第三十一話 『沈黙と王子』
-聖霊暦 8107年 クロノス城 玉座の間-
アリレス達一行が王アレリドに呼ばれる。
「よくぞ来た。アリレスよ。さあ、君たちのこれまでを教えてもらおうか。」
アリレスは未来の話、クロノス城が滅ぼされた話、聖霊門の話を全てした。
「なるほど…信憑性が深いな。時間を渡ったのはおそらく"科学都市"の技術だろうな。」
兵士一同が驚く。
「君たちは知らないだろうが、アリレスは…この国の王子だ。」
―――――――――――――?
「この国には今2人の王女と一人の王子がいる。その王子、アリレスがお前ということだ。」
「えー!じゃあアリレスが王子ー!?」
「そして魔女が来るのが事実というなら…今すぐこの城下町を守れ!」
アレリド……アリレスの父は兵士たちに向けて言った。しかし、兵士たちは一切反応を示さない。
「おい!早く配置につけ!」
兵士達の目は驚愕を表していた。
「魔法の影響かもしれません…魔法"キュアサイレンス"!」
リリアの魔法によって兵士たちの沈黙状態が解ける。
「誰かが沈黙魔法を使ってきている!早く配置につけ!」
兵士たちが一斉に城下町中に散っていく。続けてアレリドがアリレスに指示をする。
「アリレス!お前は早くその…鍵を取って逃げろ!」
「でも…このままだと城が…!」
室内に魔女の使い達が入ってくる。
「食らいやがれ!魔法"雷神の怒り"!」
アレリドが魔法を使い魔物を一掃する。
「俺はお前の父だ!俺らで魔女は止める!早く鍵を取りに行け!」
アレリドが武器を持ち外に出、アリレス達は慌てて倉庫に行った。
倉庫の窓から外を見るとアレリドと魔女が一騎打ちになっていた。
「加勢しないとー!」
セナが言うが、アリレス達が止める。曲がっていない鍵を見つけたアリレス達は倉庫から出ようとする。
「………………開かない…?」
ドアが開かない。開かないとここからは出れない。窓から降りたら確実に死ぬだろう…。
「怪しいですね。あなたたちは。誰か知りませんが。」
「おい!開けろ!」
アリレス達は出ようとしたが一切出られない。
「ここの城の屋上に私は水を溜めておきました。そして部屋の天井には穴が開いています。なのであなたは終わりです…。水に飲まれて死ぬのです。あなたたちは強そうだったので私は直接手を下しません。」
出れない…水が入ってくる…。アリレス達は窓を開けようとしたが開かなかった。
「やばい…このままだと皆溺死してしまう!」
―――――――――――――――――――――――――――――――
1時間が経過し、魔物が扉にかかった氷魔法を解除し扉を開ける。
「さて…死んだ頃ですか。」
開けると下には若干水が溜まっていたが、アリレス達は全員生きていた。
「何故…なぜ生きているんですか!そしてあなたたちは一体…。」
「僕たちも分からない…でもここの壁に謎の穴が開いていたんだ。誰が開けたかは知らないけど。」
アリレスが理由を説明してからギイラが言う。
「やはりお前だったか…。ヴェノム…。」
アリレス達の前には魔女の秘書であるヴェノムがいた。




