1話 ー07
……山田ならやりかねない。
俺はその十数分で大体彼女の事が分かった気がする。
取り敢えず、俺の常識は彼女に当てはまらない。
「なぁ、漫画読まないの?」
「読みますよ!」
何故に食い気味に答える…。
「そもそも、こちらが漫画の技術を、地球に持って来たんじゃないですか」
「はぁ?!」
「私達のお陰で日本の漫画・アニメ界は飛躍的な発展を遂げたんですよ」
……ノーコメントで。
「あの、伊藤さんは政治に興味はないんですか?」
「政治ねぇ…」
はっきり言って微塵もないなぁ。
「前、調査員が日本に来た時は、田沼意次の裏工作で養子になった徳川家斉が時の将軍だったんですが、その頃とは随分と変わりましたね~」
こいつ、日本史マニア?裏工作で将軍家の養子になったの、家斉って。
「世界的な動きで言えば、米英戦争があったのもこの時で…」
いや、世界史マニア?
『次は観音~観音~』
「おい、俺、次で降りるぞ」
「そうなんですか?えっと…三百三十円っと…」
彼女はがま口財布の口を開け、小銭を探している。
ってか、小銭持ってんの?宇宙人なのに??
「夷藤さんはお金用意しないんですか?」
小銭を握り彼女は不思議そうな顔をしている。
「俺はIcaだし」
「あいか?」
「あ~…ここら辺で使える電子マネー?だよ。Suicaって知らないか?」
「馬鹿にしないで下さい!スイカは知ってます。夏野菜です!」
良い顔して答えてるけど、ここでスイカの話題が出てきたらオカシイだろ!何のこっちゃだよ、全く!




