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井の頭線内の会話と、不思議が発生

華音にとって「聞くに堪えない」会話が続いたシャワーを終えて、三人は朝食、登校となる。

井の頭線久我山駅に着くと、雨宮瞳が笑顔で待っている。


シルビアも笑顔。

「華音、あの子、本気だよ」

春香は、華音のお尻をたたく。

「ほら、華音も笑顔、さっさと手を振って」

シルビア

「走り寄って手を握るとかさ」

春香

「格闘だけ立派でも仕方ないの」


華音は、二人の従姉に「指導」をされながら、雨宮瞳の前に進む。

「おはよう、雨宮さん」

雨宮瞳は、いっそううれしそうな顔。

「瞳でいいよ、名前で呼んで欲しい」

華音は、少々ためらいながら、

「じゃあ、瞳さんでいいかなあ」


そんな二人を見ているシルビアと春香

シルビア

「ああいうのが、まどろっこしい」

春香

「教育せねば、さっさとお相手限定したほうが、後々が楽」

シルビア

「華音をめぐって女の争いを見るのも面白いけれど」

春香

「うん、それはそうだ」

シルビア

「そういうドロドロとした世界を経験させるのも、華音の文学研究にはいいかもしれない」

春香

「六条院のオドロオドロした世界かな」

シルビア

「悩みこむ紫上、よくわかっているけれど対応上手な花散里、ポカンと何も考えていない女三宮、恋愛下手な玉鬘」

春香

「業平様みたいな、女行脚は?」

シルビア

「うん、面白い、見ている限りは」


井の頭線車内では、華音と瞳の後方で、「はかりしれない会話」が続いているけれど、瞳は華音たちの雰囲気の変化に気づいていた。


「ふむ、華音君が、ちょっと、艶めかしい」


「不思議な香りがする」

「それに、シルビアさんも春香さんも同じ香りだ」

「同じ石鹸でも使っているのかな」

「まったく同じ時間にお風呂とか、シャワーしたのかな」

「白檀?そういう系統の香り」


瞳は、その香り以外にも、気がついたことがあった。

「何だろう、華音君が真ん中にいて、シルビアさんと春香さんが並ぶと」

「光り輝くって感じかなあ」

「それも、癒され系の輝き」

「身体も心も楽になるって感じ」


自分だけが感じているのかと思ったけれど、瞳は周囲の乗客も観察をしてみることにした。

そして、驚いた。


「あれ?マスクしていた人が、どんどん外していく」

「それに、深呼吸したりしているし」

「磁気ネックレスかな、外している人もいる」


もっと驚くことが起きた。

「みんな、スマホ見てない、華音君を見ている」

「それも、ニコニコと・・・」

瞳は、あっけにとられている。


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