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瞳の不安、沢田文美も途中から一緒、空手部の怒号

シルビアと春香は別の高校のため、途中で別れ、華音は瞳と二人きりになる。

瞳としては

「よし!これで華音君を独り占めだ!計画達成だ」

と思うけれど、どうにも沢田文美からのメッセージが気になる。


シルビアも春香も、「華音は剣道より合気のほうが強い」「空手もできる」とは言っていたけれど、不安で仕方がない。

「剣道中学生日本一の華音君は、剣道より合気が強い?」

それも、瞳にはよくわからない。


そして、よくわからないまま、最寄りの駅に到着してしまった。

華音と瞳が、連れ立って改札口まで進むと、沢田文美がムッとした顔で瞳を見つめて来る。


瞳はかまわず、明るくご挨拶。

「沢田先輩!おはようございます!」

華音は、丁寧にご挨拶。

「昨日は、お手伝い、本当にありがとうございました」

それも深く頭を下げるお辞儀。


沢田文美は、「ウッ」と身構えるけれど

「はい、こちらこそ、楽しかった」

と言い、さっと華音の右隣に。

すっと手を伸ばすけれど、途中でためらっている。

「なかなか、簡単には握れない」

多くの人目もある、それが気になっているらしい。


瞳は、「対抗上」、華音の左隣に移動。

ただ、瞳も恥ずかしいのか手を伸ばすけれど、なかなか華音の手を握れない・


少し首を動かして左右を見ていた華音が、

「あの・・・人も多いので、三人並んでは・・・他の人に・・・」

つまり「迷惑になる」という意味。


しかたなく、それなりの距離を置く沢田文美と瞳になるけれど、沢田文美が華音に声をかけた。

「ねえ、華音君、空手部女子からの情報なんだけどさ」

華音

「はい、何か?」

沢田文美

「空手部主将の剛がね、華音君が挨拶に来ないって、待ち構えているみたい」

「それを剣道部の塚本君が止めて、少々トラブル」

瞳に送ったメッセージそのものを、華音に告げる。


華音は、首を傾げた。

「うーん・・・確かに御挨拶はしていませんけれど・・・」

そして沢田文美に尋ねた。

「ここの学園は、転校してくると、全ての部活動にご挨拶を求められるのですか?」


華音の疑問は、当たり前。

そんなことは校則にもないし、学園内の習慣としても、何もない。


沢田文美は言葉に詰まった。

「えーっと、そんなことはないけれど・・・」

「華音君は、中学時代の大会の実績とかで、噂が広がっているのかなあ」

言えるのは、そんな程度。


瞳は、沢田文美にすっと近づき、シルビアと春香から聞いた「華音の合気の力と空手の力」を伝えた。

沢田文美は「え?」と言う顔で、華音を見るけれど、華音は普通に歩いているだけ。


さて、学園の校門が見えてきた。

そして、空手部女子の情報通り、空手着を着た男子生徒が腕組みをして、数人立っている。

その隣に、心配そうな顔をした剣道部の塚本主将が立っている。


いきなり空手着を着た男子学生が大声を出した。


「おい!何だ!お前が華音か!」

「何考えてる!女連れで登校だと?」


その大声で、通学のため校門の周囲を歩いていた生徒たちは、一瞬で緊張に包まれてしまった。


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