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平凡なサラリーマン

僕の名前は東海林幸平。


普段は中小企業の営業マンだ。


朝六時半に起床し、歯を磨く。同時にトースターにパンを入れ、ブレンディのインスタントコーヒーを100均で買ったコップに降り注ぐ。


ちなみにパンは近くのローソンで買う、ふんわり食パンの薄切りのやつだ。


コーヒーは苦いから嫌いだ。僕は本当はコーヒーなんていう飲み物は飲みたくない。


『カッコつけてるだけだ』


誰かに毎日言われている気がする。


歯磨きが終るとふんわり食パンにバターを塗って、その上からスティックシュガーを二袋振り掛けてまんべんなくパンに馴染ませる。


そして、コーヒーにはガムシロップ三つに農協牛乳を三分の一程入れている。


自分が甘党だと実感するのは最近気がついたのであった。


パンを大きくかじり、コーヒーを口に含めながらパンを柔らかくしていく。


パンとコーヒーのコラボレーションは口の中で喧嘩することがない。

逆にお互いがお互いを引き出して融合して快楽を求めているかのようだ。


それはまるで、この世の男子と女子の恋愛に重なっているのだと思っている。


『パンとコーヒーのセックス…って所か…』


毎朝、同じ事を考えているようだ。


『くだらねぇ…』


僕はその言葉を言い放つと同時にパンの最後の一切れを食べ終わるのであった。


そして、会社に行く電車に乗るため7時に家を出るのであった。普通なら徒歩10分で駅まで辿り着けるのだが、15分かけて行くのであった。


その空白の5分というのは駅までの途中に喫煙者には嬉しい大きめの灰皿があり、そこで毎日愛煙家には厳しいこの世の中を無視するかの如く煙を吸いつづけるのであった。


しかし、そこにはいつも先客がいる。


名前は分からないが、いつも青と白のボーダーのTシャツとベージュの半ズボンを穿いた色黒でオカッパ頭の男がいるのである。


たまに得体の知れないちゃんちゃんこみたいなベストを着ている。

これはオシャレなのであろうか…。



律儀な東海林はいつも彼に挨拶をしている。


東海林『おはよーございます!!』


???『…あっ…』


東海林『最近まだ寒いですねー!この間、雪降りましたね!僕なんか電車停まっちゃって歩いて2時間かけて徒歩で帰っちゃいましたよ!!あはは!』


???『……あ、あっ…』


東海林『…それじゃあまたお会いしましょう』



なんていうんですか、緊張感。


分析出来ないほどの緊張感。


『僕はいつも話し掛けているのに答えてくれない…』


それでも日々は過ぎていくのであった。


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