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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第3章 小学校(下)
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24

 次に、6人は宇治にある宇治平等院鳳凰堂に向かう事にした。宇治平等院鳳凰堂へは国鉄の奈良線を使って行く。奈良線にはそこそこの乗客がいる。彼らはこれから奈良に行くんだろうか? それとも途中の宇治に向かうんだろうか? わからないけれど、とても楽しそうだ。それを見ていて、浩一は修学旅行ならもっと多くの人とはしゃげて、よかっただろうなと思った。


 千沙は修学旅行で宇治平等院鳳凰堂に行った事があり、それに使ったのも奈良線だった。浩一と理沙はその車窓を真剣に見ていた。修学旅行に向かった子供たちも、この景色を見ていたんだろうか? この景色を見て、子供たちはどんな表情を見せたんだろうか? 感動していたんだろうか? 浩一にはわからない。


 電車は宇治に着いた。宇治では多くの人が降りた。そのほとんどは観光客で、これから宇治平等院鳳凰堂に向かう人がほとんどだ。彼らはみんなワクワクしている。宇治平等院鳳凰堂は10円玉に描かれている建物だ。それで知っていて、やって来る人も多いらしい。浩一と理沙は本物を見るんだと思ってワクワクしてきた。どんな風景だろうか? とても楽しみだな。


 しばらく歩くと、宇治平等院鳳凰堂が見えてきた。そこには多くの人がいる。とても美しい、左右対称の建造物だ。周りには池があり、まるで鏡のように美しく建物が映っている。本当に素晴らしいな。3人は見とれていた。修学旅行でも見た千沙は、改めてその素晴らしさに感動していた。京都は、何度来ても素晴らしい。引きつけて離さない魅力がある。


「今度は奈良に行ってみよか?」

「うん!」


 しばらく宇治平等院鳳凰堂を巡った後、6人は再び宇治駅に戻ってきた。今度は奈良に向かう予定だ。今夜は奈良の旅館に泊まり、明日は奈良を巡ろう。行く場所は、東大寺だ。明日はどんな感動が待っているんだろう。わからないけれど、きっと素晴らしい感動が待っているに違いない。


 浩一と理沙は、奈良へ向かう電車の中で、昨日と今日の旅を振り返っていた。京都って、こんなに素晴らしい所だったんだな。でも、まだまだ名所があるかもしれない。もし見つけたら、また行ってみたいな。今度行ける時は、いつになるんだろう。大きくなったら一緒に行きたいな。どんな家族を作るかわからないけれど、家族ができたらまた一緒に行きたいな。そして、最高の思い出を作りたいな。


 列車は奈良に着いた。奈良駅はお寺のような立派な駅舎だ。いかにも奈良の玄関口にふさわしい駅舎だ。来た時には、もう暗くなっていた。早く旅館に向かわないと。千沙と浩一、理沙は少し眠そうだ。早く旅館に行きたいようだ。


「早く旅館に行こか」


 しばらく歩いて、6人は旅館にやって来た。その旅館には、何組かの家族連れがいる。彼らはこれから、奈良の観光名所を巡るんだろうか? それとも、巡ってきたんだろうか? 彼らは楽しそうだ。彼らを見ていて、浩一は思った。修学旅行で来た同級生も、こんな笑顔だったんだろうか? それを楽しめなかった自分は残念でしょうがないけれど、自分はこれからもっと楽しい体験をするんだろうな。とても素晴らしいんだろうな。


 旅館の部屋の中で、千沙と浩一、理沙は楽しい日々を過ごしていた。修学旅行はもっと多くの子供がいて、とても楽しかっただろうな。だけど、こんな家族だけでの旅もいいもんだ。親近感がわいてきて、それはそれでまた楽しい。


 午後11時、6人は寝入った。明日で京都、奈良の旅は最後、明日はどんな感動が待っているんだろう。悔いのない様に楽しもう。そして、修学旅行以上に楽しいものにしなければ。




 翌朝、彼らは東大寺にやって来た。とても大きなお寺だ。この中に大仏があって、それがとても有名だし、その周りにいる鹿も有名だ。その鹿に鹿せんべいをやるのが定番だ。朝から多くの人がいて、その中には鹿もいる。中には鹿せんべいをもらっている鹿もいる。観光客はとても楽しそうだ。


「これが東大寺?」

「うん」


 3人はその大きさに見とれていた。千沙は修学旅行でも行ったが、またしても見とれた。何度見ても素晴らしい。寺院の魅力って、ここにあるんだろうか?


 と、そこに鹿がやって来た。とても人懐っこくて、かわいい。彼らはそのかわいさに見とれていた。


「し、鹿!」

「かわいい!」


 理沙は笑みを浮かべた。鹿って、こんなにかわいいんだな。


「でしょ? エサ、やってみる?」


 千尋は買ってきた鹿せんべいを千沙に渡した。これを鹿に出すんだろうか?


「うん!」


 千沙は鹿に鹿せんべいを出した。すると、鹿はせんべいを食べ始めた。食べる姿もかわいいな。その様子を見ていた浩一、理沙も千尋から鹿せんべいをもらい、鹿に与えた。鹿は鹿せんべいを食べている。


「食べとる食べとる」

「かわええなー」


 鹿のかわいさに、浩一も理沙もメロメロだ。鹿って、こんなにかわいいんだな。


「うん!」


 千尋が笑顔で3人を見ていた。この笑顔が見たかった。この笑顔がずっと続きますように。

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