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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第3章 小学校(下)
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 6人は東大寺の中に入った。東大寺の中には多くの人がいる。こんなに多くの人がいるとは。ここも有名な観光地だな。建物の中央には大きな大仏がある。6人はそれに驚いていた。千沙は修学旅行で見たが、またそれを見た。何度見ても圧倒されるな。観光客を引き寄せるのは、この大きさだろうか?


「すごい! これが大仏?」


 浩一は驚いた。修学旅行で来た子供たちは、これを見ていたんだな。自分もこれを見る事ができた。本当に感動した。でも、修学旅行でみんなと一緒に見て、感動したかったな。


「うん。大きいやろ?」

「すごーい!」


 理沙もその大きさに心打たれていた。こんなに大きいんだな。本当にすごいな。東大寺に来てよかったな。


「ちーちゃんは来たん?」

「うん」


 千沙は修学旅行で見た。だけど、浩一と一緒に見る事ができたら、もっと嬉しかっただろうな。だけど、こうしてまた来る事ができて、浩一も一緒だ。これほど嬉しい事はない。


「でも、浩ちゃんと一緒で嬉しいな」

「本当?」


 千沙は浩一と一緒に修学旅行に行きたかったようだ。そうだよな。帰って来た時、浩一をとても心配していたから。きっと、一緒に行きたかったに違いない。それを聞いて、浩一は嬉しくなった。浩一は修学旅行に来るべきではないと言っていたが、一緒に行きたかった人は何人もいる。そう思うと、決して自分は嫌われてばかりじゃないんだと思い、少し勇気が出る。


 突然、徳次郎が浩一の肩を叩いた。どうしたんだろうか?


「修学旅行、残念やったな。浩ちゃんと一緒に行きたかったんやもん。だけど、一緒に行けて、よかったわ」

「ありがとう」


 この3日間でいろいろめぐる事ができた。それに、修学旅行の行程になかった場所にも行けた。まるで夢のようで、本当に素晴らしい3日間だった。これで2学期からすっきりと学校に行ける。


「どう、楽しめた?」

「うん!」


 浩一はとても元気がよい。行けなかったつらさをすっかり忘れる事ができたようだ。それだけでもとても嬉しい。2学期からが楽しみだな。きっと終業式と表情がまるっきり違っているから。みんな、立ち直った自分を見て、驚くだろうな。


「こんな旅もええやろ?」

「そうだね!」


 6人とも、家族で旅行に出かける事を嬉しく思っていた。修学旅行もいいけど、こんな旅もいいもんだ。今度はどこに行こうか決めていないけれど、行きたい所が見つかれば、行ってみたいな。その時は、どこに行こう。できれば東京がいいな。日本の首都で、名所がたくさんあるから。


「みんなと一緒に行けて、嬉しいよ! 修学旅行に行けなかったつらさが吹っ飛んだよ」

「そう言ってくれると嬉しいわ」


 千尋は喜んだ。浩一に褒められると思わなかった。やはり浩一の機嫌をよくするためには、京都や奈良に行くしかなかったんだな。この3日間でとても楽しく過ごせたな。


「さぁ、帰ろうか?」

「うん!」


 6人は東大寺を後にした。帰りに乗るのは、比較的奈良公園に近い近鉄奈良線を使う事にした。この路線は、西大寺、生駒を経由して大阪上本町へ向かう、奈良と大阪を結ぶ最短経路だ。この頃のなら駅は地上にあり、一部道路上を走り、油阪という駅もあった。


 6人は近鉄奈良駅に着いた。奈良駅には何本かの電車が停まっていて、その中の上本町行きに乗った。これに乗れば大阪に戻れる。3日間でいろいろあったけれど、とても楽しかったな。


 電車は近鉄奈良駅を出発した。しばらくは路面区間を走ったのち、国鉄をオーバークロスして、大阪に向かう。向かう途中のロングシートに座りながら、浩一は3日間の出来事を思い出していた。とてもいい思い出だったな。修学旅行に行けなかったのは残念だけど、家族で行く事ができて、本当に嬉しいよ。大きくなったら、また京都や奈良に行きたいな。そして、もっと多くの場所を巡りたいな。そのためには、もっといろんな事を頑張らないとな。


 いつの間にか浩一は寝ていて、目を覚ました頃には生駒トンネルだった。生駒トンネルは近鉄奈良線で最も長いトンネルで、これが奈良と大阪を結ぶ最短経路となった一番の要因のようなものだ。トンネルを抜けると、そこは孔舎衛坂駅だ。電車はここから瓢箪山駅までぐっと高度を下げていく。そして、右の車窓からは、大阪の景色が一望できる。とても素晴らしい風景だ。その向こうには海も見える。浩一は立ち上がり、その景色をしばらく見ていた。旅の終わりにこんな素晴らしい風景が見られるとは。修学旅行の帰りはこのルートだったという。きっと、修学旅行で行った同級生もこの景色を見て感動したんだろうな。僕は今、彼らが見たのを同じ光景を見る事ができた。本当に幸せ者だな。

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