五階層での休憩
うわぁー、気付いたら長くなってました。
( ´;゜;∀;゜;)
さて、五階層に入った。ここからは、辛いだろうし休もう。リベルテは、ケットシーを見て言う。
「ケットシー、毛布とローブを彼女らに届けてくれないか?ここは、冷えるしあんな装備では体を壊すからな。俺達じゃ、近付きにくいから頼む。」
「了解ですにゃ。」
ケットシーは、テッテッテッと走って行く。
「リベルテ、えらく優しいんだな。」
「違う。近くで、彼女らが死んでたら目覚めが悪いと思っただけだ。薪を集めてくる。」
少し、ムスッとして足早に去る。
「待てよ。そんなに、照れるなって。」
暢気に、リベルテを追いかけるカルマ。
「うるさいっ!」
「グホッ!!!!」
軽く、カルマを殴るリベルテ。その表情が、わずかに赤かったのに気付くロイとカルマ。
「でも、彼女らも粘るね。予想外だったよ。」
「おう、でも見てて危なっかしいんだよなぁ。」
リベルテは、少し困った表情で呟く。
「もうすぐで、五階層を抜ける。次からは、ダンジョンの仕組みが少し変わってくるんだが。彼女らでも、危険だろうな。冷たくすれば、少しは引くと思ったんだが。このままでは、彼女達の命がヤバイのは確実だし。うーん、どうするべきだろうか。」
すると、あの冷たいのは演技だったのかと納得するロイとカルマ。リベルテは、ため息を吐き出す。
「リベルテは、昔と変わったよね。」
ロイは、懐かしいように笑う。
「ん?そうか?だが、自分ではわからない。でも、ロイがそう思うならそうなのかもな。」
ニコッと、笑ってから薪を火の中へ放り投げる。
「昔のリベルテは、今みたいに笑わなかったしどこか冷たくって近寄りにくかったよ。」
「確かに、余り笑わなかったな。そう言えば、ロイはどうやってリベルテと出会ったんだ?」
ロイは、懐かしむように目を細めて言う。
「あれは、僕の何歳かの誕生日の日だった。」
~~~回想~~~
「父上?あの子は、僕の護衛なのですか?」
仮面を被った、リベルテを怯えたように見る。リベルテは、仮面を外して無表情で礼をする。
「初めまして、ロイ様。冒険者のリベルテと申します。至らぬ事が、あると思いますがその点はお許しください。今日一日、よろしくお願い致します。」
「よっ、よろしく。ねぇ、リベルテは冒険者なんだよね?やっぱり、大変なの?」
リベルテは、キョトンとして言葉を選ぶように考えてから頷いて無表情に言う。
「冒険者は、命をはって魔物を倒したりするお仕事なので大変ですね。他に、質問は有りますか?」
「ねぇ、リベルテ。同い年なんかだから、敬語を止めてくれないかな?話しにくいよ。」
リベルテは、国王を見る。国王は、笑顔で頷く。
「わかった。だが基本は、話す事は禁じられているから会話は出来ないぞ。それで、良いのか?」
「うん!それにしても、綺麗な顔をしているんだから笑わないとそんだよ?もったいない。」
すると、リベルテはため息をついて言う。
「その台詞は、未来の奥さんにでも言ってやれ。」
「ん?リベルテは、僕の許嫁を知ってるの?」
「…………。陛下、ロイ様の恋愛教育はなされてないのですね。まぁ、若いし仕方ないか…………。」
少し、呆れたようにため息をついて言う。
「ワシも、まだ早いと思ってな。それより若、鈍感な振りはしなくて良いのか?囲まれるぞ?」
「陛下、名前でお呼びくださいと何度も……」
「まぁ、そう怒るな若よ。」
脱力するリベルテを、ノワールが苦笑して見て頭を撫でている。その後ろには、クウザとアルドがついていてリベルテを優しく見ている。
「リベルテ、同年代と話すのは良い事だぞ。」
「ふふっ、いつもより表情が変わって可愛いわぁ。でも、出来れば笑顔もねぇん。」
「どっ、努力はする。」
目をそらし、ため息をついて空を見上げる。
「リベルテ、肩の力を抜いて。周りの警護は、しっかりしているしお前は王子の話し相手のようなものだから。まぁ、無茶ぶり言ってるのはわかる。だけど、お前の為にもなるし仲良くして。」
ノワールは、優しく笑ってリベルテを見る。リベルテは、子供らしくムスッとする。
「わかってるよ、リーダー。」
「こらっ、お父さんでしょ?」
ノワールは、少し困ったように怒る。
「そろそろ、ロイ様の入場時間なので移動する。」
リベルテは、苦笑してロイの後ろを歩いていく。
「まったく、少し距離を離しすぎたかな。」
ノワールの、少し疲れた声が聞こえる。リベルテにも、しっかりと聞こえているだろうに。
ロイは、リベルテの表情を見て驚く。リベルテは、とても辛そうな表情をしていたからだ。この時、ロイには何故リベルテがそんな表情をするのかわからなかった。
今なら、はっきりと分かる。
あのとき、リベルテは我慢していたのだ。厳しく、教育されて育ったリベルテは甘える事に躊躇を覚えてしまっていた。だから、素直になれず拒絶されるかもと言う恐怖で一歩すら踏み出せなかった。
こうして、暫くたち冒険者達の学校で再会する。
リベルテは、カルマと言う友達がいて笑うようになっていた。ロイは、それを見てとても嬉しかった。そして、3人が友達になるのはあっという間であり今ではその肩を並べるほどだった。
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「これが、リベルテと僕の出会いだよ。」
「なるほどな。さて、見張りはどうする?」
カルマが、納得してから言う。
「今度は、逆からいこう。リベルテ、僕そしてカルマの順番だね。それで、良いよね?」
「「了解!」」
「それにしても、リベルテの親父さんか。」
カルマは、少し考えて真剣な目でリベルテを見る。リベルテは、嫌な予感がして身構える。
「なぁ、リベルテ。Zランク冒険者が、ランクCのしかもガキに殺せるかな?俺は、無理だと思う。」
リベルテは、思わず少し動揺してしまう。そう、あり得ない。でも、何事にも例外はある。
「リベルテ?顔色が、悪いけど言えない事?」
リベルテは、ゆっくり頷いて苦々しく笑う。
「ふーん。それは、お前のせいでもあるのか?」
それには、即答で苦笑混じりに言う。
「少しは、俺のせいだけど違うと思いたい。」
「どう言うこと?」
「秘密だ。それより、二人とももう寝ろ。」
カルマは、ため息をついてテントに入る。
「ロイ?寝ないのか?」
「リベルテ。」
「ん?」
「少し話がある。ちなみに、黙秘権や拒否権はないからね?問答無用に、はいてもらうよ。」
スッと、目を細めて王子としての雰囲気を纏う。
「嫌だ、話す事は無い。」
リベルテは、素っ気なく呟くように言う。
「そっか、まぁ予想通りだね。」
「?」
「ねぇ、リベルテ。これ、なーんだ♪」
お酒のビンを出すロイ。もちろん、リベルテにほとんどお酒が効かないのは知っている。けど、このお酒ならリベルテなら断るし逃げたがるだろう。
「神酒ソウマ。」
リベルテが、表情をひきつらせる。そう、リベルテが初め二日酔いを味わった酒。
「これ、無理矢理飲ませるよ?」
「まっ、待てロイ!?落ち着け!」
「話して、くれるよね?」
「だから、絶対嫌だって!」
少し、困ったように言う。
「そう、じゃあ飲んでね。大丈夫、見張りは僕がやっとくから。王宮の仕事で、徹夜はなれてるし。」
ニコッと、黒い笑みを容赦なく浮かべて言う。
「そっ、そう言う問題じゃ……。はぁ……。」
リベルテは、仕方なく神酒ソウマを飲む。
「さて、アルコールが体に回る前に聞こう。リベルテ、Zランク冒険者の法律と掟を教えて。」
静かに、リベルテを見て言う。
「法律と掟?あぁ、あのこちらの意思をねじ曲げるようなやつか。でも、知ったところで意味は無いと思うぞ。もしも、どうにか出来るのなら親父は死ななかったはずなんだし。うぅっ、頭痛い……。」
それを聞いて、さっきの話を思い出す。
「つまり、リベルテのお父さんが死んだのは……。」
「ケットシー、お願いがある。」
「……はいですにゃ。ご主人、大丈夫ですかにゃ?」
異常状態回復の魔法を、素早くケットシーはかけると心配そうに下から見上げてリベルテの顔を見る。
「さて、少ししゃべり過ぎたな。」
「リベルテ、どう言うことなの。教えて!」
「さて、そろそろ寝ないと大変だぞ。」
もう、話す気は無いとばかりに言う。
「リベルテは、死ぬ気なの?」
「…………俺にも、わからない。」
否定も肯定もしない。ロイは、底知れぬ胸騒ぎにリベルテに更に更に詰め寄る。リベルテは、俯いており表情がわからない。ロイは、少し焦りだす。
「リベルテ、ちゃんと僕に教えて?」
「さて、おやすみロイ。」
リベルテが、呟くとロイは急に眠たくなる。視界がぼやけ、集中ができなくなってプツリッと意識が無くなる。リベルテは、ロイを支えテントに入れる。
やれやれ、これは一本とられたな。
ため息を吐き出し、座ると火を見つめて呟く。
「言えるわけないだろ。」
「主よ。言えないのではなく、思い出したくないのではないのですかにゃ?」
リベルテは、珍しく真面目な表情のケットシーを見て苦々しく笑う。そうなのかもしれないと。
「そうなのかもな……。忘れようと、する度に鮮明に思い出してしまう。だから、考えないようにしてたんだ。だから、お前が思うほど俺は強くないよ。」
「主、完璧など存在はしませんにゃ。それに、誰にでも心の弱さはありますにゃ。」
「ありがとう。」
数時間後……。
「リベルテ、よくも眠らせたね。」
「さて、俺は寝る!ケットシー、一緒に来る?」
慌てて、テントに入って行く。リベルテであった。
さて、六階層へゴウ!




