2話―04
って、ここまで書く必要あるか?
そもそも答える必要があるかどうかさえ怪しのに。
……あれ?
「……なぁ」
「はい」
「これ、消えないんだけど……」
鉛筆で書いたのに、消しゴムでいくら擦っても消えない。
「それはですね!」
山田は目を輝かせた。
「最近発明された紙なんです! どんな些細な線でも消せない優れ物なんですよ」
「どのへんが優れてるの?! 寧ろ、不便だよね?!」
紙の無駄使いだろ!
資源を大切にってフレーズは山田の星にはないのか!
「分かってないですねぇ」
分かりたくもないよ。
彼女は紙を掴むと俺に向けた。
「この紙は殆ど無機物、つまり機械で出来きています」
え? それはもう“紙”とは言えないよね?
「書かれた線を記憶し、消せなくするんです」
「へ~」
「大事な手紙……例えばラブレターなど、もらった相手がいつまでもとっておきたい文を書く時によく使われるんです」
いや、ラブレターっていつまでも持っていたい物か?
でも、成程なぁ。この紙に書けばずっと消える事のない文章が書けるんだなぁ。なんだかすごいなぁ。
……え? 日本にこんなのあったっけ?
マジで山田って……。
「なので伊藤さん、消すことはできません」
あああああ! せめて、足の事だけでも消したい!いや、ついでに胸の事も!
「伊藤さんは何を消したかったんですか?」
え?ちょっと見られたらやばくない?俺、引かれそう!




