのか?ここに」
アリレスは急いでセレイの村に戻ろうとした。しかしアリレスは向かう途中、世界の異変に気が付いた。何かが…おかしい…アリレスの右の遠方に羽ばたいてた蝙蝠は聖霊門を潜る前の世界の魔物と違いとても禍々しい見た目をしていた。
恐怖を覚えたアリレスはセレイの村に走った。
セレイの村に着いたアリレスはとんでもないことに気づいた。
「……人間!?」
アリレスの前には確かに人間がいた。その代わりに聖人の姿は見られなかったが目の前の光景を見て颯爽と人間の元に向かい話しかけた。人間が振り向いたとき、その人間の異常に気付いた。
「グアアアアアアアアア!!」
雄叫びを上げた人間の眼は赤く比較光っており、手に持った短剣を振り回して攻撃してきた。
「なんだこの人間は…!食らえ!魔法"ライティ"!」
光が狂気に満ちた人間を包み込んでいく。その隙にアリレスは走ったが、周りにいた他の村人たちもアリレスに短剣を向けて斬りかかってくる。
「くそ…!魔力が足りない!このままだと…死んでしまう!」
諦めかけたとき、遠くで声が響いた。
「食らいなさい!魔法"フレア"!」
その声が聞こえると同時に周りの人間が炎に包まれ、溶けていった。
救われたアリレスは辺りを見回すと目が隠れるほどの銀髪の少年と大きな杖を構えた少女が居た。
「……あなたたちは?」
アリレスが問いかけると銀髪の少年は答えた。
「俺は…ギイラ。そしてこいつが魔法使いのセナだ。お前…ここの村人じゃないな?」
「はい…しかし…人間が襲ってくるだなんて…。人間は魔神に滅ぼされたのではないでしょうか?」
そう問うと、セナが首を傾げた。
「魔神?なにそれ?私知らないんだけど…なんか夢でも見てるんじゃない?」
ギイラは続けるように言った。
「何を言っているんだ…今は聖霊歴8107年のスレルス島、セレイの村だぞ?」
そう言われてアリレスはあることに気が付いた。
アリレスが時空転移をしてついた先が8128年のスレルス島、そして、ギイラ曰く今は8107年のスレルス島… もしかして、聖霊門を潜るとき時間が21年巻き戻った…?
アリレスはこれまでの冒険をギイラ、セナに説明した。
「…世界が魔神に滅ぼされ、聖霊門を潜りここまで来た…。まさかお前…聖霊の従者なのか…?」
「はい…」
「魔神…ギャズヴェイラ…そのようなことが起きたのか…。この危機に立ち向かうことができたのがお前だけ…」
「そうして時を渡ってきて狂った人々に襲われて…」
アリレスとギイラが話しているとき、セナが割り込んできた。
「それなら私たちが一緒に冒険してあげるよっ!」
「セナ…勝手なことを…しかし…俺たちが冒険する意味とお前が冒険する意味は合うみたいだな。」
「冒険の意味…?」
「ああ。セナは故郷を呪われた獣たちに襲われて冒険をしている俺に会った。今世界の様々な地域が崩壊寸前の危機に瀕している…俺たちはそれを救うべく旅をしているわけだ…そして今いるこの村だが…北西の洞窟にいる奇形の魔物の呪いにより村人たちが互いを殺し合うようになってしまっている…。その魔物を倒すのを手伝ってくれるか…?」
ギイラの問いかけにアリレスは頷いた。
「そうか…ならば行こう…この村を呪った魔物がいる北西の洞窟、呻きの洞窟へ…!」
「よーし!行こう!」
セナが左手の拳を握り、高く挙げた。
呻きの洞窟の内部は21年では変わらないものなのでサクサクとアリレスは案内していった。
見覚えのある泉までたどり着くと心拍が上がってきた。
「この先に…いるぞ…。」
ギイラが固唾を飲んだ。そうしてアリレス、ギイラ、セナは最深部へと下っていた。
ぐちゃぐちゃと液体のような音が聞こえてくる。
アリレスの視線の先には見たこともないような奇妙な形の骨を持たない、粘液を帯びた魔物がいた。
「キュルルルルル…ヒトガソノママキタカ…。ミズカラワレニ"ウラミ"ヲササゲニクルトハ…!」
「ワガナワ『ウラミクイ』!ヒトビトノクルシミ、ニクシミヲクラウモノナリ!!!」
アリレスたちはウラミクイにそれぞれ剣、斧、杖を構えた。
「お前が…この事件の黒幕かっ!」
表紙画像提供...@shield_rin様
2020/9~11頃に無料ゲームの配信サイト「PLiCy」にて「WOLFRPGEDITOR」というツールを用いてゲーム化をする予定です。




