学食レストランでは和やかに 華音への質問と答え
さて、学食レストランの食券売り場で、華音が選んだメニューは「魚介類のトマトソースのパスタ」とエスプレッソの珈琲。
腕組み状態で一緒の沢田文美も、にこにこしている。
「へえ、何かオシャレだねえ、こんなの気が付かなかった」
華音は恥ずかしそうな顔。
「学食レストランにしては、広くて豪華ですね、なんかホテルみたい」
沢田文美が、自慢げに説明。
「そうね、学園長の趣味なの、食事はしっかり、楽しくってね」
「ここのシェフも、元は日比谷の超名門ホテルからスカウトしたんだって」
「他の高校のレストランでは、考えられない」
華音は沢田文美に尋ねた。
「沢田さんは何を?」
沢田は、少し考えて、
「うーん、華音君がそうくるなら・・・魚介類のピザにする」
そこまではよかったけれど、
「ねえ、華音君、半分こしない?」
華音はにっこり。
「はい、それも楽しいですね」
結局、華音と沢田文美は、すっかり意気投合している。
そんなメニュー選びが終わり、全員が何らかの食事をテーブルに置き、今日は学食レストランでの昼食会となった。
そして、不思議なことに、華音の「いただきます」で、一斉に食べ始める。
華音は食べながらうれしそう。
「美味しいです、これ、魚介類の出汁がしっかりパスタに絡んでいて」
沢田文美は、ほぼ暗黙の了解で、華音のパスタを半分、自分のピザを取り分けている。
「ねえ、華音君、今思ったんだけどさ、みんなもいい?」
華音を含めて全員が沢田文美の顔を見ると、
「今度ここで食べる時に、全員が違うものを頼んでさ・・・」
沢田文美が、含み笑い。
雨宮瞳は気がついた。
「もしかすると、取り分けで食べるんですか?」
他のメンバーからも声が出た。
「へーーー!パーティーみたい!」
「いいねえ、おかずだけ、ここで注文してさ」
「ご飯は家から持ってくる?」
「それもいいしさ、面白いね」
「わーー!やろうよ、面白いもの!」
華音も、うれしそうに笑っている。
「そうですね、食事は、いろんなものを、和気あいあいと食べるのが、一番美味しいかなあ」
「楽しいですね、そういうの」
そんな状態となり、華音の言う通り、和気あいあいと食事会は進む。
その中で、沢田文美が、切り出した。
「ねえ、華音君、朝の話なんだけどさ、気になっていてね」
「どうして、華音君は、中学の剣道日本一とか、合気道日本一で、格闘系の部活に入らないの?」
沢田文美らしい、単刀直入の質問になるけれど、それには全員が疑問に思っていたようだ。
華音の次の言葉に、全員が耳を傾けることになる。
その華音は、またニコニコと笑っている。
そして、驚くべき答えが返ってきた。
「えーっと・・・実は、中学の時も、剣道部にも、合気道部にも入っていませんでした」
「・・・え?マジ?どういうこと?」
その答えには、沢田文美だけではない、全員が目を丸くしている。




