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協力者ロイ

さて、カルマを守る攻防戦の火蓋が切られる!

キーンコーンカーンコーン~♪


学校の授業が、終わった。カルマは、古文の授業内容を書きうつす作業を必死にやっている。


「リベルテ、もう書き終わったのか?」


「それは、ロイも同じだろ?」


ロイは、この国の王子で金髪に青い瞳の美しい青年だ。国民にも、人気がある優男である。


「君は、相変わらず僕を敬わないね。」


嬉しそうに、笑って近くの椅子に座る。


「カルトアの、息子だと思うと何かな。それとも、敬意をもって会話をした方が良いのか?」


冗談っぽく、笑って答えるリベルテ。


「いいや、このままで良いよ。それにしても、父上から聞いていた若様が君だとはね。」


「あいつ、しゃべったのか?余計なことを……。」


ため息をついて、教科書を鞄に入れる。


するとロイは、思い出したかのようにハッとするとカルマをチラッと見てから声を小さくしてから真剣な表情でため息混じりに言う。


「あっ、カルマの事だけど。イシュナウド家は、まだ動いていないみたい。でも、嫌な予感がするんだよね。イシュナウド家は、大量の魔法道具を買い集めているみたいだし。最悪、戦闘は免れない。」


「だろうな。俺も、少し調べたけど話を聞いてくれそうな相手じゃない。まったく、面倒だな……。」


リベルテも、声を小さくして言う。


「まぁ、魔法道具だけならまだ良いけど腕の良い傭兵や冒険者も集めているみたいだからね。」


「まあ、そっちは何とかなるけどな。」


「さすが、絶対に敵にしてはいけない知略の道化師様だね。いや、今はBランク冒険者の漆黒の死神だっけ?早く、Aランクの試験を受けなよ。」


リベルテだけに、聞こえる声で呟く。リベルテは、苦笑してから小さく呟く。


「お前なぁ、騎士として王宮にでもスカウトするつもりか?あんな、堅苦しい所はお断りだぞ。」


「あっ、その手もあったね。」


冗談混じりに、笑ってから二人してカルマを見る。


「カルマ、まだ終わらないのか?」


「ぬわぁー、この文字はどう訳すんだっけ!」


辞書を片手に、泣き言を言いながら書いている。


「えっと、これは魔導書グリモアの古文だね。ごめん、僕の苦手分野だから教えられない。」


「カルマ、その魔導書グリモアの古文は竜言語の簡要語だぞ。魔法詠唱の時に、たまに魔法陣にも刻まれているな。それは、読めないと魔法が安定しないぞ。」


暢気に言って、本を取りだし説明する。


「さすが、相棒!頭が良くて、いつも助かる。」


「何て言うか、優等生だよね。何で、意地悪問題をこうもあっさり解読できるの?」


ロイは、苦笑混じりにノートに訳を書いている。


「俺が、・・契約・・・・してると思ってるんだ?」


「なるほど、これは大変失礼だったね。」


含みのある、Sランク冒険者としての笑みにロイは納得の笑みを浮かべる。


「殿下、国王陛下より文をお預かり致しました。」


「わかった、もう下がれ。」


ロイは、王子らしく言うと手紙を読み始め苦々しい表情をするとリベルテを見る。リベルテは、察してため息をつく。そして、カルマは仕上げとばかりにスピードをあげて書きうつす。リベルテとロイは、カルマから離れて小さく言う。


「リベルテ、イシュナウド家が動き出した。奴らは、ここに向かって来る。任せて良いかな?」


「了解だ。少し、離れるけど学園のカフェで待っててくれ。少し、遊んでくる。」


気負う様子もなく、文字通り軽く遊び行くかのように笑って右手でネクタイを緩める。動くときに、ネクタイを緩めないと首が絞まるからだ。


「遊ぶと、言ってきたかぁ~。うん、わかった。くれぐれも、手心は忘れないでね?国の優秀な冒険者を、減らす訳にはいかないからさ。まぁ、リベルテなら心配ないと思うけど。」


「おい、俺の心配はしないのか。」


「えっ、必要なの?ぶっちゃけ、君は何をしても死なないイメージが有るんだけど。」


「酷いな……。いくら俺でも、生死は皆等しく平等だ。形あるものは、いつかは壊れて消えていくようにな。まぁ、何事にも例外はあるが。」 


リベルテは、そこまで言うと教室から出ていった。


 


学校から、少し離れた森のなか。


「お前達、こんなところで何をしている?」


「漆黒さん!?あれ、その制服はこの学校の。」


冒険者達は、驚いてこちらを見てくる。


「俺達、カルマ・イシュナウドを連れて帰る依頼を受けてまして。あの、協力願えませんか?」


「その依頼、断った方が良いぞ。今現在、イシュナウド家に従うものは国王より罰がかせられる。俺は、国王陛下から直々に命令されてカルマを守っている。それに、お前達も知ってる通りカルマは俺のクランのファミリーだ。」


「なるほど、では僕らのパーティーは手を引かせて貰います。貴重な情報、ありがとうございました。

皆、撤退だ!漆黒、失礼致します。」


Cランク冒険者の、パーティーが5グループ去っていく。残りは、ソロの8人と2つのパーティー。


「さて、帰ってくれないのか?」


「はんっ、Bランク冒険者だとしても所詮は1人。この人数を、相手するのはきついはずだ。」


しかし、他の奴らが止める。


「まて、何であいつが漆黒の死神と呼ばれているのか知らないのか!?この国で珍しい黒髪の少年が、王宮が落とされる危機におちいったとき全ての敵をほぼひとりで倒したからだ。つまり、漆黒はソロで集団をやれる実力があるってことだ。」


「そうだな。それに、あいつはギルドマスターのお気に入りだ。実力だけなら、Aランクでも上位に入るらしい。ここは、一旦引いて……」


まぁ、話し合いをするのは良いけどな。そろそろ、別動隊が動き出す頃合い出し悪いけど待ってられない。とっ、言い訳でだ……さよなら。


ズドォーーーン!


さて、戻るとするか。




「お疲れ様。先に、ティータイムしてるよ?」


紅茶を飲んでから、笑顔で言うロイ。


「そうか、別にかまわないけど。」


「さて、もう帰るの?」


リベルテは、頷いてロイから鞄を受けとる。


「カルマ、待たせたな。そろそろ、帰ろう。」


「おう、本を返すの長かったな。」


「図書の管理者が、居なくて探してたんだ。」


「なるほど。」


3人で、外に出る。すると、カルマが青ざめる。


「なっ、何であいつが居るんだよ……。くそ親父。」

読んでいただき、ありがとうございました。


次回、決着がつきます。

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